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ラウンドアバウトは交通渋滞に有効

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夏は避暑、冬はスキーで有名なコロラド州のベールでは交差点での交通渋滞に悩まされていました。 高速道路がら降りて来る車が多く、降りて来る道を長く改造して緩和を試みましたが、それでも高速道路に渋滞車が並んで仕舞う状態でした。 一般的に交通渋滞を解消するには道を広げて車線を増やし信号機を増やす方法を取りますが、ベールでは土地に余裕が無く、費用の問題もありました。 

そこで考えられたのがラウンドアバウトを使っての解決方法です。 ラウンドアバウトが完成すると交通渋滞は解消され、必要だった交通整理のお巡りさんも必要が無く,、高速道路下を広げる工事も必要が無く、工事費は格段と安かったそうです。 無論、反対意見は多く、町の2つの新聞は真っ向から反対していましたが、開通してからは両新聞とも大成功に意見が変っています。

具体的な数値は次の様です。
ラウンドアバウトの外径は円形の物で約60m、滴形は少々小さくて37mで、それほど大きなものではありません(1車線の場合は更に小さい)。 車を裁く量はラウンドアバウト完成後は約56%増加し、南側(1部3車線)の裁ける台数は5600台、南側の台数は2700台(全て2車線)だそうす。 この工事に費やした工事費は2.5億円($3M)以下だったそうです。
http://www.youtube.com/watch?v=V59Cy8N5I1I


次のサイトに多くのラウンドアバウトの写真を見る事が出来ます。
http://www.roundaboutsusa.com/photos.html

調べてみましたら、日本にもラウンドアバウトが幾つかあるようですが成功はしていない様です。 その理由は利用者に“Yield to the right=右に譲歩” (日本の場合)の基本ルールが守られていない事と、ラウンドアバウトのデザインに問題がある様です。 即ち、ラウンドアバウト内に居る車が優先権を持ち、全ての道からラウンドアバウトに入る車はラウンドアバウト内に居る車に譲歩する事が守られていないようです。 幹線道路を含むラウンドアバウト交差点でも、幹線道路の進入に優先権がある様な印象を与えるデザインですと “早い者勝ち”又は“強引な人が勝ち”となり、本来のラウンドアバウト内での車の流れを止める結果になって仕舞います。

ラウンドアバウトの特徴は車線の数を増やさずに車の流量を増やす事が出来、往復2車線の右折左折の多い交差点では日本でも渋滞解消に使えると思われます。 ラウンドアバウトの中には大きな物もありますが、人口が密集している地域でなければそれほど土地の心配をする必要は無い様に思われます。

ラウンドアバウトに不安を持つ人もあるとは思いますが、ラウンドアバウト内優先、又は“Yield to the right=右に譲歩” さえ浸透すれば問題は起こらないと思います。

渋滞解消、工事経費節約を考慮して、日本でも候補地がアチコチにあるのでは?