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ターボチャージャー、 その2 故障

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前回書きましたように、ターボは繊細な部品でありながら過酷な状況で重労働(高速回転)をしますので問題が起こると完全に駄目になって仕舞い修理不可能(交換)となって仕舞います。

故障の原因:
1. 潤滑油 (オイル)
エンジンオイルは長い間使用しますとカーボン、ゴミ、磨耗した金属片、水分、燃料等が徐々に増し、粘性が下がったり耐温度性が劣化します。 増した異物(金属片等)はベアリングを磨耗させ、シャフト(軸)の遊びを増して振動を起こしたり羽根の接触を起こし、磨耗を更に増やしてオイルの循環は益々悪くなります。 この様な状態ではオイルの凝固が加速し、高温に成る為に部品が割れたり折れたり、シャフトの焼き付きを起こしたりします。 

2. 異物の混入
ターバイン(排気)側
エンジン部品 (例えばバルブ、バルブシート、ピストンリング、エグゾーストマニフォールド等)の一部、又はエンジン整備を行った後にエンジン内に忘れられたワッシャー、ナット、その他の異物がターバインに噴き出されますとターボの巻貝状の最終部分に留まる場合もありますが、ターバインを傷つけたり壊す事になります。

コンプレッサー(吸気)側
エアーフィルターが正常に機能していない場合やエンジン修理の際に残された異物やその他エアーフィルター等の一部が外れてターボに吸い込まれる事があります。微小の場合は隙間をすり抜けてCAC(チャージエアークーラー又はインタークーラー)で引っ掛かったり、エンジンに入る事になりますが、多くの場合異物は羽根に傷を付けたり曲げたり折ったりします。  

3. 基準以上の回転速度や温度
ターボは空気流量、ブーストプレッシャー、排気ガス温度等により最高回転数や最高温度の制限基準があります。  ウエイストゲートに細工をして制限回転数を超えた状態で使用を続けますと回転部品は壊れる可能性が出てきます。 回転速度が制限以下でも制限温度を超えた状態で使用を続けますとカーボン化したオイルが蓄積しターボのハウジングのヒビ割れ等を引き起こします。 
参考:ウエイストゲート(無駄扉)はターボ又は排気管に取り付けられた扉で、油圧、空気圧、電動等を使って開閉され、余分の排気ガスを逃がしてターバインの回転速度下げたりブーストプレッシャーを抑える役目をします。

ターボには影響無し:
次の様な場合、ターボ自体が故障を起こすような事はありません。
• エンジンクランクケースに換気に問題がある、即ち、EGRバルブが機能していない場やオイルキャプを付け忘れて走行した場合
• オイルの入れ過ぎ(サンプにエンジンオイルの量が多過ぎ)
• エアーフィルターの目詰まり


ターボを正常な状態に保つには:
• オイル、オイルフィルター、エアーフィルターの交換を定期的に行う
• マニュアルに指定の(適切な)粘度のエンジンオイルを使用
• 適切なガスケットを使用し、リクイッド(チューブ入りのシールラント)の使用は避ける
• エンジン始動後は15秒程度のアイドリングで油圧を上昇させる
• 高速走行後は1-2分掛けてターボ(エンジン)の温度を下げる


次のサイトにターボの問題解決方が表示されています。 http://www.turbobygarrett.com/turbobygarrett/sites/default/files/Garrett_Troubleshooting_Guide.pdf
上の写真の要領で説明されています。