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故障とスペアー部品

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修理に関して時々書いていますが、私は修理に関して大した事は知りません。 その為に問題が起こらない様に普段から気を付けていますが、其れでも旅先で故障は起ります。 

旅先で故障をしますと、特にエンジンや駆動関係ですと、地獄にでも行くような気持ちになります。 時間が経つにつれて気持ちが落ち着いて来ますと、“時間が解決をしてくれる”と自分に言い聞かせながら修理に専念します。 もう一つ考える事は、“修理が終えて旅を続ける事が出来さえすれば良い思い出が出来る”です。 故障をした時の状況を写真に写して置こうと思うのですが、ほとんど毎回忘れて仕舞います;故障をすると頭が修理で一杯になり、考えるユトリが無くなって仕舞うからでしょう。

動けなくなってレッカー車を呼んだり修理屋の世話になる様な最悪の事態にだけはしたくありません。  従って、常にスターターモーター、オールタネーター、トランスファーポンプ、サーペンタインベルト(ファンベルト)、プレッシャーコンバーター、エアーバッグ(サスペンション)、フィルター類等のスペアー部品を積んでいます。 スペアー部品は場所を取りますし重量もありますので、故障をして必要になる確立を考えますと複雑ですが、単に“後悔はしたくない”との思い込みで不可欠と思われるスペアーを積んでいます。

スペアー部品が在りますと、既に書きました様にその場で直ぐに問題解決が出来て便利であるのは当然ですが、それ以上に大切な理由は、直ぐには入手が困難で、部品に依っては2-3日(エアーバッグは3ヶ月)掛かって当たり前の物もありますし、普段は幾らでも手に入る部品でも緊急な場合に限って見付からない事が往々にして起こります。 又、最近はネットで非常に安く購入出来ます。 例えば、スターターモーターの場合、デイーラーから純正部品を購入すれば$700する物がネットでは$150程度で購入出来ます。 田舎の町で故障すれば、デイーラーから取り寄せる事になり、定価に送料を払う事になります。 

先日友人にメールをしていて気が付いたのですが、此れまでに上に書いた全てのスペアーを旅先で(エアーバッグを除く)交換しています。 そして、それらを交換した場所が記憶は残っています。 幸運にも(不幸にも)故障してスペアーを持ち合わせていたお陰で、旅を続ける事が出来ました。 エアーバッグはひび割れの為に家で交換をしましたが、ひび割れの理由は市販されているゴム製品手入れ商品を使用した為で、ゴム製品の手入れは水と石鹸水に限ります。 尚、タイヤのバーストに依ってエアーバッグを失った人がRVフォーラムで何人か居ます。

スターターモーター交換 #1:
之までに2度スターターモーターを交換しています(現在のRV)。 最初の交換はRVを購入して間も無くで、新車保証修理(何の修理かは記憶無し)をして貰っての帰りに様子の異常が気になり、家に帰って調べたところエンジンが掛からずスターターモーターが手で触れる事が出来ないほど熱くなっていました。 冷やしたとは思いますが、スターターモーターを直ぐに外してみましたらピニオンギヤーは完全に潰れて小さな円形になっていました。原因はピニオンギヤーが出っ放しになって、高速走行中に早いベルギヤーの回転に追い付けず、潰されて仕舞った様です。 

ギヤーが潰れているのを見たショックは非常に大きく、“ベルギヤー(クランクシャフトに取り付けてある大きなギヤー)が潰れたり、割れたり、少なくともエンジンをバラシテベルギヤーの交換が必要になった”と完全に思いました。 直ぐにカミンズデイーラーに行って“バーリングツール=Barring Tool”を購入してノゾキ穴から調べた結果、ベルギヤーには全く異常が見られなく、大儲けをした感じを受けました。 設計者はよく考えています、ベルギヤーには損傷が無いように、ベルギヤーに比べてピニオンギヤが柔らかく作られていました。 尚、代替スターターモーターはカミンズから購入しましたが、その後新車保証で返金して呉れました。

参考1  バーリングツール(カミンズ部品番号 3824591)
バーリングツールは写真上段の様な形状をしていて、此れを写真下段の様に所定の穴に差し込んでラチェットレンチで少量づつエンジンを回転させる事が出来ます。 タペット調整(Valve Lash Adjustment、Valve Clearance Adjustment)をする際には欠かせません。 

純正バーリングツールをカミンズデイーラーから購入しますと$70前後しますが、同じ純正品がネットでは$50少々で購入出来ます。 尚、安い社外品も$30台で出回っていますが、RVerの場合は滅多に使用しませんので此れで十分かも知れません。

参考2  タペット調整
カミンズのISBエンジンのタペット調整は241500Km(150000マイル)毎です。 私は之までに調整を2度行っていますが、最初に行った理由は、キャタピラーエンジンの場合は最初の調整が11000マイルと知り、確認の為に行いました。 しかし、全ての隙間が制限範囲内で調整の必要は無かったのですが、1個又は2個だけを微量調整した記憶があります。
2度目はヘッドガスケットの交換をした際で、それ以後約50000マイル程度走っていますが、調整は行っていません。
調整はそれほど難しい作業では無いと思いますし、乗用車のタペット調整の経験がある方には誰にでも出来ると思います。 しかし、この際にバーリングツールが必要となります。

スターターモーター交換 #2:
この件に関しては以前、触れた事があると思いますが、2-3年前の8月でした。 カナダ側からアメリカに入る国境検問所での渋滞で10m程度走っては1-2分の静止を繰り返し、騒音やエンジンから出る熱が周りの人の迷惑になる事を考えて毎回エンジンを停止させていました。 エンジンは一発で掛かってはいたのですが、何と無く掛りが普通では無い事が気になっていました。 1時間以上(2時間?)掛かって国境を通過し、ガソリンスタンドに寄ってアメリカ側の(カナダに比べて)安い燃料で空に近いタンクを満タンにしました。 入れ終えてガソリンスタンドを去ろうとしたところが、エンジンを掛けようとしてもバッテリーが上がっていてスターターモーターは回りません。 

ジャンパーケーブルを取り出してトウド(牽引している車)からスタートさせようとしましたがトウドのバッテリーも完全に上がっていました。 積んであるスペアーバッテリーを取り出してスタートさせようとしましたが、今度はスターターモーターは回転して呉れません。 ガソリンスタンド内で作業をする訳にも行かず、スペアーバッテリーでトウドのエンジンを掛けて、幸いにも前方にあったショッピングセンターの駐車場にトウドでモーターホームを押しました。

原因はスターターモーターがショートを起こしたらしく、モーターホームとトウドのバッテリーを消耗し、其の過程でスターターモーター自体の配線も焼け切れた様です。 スターターモーターをスペアーに交換後は直ぐにエンジンも掛かり、モーターホームとトウドのバッテリーにも大きな打撃は無かった様で、1時間(2時間?)程度の修理で思い出を残して出発出来ました。 (前回、故障は最悪の時に起こると書きましたが、この時は家内が腎臓結石でカナダの救急病院に行き薬を処方して貰い、アメリカ側の病院に急いで居た時でした。幸い、薬の効果で最悪の状態は過ぎ、病院には寄らずに家まで帰る事が出来ました。)

注意:
スターターモーターは帰宅後ネットで購入し、一度取り付けて機能を確かめた上でスペアーとして保管しました。 カミンズエンジン用のスターターモーターには色々あります。 見た目は同じでも使用不可能な物もあります。 購入後に必ず取り付け可能、並びに機能を確認して於く事も大切です。

続く


補足:
読み返していて気が付いた事がありますので補足します。 トウド(牽引車)のバッテリーが上がった理由が理解出来ない方もいらっしゃるかも知れませんが、トウドには補助ブレーキが付けてあり、其のブレーキは12Vの電動コンプレッサーのエアーで作動します。 補助ブレーキは急ブレーキを使用した場合だけに作動しますのでタンクのエアーの消耗は殆どありません。 しかし、トウドを外さずに数日間掛けて長距離を走る場合はバッテリーの消耗も考えられます。 過去に、ラジオを消し忘れてバッテリーを上げて仕舞った事もあります(ハンドルが回転出来る様にイグニッションキーはアクセサリーの位置でオン)。 この様な理由で、モーターホームからスイッチを通して配線がしてあります。 普段はスイッチをオフにしているのですが、長距離を走る場合はオンにしていました。 今後上に書いた様な事(モーターホームと一緒にバッテリー上がり)が起こらない為にダイオードを入れて於きます。