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ブレーキ マスター シリンダー選択に関して、 その1 予備知識

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前回、部品購入の際は、年式、メーカー名、モデル名、その他装備等から調べると書きましたが、今回はアメリカ製キャンピングカーのブレーキ マスター シリンダーの購入を想定して、部品特定方法を書いてみます。 私は自動車の専門家では無く、間違いも含まれているかも知れません。 若し間違いや疑問がありましたら教えて下さい、訂正致します。

選択範囲縮小:
既に正しい部品番号が分っていれば、その部品を元に購入するのが一番簡単で“確実”です。 
その理由は特定方法が多数あり、又何れの特定方法も100%信頼出来るとは限りません。 例えば、現在使用されている部品番号から該当する車を逆検索しますと、出て来るリストには自分の車の年式、モデル名、その他が表示されて居ない場合もよくあります。 マスターシリンダーの様な部品は同じ部品が種々の乗用車やトラックに使われていたり、使用が停止しても復活したり短期間(1-2年)だけ使用されたり、同じ年式でも前期と後期では異なる場合もあります。 又、部品マニュアルが間違えていたり、前オーナーが異なる仕様の部品と交換した場合も有り得ます。

マスターシリンダーの機能:
ブレーキペダルを踏むと足の力を油圧に変えるのがマスターシリンダーで、写真に示されて居る様にボンネットの中のハンドルの真前にあります。 油圧はマスターシリンダーから4輪に取り付けられたアクチュエーター(マスターシリンダーの反対で油圧を力に変換)に配管で繋がっていて、ブレーキを踏むとドラムブレーキの場合はブレーキシューをドラムに、デイスクブレーキの場合はブレーキパッドをローターに押し付けます。

マスターシリンダーの構造:
マスターシリンダーはシリンダーの中にピストンピストンが入っていて、上にブレーキフルイッドを溜めて置くリザボーと呼ばれるタンクが付いています。 ブレーキフルイッドは非常に腐食性(錆びさせる)が強く、最近ではほとんどが金属に代わってプラスチックリザボーが使われています。 ブレーキフルイッドが塗装面に付着しますとペンキを剥がして仕舞いますので直ぐに拭い取る必要があります。 ブレーキフルイッド自体も水分を吸収し易く金属粉と共に酸化し易いので状況によりマニュアルに従って定期的に交換するとマスターシリンダーの寿命も延びます。

マスターシリンダーの種類:
重量の大きな車(RV)は大きな制動力が必要で、ボイルの法則で大きなピストンが必要で移動するフルイッドの量も大きくなり当然マスターシリンダー並びに配管も大きくなります。 最近の殆どの車には軽く踏んでも制動する様にブースターと呼ばれる機構が取り付けられていて、一般的にはエンジンのバキューム(大気圧より低い圧力)を利用したバキュームブースターが使われていますが、十分なバキュームが得られないデイーゼルエンジンの場合はハイドロブースターと呼ばれるパワーステアリングポンプを利用した物もあります。
ブレーキを踏むとオートクルーズが解除される為のセンサーはマスターシリンダーの油圧を利用する為オートクルーズの有無で構造が異なります。
車(RV)には4輪全てがデイスクブレーキを装備している場合もありますが、前輪はデイスクブレーキで後輪はドラムブレーキの場合もあり、その場合は前後が同時に制御機能を果たす為にマスターシリンダーにプロポーショニングバルブと呼ばれる機構を備っています、即ち、ブレーキ装備によってマスターシリンダーの構造が異なります。

次回はフォードE350 のマスターシリンダーを例に部品特定に関して書きます。