記事一覧

P30は存在するのでしょうか?

ファイル 515-1.jpgファイル 515-2.jpgファイル 515-3.jpgファイル 515-4.jpgファイル 515-5.jpg

前回、私は何気なくシボレー “P30” マニュアルに関して書きましたし、多くのシボレー製モーターホームに乗っている人は誰でも使っている名称です。 しかし、実際には非常に複雑で、此れまで多くの議論がされて来ています。 実際に“P30”と呼ばれるモーターホームのシャシーモデル名が存在すると信じている人は沢山いますが、存在しないと自信を持って言い切る人も少なくありません。 どちらでも良い事の様ですが、部品購入やアライメント調整等には正確なモデル名を知る必要があります。

ここに書く事は、私が此れまでにフォーラム等で読んだ事を元に書きますので、私の意見も入り決して正確とは限りませんが、“P30”の呼称は複雑で、即ち、“P30” モーターホームにお乗りの方は修理、部品購入時には“P30”の呼称を気を付けて使用する必要がある事は分かって頂けると思います、

メーカー(シボレー、ワークホース-1999年以降)の“P30”:
一般に“P30”と呼ばれているシャシーの多くは上の写真のような配達用のバン用で、其の中にモーターホーム用に使われたシャシーも含まれています。 1999年にワークホース(Workhorse)に“P30シャシー部門”が身売りされてからはW16、W18、W20、その他のワークホースのモデル名に加え、その後も“P32”のモデル名でも2005年まで製造されました。 其の為、ワークホース製シャシーは“P32”、それ以前のシボレー製シャシーは“P30”と考えている人も少なくありません。 

しかし、“P30”を最初に製造した当時にシボレーで“P30/P32”の設計に携わっていた人があるフォーラムで意見を述べていましたが、1970年に最初に製造された際はモーターホーム用シャシーは“P32”との名称を使用したそうですが、その後曖昧になってしまったそうです。 実際、1970年から1999年のマニュアル等に“P32”又は“P30/P32”のように記載されているのを見ます。

VIN(Vehicle Identification Number)番号の“P30”:
モーターホームシャシー(“P30”)のVIN番号は例えば次のようです(上の数字は桁数を示す)。
12345678901234567  桁
1GBLP37N8S3xxxxxx  VIN番号

VINは製造国、場所、メーカー、製造年、装備、その他を示しますが、“P30”モーターホームの多くに共通して言える事は、5,6,7桁がP,3,7である事です。 “P”は前方制御(Forward Control)、“3”は1トン車(大きさを示す単なる比較数値で1トンの意味は無い)、“7”はモーターホームシャシーを意味します。 この3桁を続けた“P37”はモデル名でも無く何も意味がありません。

我々がネットでVIN番号を調べますと全て“P30”で表示され、“P32”での表示は出て来ないそうです。 

“P30”に関連したモデル名:
デーラーにはVINからモデル名を検索する事が出来、次のモデル名の種類があるそうです。
P31842, P31442, P30842, その他 = “P42”
P31832, P31932, P32032, その他 = “P32”

全てPで始まり、2桁目から4桁目までの数字はシャシーのホイールベースの長さを示します。
305= 110"
308= 125"
310= 133"
311= 137"
314= 157"
318= 178"
319= 190"
320= 208"
321= 228"

最後の2桁の“42”は配達用のトラック(一般的にポテトチップトラックと呼ばれる)、“32”はモーターホームを示し、現実的には“P42”はトラックモデル、“P32”はモーターホームモデルとなるようです。 尚、モーターホームシャシーである“P32”はシャシーの構造が“P42”と相当異なるそうです。 稀のようですが、小型クラスAモーターホームの中にはP42 シャシーを使用したものもあるそうです。

結論:
読まれた方は大分混乱して迷惑されていると思いますが、此れが現実です。 即ち、P30、P32、P37、P42、その他、P10、P15、P20、P25、P30、P35、P57、G20、G30等、それぞれに共通部品もありますが、全く互換性の無い部品も多数あります。 従って安易に“P30”部品を購入してもモーターホームには使用出来ない可能性も大いにあります。 

シボレーシャシーに詳しい人達の間では、厳密には“P30”との名称のシャシーは無く、モーターホームシャシーの殆どがP32との事ですが、余りにも多くの人が余りにも頻繁に“P30”の名称を口にして来ましたので今後もシボレー製モーターホームシャシーは“P30”と呼ばれる事でしょう。