HWH社レベリングジャッキの修理事例

 アメリカ製キャンピングカーで28フィートを超える車輌では、レベリングジャッキ(アウトリガー)が装備されている車輌があります。
 RV用レベリングジャッキは、アメリカの数社が製造をしていますが中でもHWH社が多く採用されています。
 このレベリングジャッキは、車輌四隅車体下部に取り付けられたシリンダーを油圧により伸ばし車体を水平に保ちます。
 具体的には傾斜のある場所でも室内からレベリングジャッキをコントロールし、4本のシリンダーの長さを調整することで車体を水平に保つことができます。
 本ページは、HWH社レべリングジャッキの動作不良の修理事例です。
レべリングジャッキの動作不良
 本車輌は、オートマチック式(タッチパネル式)のレべリングジャッキが搭載されています。車輌購入時からレべリングジャッキが動作しない状態でした。
 オイルラインの確認、電源の確認などを行ったが、どちらも問題ない状態であった。   モーターの動作音が不安定でパワー不足のため、取り外し分解してみる。
 モーターの中を確認すると、ブラシが磨耗している状態であった。  国産モーターのブラシを流用し、再度モーターを組み込むと、モーターの回転も安定し、トルクも向上。  モーターを組み込み、動作確認を行うと、シリンダーが動き始めた。これで復活と思ったが、左前のみが動かないため、オイルライン、電源を再度確認する。
 オイルライン、電源とも正常であったため、バルブに的を絞り分解・してみる。すると、バルブのニードルの不良を発見。簡易的に、ヤスリとペーパーを使いニードルを整形。再度組み込み、動作させると正常にシリンダーがでた。  簡易的に、ヤスリとペーパーを使いニードルを整形。再度組み込み、単体で動作確認を行う。バルブの動きが正常になったため、再度パワーユニットに組み込むと正常にシリンダーがでた。 バルブ自体の接点の劣化、ニードルの不良などがあるため、交換のための部品をアメリカから輸入。
 上は、取り外したバルブ。下は、輸入したバルブ。  純正のバルブを全て取り外し、新しいバルブと交換する。  全て組み込み、動作テストを行うと全てのシリンダーが正常に動作した。以上で修理完了。
HWH社のレべリングジャッキについて
★ クラスAなどのレべリングジャッキは、パワーユニットからシリンダーまでの距離が長いため、オイルライン・電気系を確認する際は、部分部分で区切って確認することが必要です。
★ オイルラインの長い車輌はラインのジョイント部のオイル漏れに注意してください。オイルタンクが規定量以下になっていることもあります。
★ もし、オイルが不足している場合は、ミッションオイルでも代用が可能ですができれば、HWH社の純正オイルをお勧めします。HWH社の純正オイルは1リットルから入手することも可能です。
★ 今回輸入したバルブは、パーツリストではモーターなどのパワーユニットアッセンブリーになっていますが、単体で入手することも可能です。
★ HWH社の部品やオイルは手に入りにくいといわれますが、細かな部品まで全て部品番号で管理されているためそのようなことはありません。
 

作業時間 作業難易度(5段階)
(5が難易度が高い)
作業のポイント 実用度(5段階)
(5が実用度が高い)
トータル8時間程度 ○ 原因の特定は、機械部、電気部に切り分けて行うこと。
○ それぞれのパーツの役割を理解し、動作テストなどを行うこと。(取り扱いを間違うと二次的な故障を招く恐れがあります)

 トップページへ戻る

Copy right NET CAMPER
Since 1999.Nov