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RVの電気システムの故障修理  その1 RVの部品構成概略

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“RVの初心者向け”としてRVの根本が理解出来て、修理の際に役立つ様に順を追って書きます。  RVを此れから始めようと思っている方や修理を余りした事が無い方を対象に、RVの電気に関連する故障ノミならず、一般的な故障が起った場合に役立つと思われる基礎知識を何度かに分けて書きたいと思います。

• 故障の例
RVの故障には電気に関係している問題が少なくありません。 例えば、①エンジンが掛からない、②方向指示器が点灯しない、③ステップが機能しない等や、④冷蔵庫が機能しない、⑤室内照明が点灯しない、⑥RVの周りに付いているマーカー灯が点灯しない等や、⑦テレビに電源が来ない、⑧電子レンジが使えない等、様々な問題が発生します。 ガレージの中に常に駐車させて置けば別ですが、家を車に積んで走り回り、時にはガタガタ道、時には大雨の中を走るのですから、振動テストや雨漏りテストをしているのと同じで、故障が起きても止むを得ないと考える冪なのでしょう。 後ほど、これ等の故障に関しての概要を説明します。

• 修理は誰にでも出来る
RVを所有していて修理が全く出来なくては大変です;目的地に向う途中で問題が起きたり、定期的な修理経費等は考えただけでも嫌になります。 しかし、RVを所有するからにはこれ等の問題に直面して行かなければ成りません。 よく修理は苦手、電気に弱いと言うような言葉を聞きますが、人間は少しづつやる事で段々得意になって行きます。 例え、全ての修理が出来なくても、自分で出来る修理と専門家に任せた方が良い修理との判断が付く様になりますし、予め故障の説明がある程度出来れば現実離れした法外な修理費を取られる事も無くなると思います。 又、修理の複雑さ、トラブルシューテイングの難しさを知れば高額修理代も納得が行き、気が楽になるかも知れません。 ある程度修理が出来るように成れば、修理工場では時間が掛かって採算が取れない(断られる)修理も自分で時間を掛けて出来る様な修理もあります。

• トラブルシューテイング
電機の故障には単なる使用器具(部品)の故障から、配線の接触問題、断線(ヒューズ)、部品の欠陥等様々ですが、故障の原因を特定、即ちトラブルシューテイングが必要です。 上に電気関係の故障の例を8個書きましたが、これらは異なる系統の故障です。  電気の故障の多くはトラブルシューテイングに時間が掛かり、欠陥修理にはそれほど時間が掛からないのが一般的です。 無論、部品交換が大変な場合もありますが。 

電気に関連した問題の場合、機能しない部品(製品)に近い所に原因がある事もありますが、近くばかりとは限りません、即ち、RV後部の電灯が点灯しない場合に前方にあるバッテリー付近の配線に問題がある場合もあり得ます。 従って、トラブルシューテイングをする為に欠かせないのは全体の構成を知っている事です。 

前置きが長くなりましたが、今回はRVを修理をする場合に知って於く必要のある基礎知識、即ち、RVの製造工程を書きます。

• RV製造工程概略
一般の乗用車や軽乗用車は通常自動車会社一社で製造されます、即ちトヨタ車、日産車、ダイハツ車は、それぞれの工場で全ての部品が取り付けられて完成車になります。 しかし、RVの場合は、特にクラスAやクラスCは自動車会社で完成させたバスやバン、又は半完成品のシャシーをRV製造会社で改造や居住部分を足されて、RVとしての完成車となります。 また、クラスA、特にデイーゼルプッシャーの多くは、シャシー部分はシャシー会社で、エンジン、車軸、サスペンション等が専門会社から寄せ集められて、自社製シャシーに組み立てられて製造されます。 出来上がったシャシーがRV会社に持ち込まれてRVとなります(スケッチ)。

• 車体番号(VIN)、RV番号、エンジン番号、トランスミッション番号に関して
自動車には必ずVIN(Vehichle Identivication Number)と呼ばれる車体番号があります。 エンジンには個々のエンジン番号があります。 同様にRVにはモデル名とRV製造会社の製造番号があります。 
部品を特定する場合にはこれ等の番号が大いに役立ち、時には不可欠な場合もあります。

• VIN(Vehichle Identivication Number=車体番号)
各シャシー固有の17桁のアルファベットを含んだ番号で製造国、メーカー、年式、モデル、製造工場、その他、エンジンやトランスミッション等の使用部品が分かります。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BB%8A%E4%B8%A1%E8%AD%98%E5%88%A5%E7%95%AA%E5%8F%B7
シャシー部品、例えばスターターモーターを探す場合は、“シャシー会社名(フォード、シボレー等)、年式(1995年型等)、モデル名(F350、E350 等)、エンジンサイズ(460CUI)”等が必要です。

• エンジン番号
エンジン固有の番号で、エンジン部品、例えばピストン、排気弁、オイルパン等を特定する場合に必要です。

• トランスミッション番号
エンジン番号同様、トランスミッションの部品を特定する場合に必要です。

• RV製造番号
此れはVINで代用出来る場合もありますが、RV製造会社、例えばウイニベーゴーやナショナルRV等のRV製造会社が必ず発行して番号で、通常キッチンキャビネットの中や運転席の横の壁に表示されてあります。  RVメーカーに直接問い合わせてハウス部分の配管関係部品、配線関係部品、装飾品部品等を特定する場合に役立ちます。 しかし、多くの場合、ハウス部分の使用部品は曖昧で、RV部品販売店で部品を購入する場合は、“RV会社名(アイタスカ等)、年式(1995年型等)、モデル名(サンフライヤー等)、フロアプラン(ICN27RT等)”、これ等があると、例えば飲料水用のウオーターポンプやヒーター等の特定に役立ちます。

• 部品を特定する方法
正しい部品を探す場合に欠かせないのが、部品特定に必要な事項を知る事です。 
例えば、バーノン(クラスC RV)のスパークプラグを買う場合に、“1992年型バーノン”と言って注文しても購入は不可能です。 バーノンはRVの名称であってシャシーとは全く関係がありません。 店員は自動車部品には精通していてもRVに関しての知識は全く無い場合が多く、バーノン、アイタスカ、カリビアン等のRVの名称は聞いた事が無いかも知れません。 又、部品表にはその様な名前では表示されていません。 必要なのはVIN又は“シャシー会社名(フォード、シボレー等)、年式(1995年型等)、モデル名(F350、E350 等)、エンジンサイズ(460CUI)”等の名称です。

VINやエンジン番号が非常に大切な場合があります。それはVINで特定出来た部品はほぼ100%間違いないからです。 例えば、1985年に部品変更があり、1986年型からは異なるデザイン(サイズ)が使用されていて、果たして1985年部品か1986年部品が使用されているのか特定が困難な場合があります。 又、年式、モデル名、装備エンジン等全ての条件が同じでもシャシーの重量、装備等で異なる部品が使用されている場合があります。 ブレーキ部品が良い例で、後輪がダブルタイヤか、4輪全てがデイスクブレーキか等でも異なる部品が使用されている場合があります。 この様な場合はVINが唯一の便りです。 

当たり前の事が書かれていると感じた読者も多いかも知れませんが、少しは役立ったとお感じなる読者がいらっしゃれば良いのですが?

次は電気システムの故障に役立つ基礎を書きたいと思います。

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未承認 2014年12月15日(月)10時58分 編集・削除

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