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重心の位置

前回の書き込みで思い出した事を書きます。

操縦安定性(直進性)に関して、此れまで何度も重心の位置の重要性、又は前輪への荷重の大切さを書きましたし、前々回に私のRVの重心の位置が後ろ過ぎた為に操縦性が悪かった事を書きました。 しかし、それよりも数倍悪い、即ち前輪が軽くて浮き上がる車を運転した事があります。 此れも学生時代の経験です。

陸送と言えば現在はトレーラーに乗用車を8台-10台程度積んで運ぶ事ですが、昔は多くの乗用車が一台づつ運転されて地方のデーラーに配達されました。 トレーラーで5-6台運び始めたのは丁度私が陸送(1台1台の運転)を行った頃です。

ある日、裸の観光バスを神奈川県のトラックメーカーから埼玉県のバスメーカーに運んだ事があります。 観光バスと言ってもエンジンが最後部に付いているだけで、内装も外装も無く、運転席は紐でみかん箱をシャーシーに結び付けた物でした。 従って、車体や座席が付いていない為前部は後部の重量に比べて極端に軽い物でした。

17号線で浦和の辺りを走行中、真夏のアスファルト道路は柔く、滑らかな凸凹になっていて、軽い前部は徐々に飛び始めて前輪は完全に地面から離れるまで浮いて仕舞いました。 浮いて怖いのはハンドルを切っても接地していない為に直進して方向を変える事が出来ません。 又みかん箱の為背もたれが無く、ブレーキとクラッチを同時に踏むとお尻が浮いてハンドルにしがみ付きながらペダルの上に立つ状態になって仕舞います。 この頃のバスにはエアーコンプレッサーが付いていましたのでエアーブレーキだったとは思いますが、ブレーキペダルはクラッチと同じ形状で、しかも新車の為非常に硬く、怖いを思いをしながら低速で走った事を覚えています(この時の前後の走行順路や運転状況は全く記憶にありません)。

装備を完成した新車トラック、ミキサー車、ダンプカー、その他色々配達しましたが、何処の会社から何処に届けたかは記憶に無く、極一部が記憶に残っています。 他にも無茶をしましたが、今考えますと事故を起こさなくて幸運でした。

ハンドルの遊び

前回、車の直進性を書いていて思い出した事があります。

大昔に夏の学生アルバイトとしてデパートのお中元商品を銀座の松屋から練馬区の配送所に運ぶトラックの運転をした事があります。 プリンスの2トン車で、その頃沢山走っていたトヨエースより荷台が長いトラックでした。  

このトラックのハンドルの遊びが大きく、左右に殆ど45度程度の遊びがありました。 しかし、このトラックの直進性は抜群で運転は全く苦にならず、毎日運転するのが楽しみでした。

思い出される事が幾つかありますが、前輪が道路上の穴に落ちると素早くハンドルを左右に回さないと共振を起こし、又、都電の線路上を走る時は線路から数cm離れて走行し、線路を斜めに横切る時は大きな角度を取ったものです。

トラックの後輪は荷台の中心よりやや後方にあり、又エンジンが前方にありますので、空の状態でも満載した状態でも前輪には適当な分量の加重が加わり、直進性が良いのかも知れません。

と言う事は、重心が原因の走行不安定はエンジンが後部に付いているDPに多い問題かも知れません。 RVには、燃料タンク、ジェネレーター、飲料水タンク等の重量物が後方に装備されていて前輪が軽い場合も考えられますので、重心問題は計量をする事で問題解決する必要があります。

余談:
今考えますと非常に危険な状態の車に乗っていたのですが、友人の紹介で得たこの仕事は家からも近く、収入よりもトラックが運転出来る事がうれしかった記憶があります。

このトラックを運転していた時に私が此れまでに唯一犯した(捕まった)運転違反があります。 その当時は至る所に都電が走っており、トラックは線路内を走れない規則になっていたと思います。 しかし、トラック運転手の多くはそれほど気にせず、必要な時は線路内を走っていたと思います。 ある日、都心に向って皇居のお堀付近の“T”字路で線路内から右折をした際、運悪く待ち受けていたお巡りさんに捕まって仕舞いました。 お巡りさんが違反チケットを書いている間も多くのトラックが私と同じ様に違反をして走って行くのを見ていた記憶があります。

違反をした事はハッキリ記憶していますが、違反をした事を配送所に話したか、罰金の額、どの様に支払いをしたかは全く記憶にありません。 学生時代は色々な運転のアルバイトをしました。 事故を起こさなくて良かったです。