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デイーゼルプッシャーのエアーシステム, その1 エアードライヤー全般

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最近、知人が交換用エアードライヤーアッセンブリーを注文しましたので、自分のRVのエアードライヤーを確認してみました。 その結果、7年前にオーバーホール以後無視をしていましたので之を機会に私もエアードライヤーのオーバーホールキットを購入して、本日エアードライヤーを取り外して内部を確認してみました。 矢張り驚きの状態でした。 7年前にオーバーホールした時も酷い状態でした。

電気システムの故障の続きを書く予定でしたが、その前にデイーゼルプッシャーのエアーシステム並びにエアードライヤーに関して書きます。


町で見る大型バスやトラックにはエアーサスペンションやエアーブレーキが装備されていますが、デイーゼルプッシャーの殆どにもエアーシステムが装備されています。 

余談:
クラスA(バス型RV)の後部にデイーゼルエンジンを搭載しているRVをデイーゼルプッシャーと呼び、  ガソリンエンジンを後部に搭載していたり、デイーゼルエンジンを前部に搭載しているクラスAはデイーゼルプッシャーとは呼びません(当たり前ですが)。 約10年前から省エネを目的とした前方にデイーゼルエンジンを搭載したクラスA(FRED=Front Engine Diesel)が出回っていますが、これらの殆どはエアーシステムは装備して居らず、エアーサスペンションやエアーブレーキは装備されていません。 デイーゼルエンジンの効率の良さを利用、エンジンを前方に取り付ける事で冷却の効率を良くし、即ち後部や後部横で大きな冷却ファンを回す無駄を軽減、更にエアーコンプレッサーを回す無駄を省いて燃費を向上させる為です。 その為、燃費は同じクラスのデイーゼルプッシャーに比べて20%程度、ガソリンクラスAに比べて30-40%程度良い様です。

エアードライヤーは重要:
エアーシステムにはエアードライヤーと呼ばれる水分を取り除く装置が付いています。 この装置にはヒーターと共にエアーフィルターが付いていますが、多くの人が、私も含めてこのフィルターを軽視しがちです。 オイルフィルターやエンジン用のエアーフィルターは定期的に交換してもこのエアーシステムのフィルターを定期的に交換しているRVerは稀だと思います。 マニュアルに依りますと長距離大型トラックの場合は1年に1回との事ですが、RVフォーラムでの意見ではRVの場合は2-3年毎程度で良い様です。之はシャシーデイーラーの意見も反映されています。

ビデオ:
交換をしないと次のビデオの様な事になります。
要約しますと、朝3時に起きて牧草を遠方に運んでいたら変速が難しくなり、エアーブレーキにも支障(戻らない)が出て、新品エアードライヤーに$500余りを投じる。 エアードライヤーは機能しなくなっても外見からは分からないので困る。 之まで行った修理の中でも簡単な修理。 風邪を引いていて調子が悪い時にやりたくはないのだが。  自分で簡単に出来るので、怖がらずに自分でやりなさい。 簡単なので人に頼ってお金を無駄にする必要は無い。 修理の結果シフトが可能になる。
https://www.youtube.com/watch?v=RKuSgM-eLtE


デイーゼルプッシャーの殆どのエンジンにエアーコンプレッサーが取り付けられていて、空気ブレーキやエアーサスペンションが装備されています。  

エアーシステムは3つの重要部品、即ちエンジンに取り付けられたエアーコンプレッサー、プレッシャーガバナー、エアードライヤー、その他の配管、タンク、安全バルブ、圧力センサー、圧力ゲージ、更にサスペンション部品やエアーブレーキ部品等から成り立っていています。 

機械や電気部品ですので故障を起こす事もあって当然ですが、エアーシステム自体の問題は意外と少なくてRVフォーラム等で書き込みの主な物はエアー漏れで、部品機能の不具合は稀です。 従って、エアーシステムの定期的な点検を怠るオーナーは当然多く、稀にフィルター交換に関する書き込みがあります。

エアードライヤの内部状態:
本日、エアードライヤーを取り外して内部を確認したところ、内部は水、真っ黒な砂状のカーボン(写真右上)、オイルと水が混ざったドロドロの液体(写真下)等が溜まっていて、傾けるとゆっくり流れ出す状態でした。 ビデオでの説明と非常によく似ていました。

カートリッジフィルター内の状態は未だ開いて(壊して)確認していませんが、エアードライヤー内部が酷い状態でしたので、念の為にヒーターの導通を確認してみましたら、案の定ヒーターは切れていました。 早速交換ヒーターを注文しました(参考: ヒーターは寒冷地で水分の凍結を防ぐ為)。

次回はエアードライヤーに関して更に詳しく、又取り外し方法等に関しての説明もする予定です。