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モーターホームの車幅

暫くお休みをしていましたが、又書こうと思います。 と言っても何を書いたら良いのか分かりませんが、日本で多くの人が興味を持つRVに関する知識は持ち合わせていません。 ネットキャンパーをご覧の人の中にはアメリカ製RVにお乗りの方もいらっしゃいますし、日本ではアメリカのRVに関する情報が限られていると思われますので、少々アメリカのモーターホームに関係した事柄を何回かに分けて書いてみます。 

アメリカでは1982年(レーガン大統領時代)に連邦政府の条例“Surface Transportation Assistance Act of 1982(STAA of 1982)”により商用トラックのサイズが見直されました。次のサイトにはそのサイズに関して要約されて居ます。
http://ops.fhwa.dot.gov/freight/publications/size_regs_final_rpt/size_regs_final_rpt.pdf
(STAA of 1982)は単にサイズだけでは無く、実際には陸上運送の合理化や将来の道路整備を全国的視野で定めた結果です。 
https://connect.ncdot.gov/business/trucking/Trucking%20Documents/STAA%20Guidelines%20and%20Procedures.pdf
連邦政府のこの条例ではRVは除外、即ちRVは各州の法令に従ってそれまで通りの車幅制限である8フィートでした。

その後各州が道路法規を改正して徐々に8フィート(96インチ=2.44m)から8.5フィート(102インチ=2.6m)に変更になりました。 州の道路法規では車幅や全長に関しては車両全般(Vehicle)で扱っている為にRVと商用トラックとを別扱いにされておらず、此れに目を付けた豪華クラスAを製造するRV会社が1980年代後半になって102インチ幅のデイーゼルプッシャーを製造、その後1990年代に入ってからは一般クラスAにも徐々に波及して行きました。 

アメリカの道路法規は各州毎に決められていて、速度制限同様に車幅/全長制限も各州で異なります。 現在は殆どの州の車幅制限が102インチになっていますが、100インチの州があったり、アリゾナ州の様に未だに96インチの州もあります。 
http://www.leginfo.ca.gov/cgi-bin/displaycode?section=veh&group=35001-36000&file=35100-35111

従って、厳密には102インチの車幅の車はアメリカ国内何処でも走行して構わない訳では無く、本来ならインターステートハイウエー又は特定の認められえた道路だけしか走れない州もありますが、州間の相互協定で自由に乗り入れが可能です。 実際には相互協定を認めない場合や、幹線道路以外の走れる道路が細かく記されている州もあるようですが、車幅制限で一般RVerが捕まった話は聞いた事がありません。

次のサイトは牽引に関しての法律ですが、モターホームやトラックも含めたものです。
http://towingworld.com/towinglaws.cfm

1990年代後半にはワイドボデイーと呼ばれる100インチ‐102インチ幅のモーターホームがポピュラーとなり始め、その頃のRVフォーラムにはワイドボデイーとナローボデイーのどちらを購入するかの質問が頻繁に登場し、その頃同じくポピュラーになったスライドアウトと一緒によく議論されていました。 よく目にしたのは、ナローボデイーは買い替え時に値下りが激しいので損との理由でワイドボデイーを推薦する意見が多く、他にも理由が色々あると思われますがワイドボデイーは瞬く間に主流となりました。

続く。