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クラスA デイーゼルプッシャー用エンジン - エンジンの馬力(HP)に関して

カミンズエンジンに関して書く前にエンジンの馬力に関して少々書きます。

エンジンの大きさ:
人にエンジンの大きさを聞きますと、色々な返答が戻って来ます。 乗用車のガソリンエンジンの場合は、エンジンに関して余り知識が無い人は4気筒とか6気筒とか答える人も居ますが排気量で答えるのが一般的で、排気量が分れば大きなエンジン(馬力)か小さなエンジンかがある程度分り、余程の車マニアで無い限り馬力で答える人は居ないと思います。 

ところが、DP(デイーゼルプッシャー)の場合はガソリン車とは異なり馬力が一般的です。 従って、DPの持ち主の多くはデイーゼルエンジンの馬力に関してある程度の感覚を持っています。 デイーゼルエンジンの排気量が小さなエンジンが排気量が大きなエンジンより馬力が大きなエンジンは良くあります(同じ会社の同じタイプで比較)。 簡単に言えば、デイーゼルエンジンの場合はシリンダー内に燃料を多く注入する事で馬力が上がります。 カミンズの8.3リッターエンジン、5.9リッターエンジン、何れもターボ付きですが、250馬力の8.3リッターが有れば300馬力の5.9リッターもあります。 

シャシーの設計:
シャシー(RV)が製造される際、シャシー会社は許容総重量に応じて、エンジン、トランスミッション、サスペンション、車軸、デファレンシャル、ブレーキ、ホイール、タイヤ、その他の部品を設計し、それらの部品を自社で製造したり他社より調達して組み込みます。 製造価格、重量、走行燃費、その他を総合的に考慮して必然的に部品の強度も一定のデザイン基準値に成ります、即ち、強度的に釣り合いの取れた部品が組み込まれます。

エンジン馬力(ホースパワー=HP)
シャシーの許容重量から“エンジンの大きさ”が大体決まります。 この“エンジンの大きさ”が馬力です。 一般的な目安として車重100ポンド当たり1馬力、即ちモーターホームの総重量が23000ポンドで有れば少なくとも230馬力のエンジンが妥当とされています。 許容重量は(モーターホームが)この重量を超えては成らない限界の重量ですが、多くのRVは家財道具、キャンピング装備、修理道具、その他、燃料、飲料水、汚水等を満タンにしますと許容重量に非常に近くなり、燃料や飲料水を満タンに出来ない場合も聞きます。

エンジンサイズは大切:
始めてDPを購入する人の中には購入後にエンジンに不満を抱く人は少なくありません。 デイーゼルエンジン、又は馬力に関して充分な知識が無かったり、理想が変化するからかも知れません。 何れにしてもDPを購入する場合はフロアープランと同じ程度に馬力も大切です。 “大切”とは大馬力を選択する事では無く“吟味する”事が大切です。 馬力が高くなれば山道でも余り速度が落ちる事も無く快適ですが、燃費は悪くなります。 又、排気量の小さいエンジンから大きな馬力を引き出すとエンジンの寿命に影響が出ます。 RVフォーラムを読んでいますと馬力不足で不満を持っていたり大馬力DPに満足して居るDPオーナーは少なくありませんが、反面、燃費が良い事で満足して居るDPオーナーも沢山居ます。 結論は“力”を取るか“経済性”を取るかになるでしょう。 大切なのはその事を知って選択する事です(私は全く知識がありませんでしたが、偶然、結果的に“経済性”を選択し、遠乗りをする私に取ってはラッキーでした)。

トランスミッション:
サスペンション、車軸、ブレーキ、ホイール等の強度は車重に大きく影響されますが、トランスミッション、デファレンシャル等はエンジン馬力に大きく影響されます。 従って、4速5速等のギヤー比も大切ですが、トランスミッションの強度も大切です。 全て強固な壊れないトランスミッションを装備出来れば良いのですが、価格、重量等を考慮すると理論上最適なトランスミッションが決まって仕舞います。

続く。