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デイレート・モード又はリンプ・モードに関して:

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今回取り上げるデイレート・モード並びにリンプ・モードは自動車エンジンの状態を意味する言葉です。   一般的によく使われるDerate(デイレート)の意味は何らかの目的でエンジンの出力を下げる(90%?)事で、Detune(デイチューン)と言う言葉が使われる事もあります。 Limp(リンプ)は一般的にはエンジンとは無縁で足を捻挫したり怪我をした時にびっこを引いて歩く事を意味します。  1990年後半に登場したカミンズやキャタピラーの電子制御のエンジンからデイレート・モード又はリンプ・モードの機能が備わり、これ等の言葉が使われる様になりました。 

デイレート・モード(リンプ・モード)とは:
上の説明で既に明らかと思いますが、エンジンが正規の出力が出せない状態を言い、此れはエンジンに取り付けられたセンサーが異常を感知するとエンジンを保護する為に意図的に出力が出ない(回転数が上がらない)モードになります。 従って、このモードになりますとアクセルを幾ら踏み込んでも回転数は上がらず、ノロノロ走行(5マイル/時前後、10Km/時以下)となります。

原因は?
各種温度センサーや圧力センサーが極端に危険な状態を感知するとデイレート・モード(リンプ・モード)になりますが、時にはセンサー自体の故障やECM(エンジンコンピューター)の故障で起こる事もあります。
私は以前ISBエンジンで3-4回経験した事がありますが、一度は高速走行中の道路に大きな段差があり、その衝撃でデイレート・モード(リンプ・モード)になりましたが、他は砂漠地帯の長い急な上り坂で起こりました。 当然ながら、前者は衝撃でセンサーが誤作動(?)し、後者はエンジンがオーバーヒート状態になった事が原因だと思われます。 何れの場合も5-10分前後の停車後正常な状態に戻り、特別な修理はしませんでした。

解決策:
RVフォーラムに依りますと、殆どの人が長い急な上り坂でデイレート・モード(リンプ・モード)を経験しています。  全てがオーバーヒートで起こるとは限りませんが、オーバーヒートをさせない様な運転をすればデイレート・モード(リンプ・モード)を避ける事が出来ると思います。 私も、その後次に説明する方法を使い始めてからは一度もデイレート・モード(リンプ・モード)になった事がありません。

長い急な坂道の登り方:
アメリカで長距離を走りますと6度-7度の勾配が10Km前後続く登り道は良くあり、中には10度前後の勾配の場所や50Km以上続く場所もあります。 この様な場所ではエンジンの回転数を高く保ってエンジンに負担が掛からない様にするとオーバーヒート状態になる事を避ける事が出来てデイレート・モード(リンプ・モード)になりません。
早目にシフトダウンして高速での走行を維持する事が出来れば一番良いのですが、一度速度を落として仕舞いますと低いギヤーにシフトダウンしてエンジン回転数を上げ、傾斜が緩やかになる迄根気よく低速で登り続ける方が無難です。 私は急勾配の長い上り坂が続く所では、特に砂漠地帯や暑い時は、3速(全6速)に落とし34マイル/時(55Km/時)でクルーズコントロールにセットして登ります。 デイーゼルプッシャーの場合はエンジンが後ろに在る為にエンジン音が聞こえず、うっかりアクセルを踏み過ぎると回転数を異常に高くして仕舞う場合もあり、クルーズコントロールを使う事でこの問題を避ける事が出来ます。
エンジン負荷を読み取る事が出来るエンジンモニターを装備している場合は、アクセル踏み込みを加減してエンジンロード(負荷)が100%以上になる事を控え、又エンジンは最大トルク時の回転数より20%程度高い回転数を維持するとエンジンへの負担が軽減出来ます。 当然、エンジン温度が上がったり、回転数が落ちる様な急勾配では更に速度を下げる場合もあります。 

デイレート・モード(リンプ・モード)の例外:
エンジン保護が目的でデイレート・モード(リンプ・モード)はありますが出動中の救急車や消防自動車等の緊急車がデイレート・モード(リンプ・モード)になって立ち往生しては困ります。 その為、緊急車には2010年(?)頃よりデイレート・モード(リンプ・モード)に成らない特別措置が取られ、法律にも組み込まれて居る様です(?)。

参考:
私はデイレート・モード(リンプ・モード)を乗用車で経験した事はありませんが、ガソリン車にも付いて居る様です。

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