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“トウド” 牽引

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“トウド”とは“Towed” (牽引車) = “Toad” = “蛙”、 即ち牽引されている車の事をRV用語では“トウド”と呼んでいますが、Dinghy (デインジー)と呼ぶ事もあります。 デインジーとは大型ヨットが引っ張る小型の船を意味します。 

最近は殆どのクラスAやクラスCが“トウド”を牽引しており、中にはクラスBでも牽引しているのを見掛ける事もあります。  燃費は10%程度下がりますが、目的地に着いてから動き回る際には無くてはならない足であると同時に、目的地に向かう途中でRVが故障した際にも部品調達等で重宝します。 

日本の大都市近郊では駐車の問題があり、RVとトウドを持つ事は難しい状況だと思いますが、地方にお住まいの場合や大型のRVにお乗りの方には、普段乗っている軽自動車等を牽引する事も可能です。


今考えると懐かしい、良い思い出なのですが、忘れられない故障を何度も経験しています。 其の殆どでトウドが活躍しています。 

その内の一つは、約30年前にサンフランシスコのブロードウエー(通りの名前)を走行中に起こりました。 交差点の信号が青に変わり、一旦は前進をしたのですがエンジンを吹かしても後ずさりを始めました。 調べましたらエンジンルームはオイルが噴き出してオイルだらけ、エンジンを回転出来る状態ではありませんでした。 急な上り坂の交差点でしたのでエンジンを掛けずにバックをして走行車線から縁石の近くに移動させて駐車させました。 

故障の原因は、ホースがトランスミッション用クーラーから外れて、外れたホースは振り回りながらオイルが噴き出し、トランスミッションは空回りをする状態でした。 

悪い事に駐車した場所はバス停の真ん前で、牽引型の長いバスが人を乗り降りさせた後にオイルで覆われた走行車線をタイヤを激しく空回りさせて煙を出しながら1m前後、後ずさりさせてから徐々に前進を始める状態で、事故が起きないか非常に気掛かりでしたが、RVの後ろに積んであったオートバイでトランスミッションオイルを探しに行きました。 街中であった為に自動車部品店は無く、見付けたガソリンスタンドは日曜日で閉まっており、20-30分掛けてトランスミッションオイルを4缶買って来ました。

ホースを締め直してオイルを足し、十分なオイルが入っていませんでしたが、前進出来る事を確かめて逃げる様に急いでその場を発ち、幸い事故は無く、警察も来なくて事無きを得ました。 その後、直ぐに自動車部品店に立ち寄り、更に3缶のオイルを足して走行を続ける事が出来ました。


トウドが繋がれている状態ではバックは出来ず、今、冷静になって考えますと、若しトウドを牽引していましたら更なる問題が起きていたかも知れませんが、其の時はトウドを牽引していたらモット沢山のオイルが買えたと感じ、トウドの必要性を感じたのを覚えています。 恐らく、その後直ぐにトウドの牽引を始めたと思います。

トウドに関して、続く

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