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RV用フレッシ・ウオーター・ポンプ

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RVには飲料(洗面)用のウオーターポンプとエンジン冷却用のポンプの2種類が付いて居り、前者はフレッシ・ウオーター・ポンプ(Fresh Water Pump)と呼ばれます。 交換をする際に同じ様な大きさと形をしたフレッシ・ウオーター・ポンプの種類が多数あって選択が難しそうですが、ポンプの基本的な違いを理解すれば簡単に目的に合ったポンプを選択する事が出来ます。 しかし、間違ったポンプを選択すれば後悔、又は買い替えをさせられる事もあり得ます。  

ネットキャンパーのメンバーからリクエストがありましたので、今回はポンプの種類、選択方法、悪いポンプの選択の例、アキュミュレーターの使用、ポンプの騒音の問題等に関して書きます。

A. 製造メーカー
シュアーフロー(SHURflo)とフロージェット(Flojet)の名前が長年RV用のウオーターポンプとして一般的ですが、数年前からRV牽引装備やオイル潤滑ポンプで名が知られているレムコ(Remco)も加わり、RV用フレッシュウオーターポンプの殆どがこの何れかだと思われます。  上の写真にはそれぞれの会社別に、多数ある中から選んで一部のポンプモデルを表示しました。

B. 種類
ポンプの種類は多数ありますが、基本的に電圧、流量、水圧の3種類のスペックを見極める必要があります。 全く同じ形状をしていても、内部のモーターやポンプ部品が異なりますと機能も異なります。 製造時期や販売会社に依り全く同じ機能のポンプでも部品番号が異る場合もあります。
• 電圧
RV部品店で購入する場合は大体12Vが主で問題はありませんが船舶用の24Vや115VACもありますので、ネットで購入する場合は注意が必要です。
• 流量
1 GPM (ガロン・パー・ミニッツ)即ち1分間に約4リットルから20リットル(5.7 GPM)前後までの量の水を流す機能を持つポンプが一般的です(配管のサイズや長さ、その他の条件でスペック表示流量より低くなる)。  ポンプ購入の際にこの数値は最も重要で、勢いの良いシャワーやシンクの蛇口から豊富な水が出る事を期待したい場合は4.5 GPM前後以上の流量が好ましく、一般的なRV(クラスAやクラスC)の標準装備(新車装備)のポンプは3 GPM前後又はそれ以下の場合が多いと思われます。 小型のRVで小さなフレッシ・ウオーター・タンクが装備されている場合は2 GPM程度の小さな流量のポンプで十分で、大きな流量のポンプを付けても相応の水の量がありませんので無駄です。  流量の大小は価格にも大きく影響し、大流量のポンプは高価です。
• 水圧
40 PSI (ポンド・パー・スクエアー・インチ)即ち、水を押す力が約2.8気圧からから6.9気圧(100 PSI)前後まで種々のポンプがありますが、この数値も流量とは異なる意味で非常に大切です。 多くのポンプは定圧ポンプ(Fixed Pressure)で、圧力センサーに依って規定の圧力に達しますとポンプのモーターは自動的に停止、圧力が規定より下がりますと再起動して水圧を一定に保ちます。 
より高価なポンプの中にはVSD (Variable Speed Drive) と呼ばれる必要流量に応じてモーターの回転数が変化するタイプがあり、流れが小さい時は“コロ ‐ コロ ‐ コロ”の超低回転になり、ポンプの音は耳を澄まさないと聞こえません。
圧力は全ての蛇口を閉じた状態での数値ですので、蛇口を開けば水圧は下がりますし、水が流れている状態ではスペックの圧力より可也下がります。 従って、勢いのよいシャワーやシンクの蛇口から豊富な水の量は圧力とは余り関係が無く、むしろ流量に大きく関係します。 圧力が高くても価格には殆ど関係ありません。

参考: 外部の水道管からホースを使ってRVに繋げる場合は必ず(絶対に)専用の圧力レギュレーターが必要です(写真下)。 家庭、RVパーク等の水圧はRVには高過ぎる高圧の場合も少なく無く、直接ホースをつなげますとRV内の配管から漏れを起こしたり、場合に依っては破裂を起こす可能性もあります。 通常、RV専用圧力レギュレーターは50 PSI(3.5気圧)前後に設定してあり、以前は60 PSI(4.1気圧)以上は危険とされていました。  RV用のレギュレーターを使用しますと多少流量が落ちますので、左下の家庭用の3/4インチレギュレーターを使用する人もいます。

C. 選択方法
既に分かって頂けたと思いますが、電圧、流量、水圧のスペックを比べて、RVが搭載しているフレッシ・ウオーター・タンクの大きさ、使用方法、その他個人の好みでポンプの選択が変わって来ます。  フロージェット製のポンプの水圧は50 PSI以下ですが、シュアーフロー製は60 PSIを越す物もあり少々気になります。 恐らく、昔は50 PSIが限度とされていた圧力が最近のRVは材料や加工の進歩を遂げて問題は起こらないものと思われます。 一応、圧力には気にする必要があり、古いRVには50 PSI以下を選択した方が無難かも知れません。 配管は見え難い所にありますので水漏れに気が付くのが遅れる可能性もあり、水漏れはRVの大敵です。
既存のポンプを交換する場合は、ポンプの配管ねじサイズ、方向等も考慮し、同じ製造会社の物を購入するとより作業が楽な場合もあるかも知れませんが、配管状況に適応出来る様に異なる交換ジョイントのセットがポンプに含まれているのが一般的です。 

蛇足: 私は約10年前に購入したフロージェットの4.5GPMのVSDを使用していますが、勢いの良いシャワーを好みますので、シュアーフローの5.7GPMに交換を考えています。 しかし、水の勢いが強いとそれだけ早くタンクの水を使い果たして仕舞いますので考え物です、長いシャワーが使えなくなります。

D. ポンプの悪い選択例
上の写真の左側の一番最初に表示されるフロージェットのポンプの圧力は100 PSI (6.9気圧)、流量は2 GPM (7.6 リットル/分)で、価格が安い事を理由にこの様なポンプをRVに取り付けて仕舞いますと大変な事に成りかねません。 流量は2 GPMと小さいので蛇口を開ければ水圧は直ぐに下がりますが、問題は全ての蛇口を閉めた時の水圧です。 例えポンプの電源を止めても暫くは高圧が続きます。 之を繰り返して居れば水漏れが始まっても不思議ではありません。

E. アキュミュレータータンク
配管にアキュミュレータータンクを加えますと、定圧ポンプが頻繁にオン/オフを繰り返す耳障りな音の問題は解決します、即ちポンプが回転を始めなくてもアキュミュレータータンク内に蓄えられた圧力でしばらく水が流れます。 VSDタイプのポンプの場合も大きなアキュミュレータータンクの場合は効果がありますが、定圧ポンプほどの効果(違い)ではありません。 写真には2種類の一般的にRVによく使われているアキュムレーター タンクが表示してありますが、上の黒いタンクはRV専用に作られた物でポンプとほぼ同じ位の大きさす。 高価を十分発揮するには少々小さ過ぎる為に2個付けている人もあります。 大きな青いタンクはポンプの約10倍の大きさでRV用では無く、家庭の温水ボイラー用の物ですがとても効果的で私も満足して使用しています。 

F. ポンプの騒音の問題
ポンプの種類によりモーター音が大きな物と静かな物がありますが、音は振動に依って発生しますので、振動が起こらない様にする事である程度解決します。 ポンプと取り付け場所との間にスポンジ(柔らかいゴム)を入れる事で振動が吸収され、音は小さくなります。 この場合、ポンプ取り付けねじを余り強く締め過ぎるとスポンジの効果が少なくなります。 振動しない様に配管を縛り付ける事も効果があります。  長年使用したポンプの音が大きくなった様に感じられる場合はポンプの寿命が近付いたよりも、寧ろ弛みが増して震動の余地が増し、その結果の震動音が大きくなった可能性もあります。

ウオーターポンプは耐久性が高く、普通に使用していればそれほど簡単には壊れません。 フレッシウオーターに関連した問題の多くは配管の緩みから空気を吸い込んで水圧が上がらない為に水が出なくなったり、フィルターに目詰まりを起こしたり、チェックバルブに異物が付着して流れが悪くなったりします。

ウオーターポンプ交換の多くの理由はポンプ自体の故障では無く、流量不足を解消する為にオリジナルのポンプから流量の大きなポンプへの買い替えだと思われます。

参考:  日本では“SHURflo”をシャフローと呼んでいる様ですが、私は之まで“シュアー・フロー”と読んでいます。 “シュアー”は“Sure”で、“確実な”、とか“信頼出来る”の意味で、“flo”は流れる、即ち確実に流れて信頼が出来るポンプからその名を付いているのだと思っていました。  確認した事はありませんし、シャフローと読んでいる人の記憶もシュアーフローと呼んでいる人の記憶もありません。  英語式に読めばシュアーフローですが、名前ですから実際はシャフローが正しいのかも知れません。

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