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ラグナットのヒビ割れ

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ブレーキ整備をする為にタイヤを外していましたら(ダブルの)内側のラグナットに大きなヒビ割れが生じていました。 全てを検査したところ、合計3個同様のヒビ割れが見つかり、全手のラグナットを交換しました。 ヒビ割れが生じるとナットがスムーズに回らなくなる為、キツクテ回らないラグナットはヒビ割れが無いか検査をする必要があります。

ダブルのラグナット:
クラスB、クラスC、クラスAのガソリン車等に使用されているダブルタイヤのラグナットはシングルナット(1セット)で内側と外側のホイールを固定していますが、DP(デイーゼルプッシャー)の多くは、大型トラックや路線バスと同様にダブルナットが使用されています、即ち内側のホイールを1個の筒型のナット(写真の左)で締め付け、外側のホイールをもう1個のナット(写真の右)で締め付けます。 尚、この写真に写っているラグナットは車の左側用で、通常と反対の左ネジになっています。 左ネジには左ネジを示す“L”のマークが刻印されています。

ラグナットの締め付けトルク:
乗用車を含め、ラグナットを締め付ける強さは非常に大切です。 タイヤ販売店は何処もエアーレンチを使ってラグナットを取り付けますが、最近は緩めに全てのラブナット取り付け、最終の締め付けはトルクレンチを使って締め付ける所もあります。 小型の乗用車は60Ft-Lb(フットパウンド)前後から、大型乗用車や小型ピックアップトラック等は100Ft-Lb前後、アメリカ製ピックアップトラックやバン(F350、E350等)は150Ft-Lbですが、それぞれのマニュアルに示されたトルクでラグナットを締め付ける事が大切です。

DP用のダブルラグナットの締め付けトルクは小型トラックやクラスAのガソリン車の約4倍の500Ft-Lb(フットパウンド)ですので、トルクマルテイプライヤーと呼ばれる倍力工具やレンチに1.5m程度のパイプ(水道管の様な物)を差し込んで回さなくては規定の締め付けは困難です。

ラグナットの交換:
ラグナットを長年使用するとネジが伸びるので交換が必要と言われています。 しかし、実際に定期的にラグナットを交換する人は稀だと思います。 今回のヒビ割れの原因に関しては大体想像が付いています。 RV購入直後にハブに取り付けられているラグナット用スタッドが完全に納まって居なかった為、トラックタイヤ販売店でアライメント調整をした際にその点を指摘した結果エアーレンチを使用して極端に大きなトルクでラグナットを締め付け、後日、倍力工具では緩める事が出来ず、同じ店でラグナット緩めて貰った経歴があります。 恐らくその際に既にネジにダメージを与えたのでは無いかと考えています。