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排気ブレーキ

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以前、デイーゼル車にとって排気ブレーキの重要性を書きました(参考:http://www.net-camper.com/cgi-bin/rv-ken/diarypro/diary.cgi?no=556)。 日本にはDPの数が少なく、排気ブレーキに関して興味がある方は少ないかも知れませんが、同時に情報が少ないと思われますので書きます。 

アメリカのRVフォーラムでも排気ブレーキに関する質問はよくあります。 
• 自分のDPには果たして排気ブレーキが付いているのか?
• 排気ブレーキはどうやって使うのか?
• 付いてはいるが果たして機能しているのか?

若し、上の様な疑問をお持ちの方はこれから書く事である程度理解して頂けると思います。

一般的なアメリカ製キャンピングカーの排気ブレーキ:
排気ブレーキはデイーゼルエンジンが搭載されているキャンピングカー、即ち多くの場合はデイーゼルプッシャー(DP)に装備されていますが、フィフスホイール(トラックの荷台中央で牽引するRV)やトレーラーを牽引する一般的なピックアップトラックに装備をする人もあります。

参考: 大型フィフスホイールを牽引するトラックは通常一般的なピックアップトラックより一段大きく、殆ど全てに排気ブレーキが装備されています。 

排気ブレーキとオートマチックトランスミッションの関係:
日本で排気ブレーキを搭載しているトラックの多くはマニュアルトランスミッションだと思いますが、アメリカ製DPの殆ど全てがオートマチックミッション(マニュアルミッションは聞いた事が無い)です。 マニュアルトランスミッションの場合は排気管に取り付けられている弁が閉じれば(運転者のシフトダウンも必要)排気ブレーキの効力を発揮します。 しかし、オートマチックトランスミッションの場合は複雑です。 即ち、排気ブレーキとオートマチックトランスミッションとの関連が制動効力に大きく影響し、場合によっては排気ブレーキを搭載していてもオートマチックトランスミッションの為にその効果を発揮しない事も珍しくありません。

排気ブレーキは非常に有効な減速手段で、スイッチをオンにすると単にアクセルを離した時とは異なる明らかな制動力が発生します。 一般的な6速トランスミッションの場合を例に書きますと、90Km/時で走行中にアクセルを離し排気ブレーキのスイッチをオンにしますと排気管に取り付けられた弁が閉じ、それと同時に6速(トップギヤー)から4速にシフトダウンされます。 即ち、排気管が閉じるとシリンダー内は高圧になり、コンプレッサー状態になってピストンは回転し難くなり、又6速から4速にシフトダウンされた事でエンジン回転数は上がり更にエンジンは回転抵抗が増し、タイヤの回転数は減ります。 

参考: 6速トランスミッションの場合、一般的に時速55マイル(約88Km/時)以下では6速(トップギヤー)に入りませんし、中には58マイル/時程度でトップに入る様に設定されているものも在るようです。 ECM(エンジンコンピューター)をプログラムする事でこの速度は変更可能です。

参考: アクセルが踏まれた状態では排気ブレーキは全く機能しませんので、常に排気ブレーキをオンの状態にして走行する人も居ます。 しかし、この様な使い方をしますと惰性で走るべき時に排気ブレーキが掛かる事もあり燃費は悪くなりますが、何の障害も起こりませんので運転に自信の無い人(スイッチ操作を減らす)は常にオンにして走行します。

参考: アメリカでは全ての州で、40フィート程度のDPは乗用車の運転免許で運転出来ます。 従って、大型車を運転した事の無い人がDPを購入して急に路上を走るのは苦痛です。 又、長年DPを運転していた人でも80を超える高齢になれば徐々に運動神経は悪くなり視力も衰えて来ますので運転は若い人の様には行かないと思われます。

この続きは次回書きます。