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トイホーラー (Toy Hauler) その2 クラスA、クラスC

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トイホーラーに牽引タイプが多い事は、考えてみれば理に適っています。 多くのオートバイ、バギー、キャンピング装備、その他のオモチャを搭載すれば相当の重量になります。 この重量をクラスAやクラスCの後部に搭載すれば重心が後部に移動し、前輪に十分な重量が掛からない為に直進性を失って操縦性が悪くなり、短時間の運転でも疲労を起こすどころか危険な,
特に風が強い時は運転不可能な状況に成りかねません。 それに対して牽引タイプの場合は設計時に車輪の位置を自由に設定出来ますので、許容重量とヒッチ重量を守れば操縦性が極端に悪くなる事は無い筈です。

従って、クラスAやクラスCのトイホーラーの場合は積載重量制限や操縦性の犠牲を十分に考慮する必要があります。  

上に添付された写真は:
上左 - クラスAの後部にATV(All Terrain Vehicle)又は単にクオッド(Quad)と呼ばれる車を2台積んでいます。 恐らく、ATVを2台積んでも、積まない状態に比べて相当操縦性に変化が現れると思われます。

上右 - ガソリン車のクラスAの場合はエンジンが前方の為に比較的重心が前方にありますので、エンジンが後方にあるデイーゼルプッシャーに比べて操縦性が良いと思われます。

中左 - デイーゼルプッシャーにオートバイ(ハーレー等の大型)を2台乗せる事が出来、ランプは格納後に収納可能になっています。

中右 - 大型トラックのコンバージョンタイプのトイホーラーで、エンジンが前方に在りますので操縦性が良く、デイーゼルエンジンを搭載したボンネットタイプの中型・大型のトイホーラー(スーパークラスC)はクラスAより多いかも知れません。
https://www.youtube.com/watch?v=k5-vc_I-bVY

下左 - クラスCのトイホーラーですが、OUTLAW(アウトロー)は無法者と言う意味でワイルドな感じを与える為にクラスAやクラスCのトイホーラーを意味し、Thor、Damon、その他のRV製造会社のトイホーラーモデル名として使われています。 


参考1  RVの重心の位置:
乗用車と異なり、装備、即ち燃料、飲料水、汚水等のタンクの装備場所に依って重心の位置が異なり(移動し)ます。  全ての装備が中央部分に位置していれば良いのですが、それは不可能で、例えば、飲料水タンクとガソリンタンクが後輪の後ろに取り付けられていたとしますと、両タンクが満タンの時と空に近い状態の時では重心の位置が大きく変化します。 
私のRVの飲料水タンクは最後尾(燃料タンクは中央部)に取り付けてあった為に満タンにしますと重心が後方になり前輪に十分な重量が掛からない為に、更にカーブを切った場合に水が横に移動する衝撃で操縦性が非常に悪く、結局タンクを前方に移動させました。 その後は満タンでも空でも快適に操縦が可能になりました。

参考2  重量:
重心の位置と同時にRVで大切なのは重量です。  それぞれのRVはフロアープラン(間取り)、標準装備、積載する生活用品やキャンピング装備等で重量が大きくなりがちです。 従って、許容重量(超えてはならないRVの重量)を超えない様に十分注意する必要があります。 サスペンション、タイヤ、ホイール、駆動機関、その他全てが許容重量に耐える様に設計製造されている筈です。 しかし、シャシー製造会社からRV製造会社に移されて過度の重量の居住部分や装備を取り付けますと許容重量に近くなり、水や燃料の積載を制限しなくてはならない状況にもなります。 この様な場合にタイヤを大きくすれば問題が解決されると考えがちですが、他の部品の強度にも当然同じ様に問題が起こりますので、重量を下げる以外には問題解決の方法はありません(影響する全ての部品交換は現実的ではありません)。

トイホーラー (Toy Hauler) その1 牽引タイプ

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RVデイーラーや展示場に入って先ず目に付くのがトイホーラーです。 トイホーラーは目立つ所に置かれているばかりか数も多く、相当人気がある事を物語っています。

トイホーラーには色々あり、大人のオモチャを運ぶ機能が付いたRVで、最も多いのは牽引タイプ、即ち5thホイールやトラベルトレーラーですが、クラスA、クラスC、更にはボンネットタイプの特大トラックコンバージョンでも見られます。 

上に添付されている写真は全て牽引タイプです。 殆ど全てのトイホーラーにスライドアウトが付いている為、間取りはユッタリとしていて、乗せ降ろしのランプはデッキとしても使えますし、更に横にも余分のデッキが付いている物もあります。

写真の説明:
左上 - ズラリと並んだトラベルトレーラーのトイホーラーです。 5thホイールは他の列です。

右上 - 椅子が見えていますが、目的地に着くまでは椅子、テーブル、ベッド等は折りたたまれて壁や天井に沿って格納されます。 天井にベッドが見えています。

中段 - 後部から見たオモチャを乗せる部分です。

左下 - 6枚の写真は1台の5thホイール内の様子です。 左上の写真はRVの先頭付近の牽引ヒッチ(連結機構)の上の部分で、殆どの5thホイールはこの部分がベッドルームになっています。 中上の写真はRV中央部で、キッチン兼リビングエリアです。  中右の写真は中央部にあるデッキで、椅子やテーブルを置けば食事をしたり寛ぐ事が出来ます。  左下はベッドルームから後部を見た写真で電灯で明るい部分はシャワールームです。 中下は後方から前方を見た写真で左側にテレビ、その先がキッチン、一段高くなってベッドルームです。  右下は最後部の肝心なオモチャを乗せる部分で、写真右側にはリビングから出れるデッキが見えています。 最後部のランプも横たわっているフェンスを立てればデッキになります。

RV(キャンピングカー)購入時の選択に関して:   その3

RV購入に際して、現実的にどの様な点に気を付ける冪か?

実は、之まで書いた事を読者の立場に立って読み返してみました。 そして直ぐに感じた事は、私のブログを読む様な方は当然色々お読みになっていて、果たして読む(書く)価値があるのか?  時間を無駄にさせていなければ良いのですが?  

又、結論が中々出て来なく、中には“ダブルトーク”、即ち、“一見最もらしいゴマカシ”と感じたり、反対に“書かれて居る事は当たり前で読む前から知っている”と感じたりしている方もいらっしゃるかも知れません。

今回、“RV(キャンピングカー)購入時の選択に関して”を書き始めた理由はご存知の様に、私自身が“RVを買い換えたい病気”に掛かって仕舞い、RVの必要条件を考えながらネットで調べている内に過去の経験や、ネットで読んだRV購入の失敗が思い出され、ネットキャンパーの皆様や之からRVを始めようと考えていらっしゃる方に少しでも役に立てば良いと考えた積りでした。 

しかし、今、考えますと自分の病気を治療する為でもあった様ですが、之は大誤算でした。 本当に病気を治療する気があれば、暫くRVの事を考えないのが最も良さそうで、RVに関して考え続けると病気はマスマス進行する事に気が付きました。 今回は相当重症で、回復は困難かも知れない状態です。

と言う訳で、自分の病気を真剣に治そうか、即ち“RV(キャンピングカー)購入時の選択に関して”書くのを止めようか、それとも危険を冒そうか考えています。   

無論、“購入に際してどの様な点に気を付ける冪か”を考慮しますと、現在私が求めている理想のRVは全く見付かっていません。 ここで妥協をする事は厳禁です。  実は悩む時間も楽しいのですが。

RV(キャンピングカー)購入時の選択に関して:   その2

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RVは高価ですから、衣類や靴の様な買い替えは現実的ではありません。

RV展示場やインターネットのRV販売サイトに行きますと多数のRVを見る事が出来、特定の一車種に惚れ込んで直ぐに衝動買いに出て仕舞う人も居れば、購入に踏み切る事が出来ずに長期間掛けて結局満足出来ないRV買って仕舞う人も居れば、冷静に調べを進めて満足の行く購入をする人も居ると思います。

RVデイーラーや展示場では誘惑もあります;“今日購入を決めれば(紙にサインをすれば)”とセールスマンに言われたり、“惚れ込んで仕舞って他の人の手に渡るかも知れない”と思い込んだり、“天に運を任せて購入すれば後は何とかなる”と思ったりして購入すればよい結果になる可能性は減ります。 即ち、十分納得出来た上で購入する場合に比べて後悔する確立は高くなります。 RVフォーラム等を読んでいますと約半数の人が後悔をしている様に思われますし、自分で買ったRVを悪く思ったり悪く書いたりする事は避けたい心境にあるとの指摘もRVフォーラムでみますので実際は半数以上かも知れません。

選択肢は無限:
RVには自力走行タイプ/トレーラータイプ、大型/小型、大人数用/少人数用、高級/エコノミータイプ、新車/中古車、国産/外車、フロアープラン(間取り)、エンジンサイズ、装備、製造メーカー、その他色々の選択肢があります。 


RV購入者の理想に近いRVは極く少数:
選択肢は多数在るものの、更に、調べれば、故障が多かったり、苦情が多い車種/エンジン/シャーシー等の理由で避けた方が良いRVも出てきます。 更に、人それぞれ特有の必要条件があり、駐車場、使用頻度、家族構成、使用目的、長距離/近距離旅行、財布、今後の予定(RV並びに生活)、その他を考慮して理想的なRVを“現実的に冷静”に絞り込んで行きますと残る選択肢は極く僅か、又は残らない方が多かも知れません。

選択の基準:
我々の生活環境は常に変化しますし、満足度も変化します。 従って、購入時に理想RVだと感じても、2ヵ月後、1年後、3年後、10年後には状況や考え方は変化し、長期間満足感が持続する事は在り得ません。 例えば、小さな子供が居る家庭で子供達と一緒にRV旅行の楽しい思い出を作りたい為のRV選択と、定年2-3年前に定年後の自由な時間を楽しむ為のRV選択は異なります。 前者は出来るだけ早く決める必要がありますし、比較的短いRV使用期間になる可能性がありますので、数年後には買い替えの選択肢もあります。 しかし、後者の場合は時間を掛けて選択する余裕がありますし、長期間満足出来て買い替えの必要の起こらない選択が大切と思われます。

参考:
アメリカに於けるRV購入(所有)の傾向は、乗用車やワゴンにテントや装備を積んでキャンプや旅行をする事から始まり、クラスB、トレーラー、クラスC等を経て、退職後はクラスAや5thホイールに落ち着きます。 当然、RVには興味が無い人も居ますし、RVに凝る人は途中何度も買い換える人も居ます。 更に、定年後にRVに乗り続けても、何れは大きなクラスAや5thホイールの必要が無くなったり、運転が困難になる時が来ます。 その時は、多くの人は急にRVを止めるのでは無く、“ダウンサイズイング”、即ち、大きなRVからクラスBやクラスC等のより小さなRVに買い替えを行います。


理想的なRV選択、並びに購入:
“理想的なRV選択”は在り得ないと感じる人も居れば、満足する人も居て、個人の考え方の差は大きいと思われますが、冷静に時間を掛けてRVを選択し、納得した上で購入すれば後悔をする事は少ないと思います。 

次回は現実的にどの様な点に気を付ける冪かを書く予定です。

RV(キャンピングカー)の選択に関して:

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病気:
私は数日前から軽い病気に掛かって仕舞いました。
此れまでも、何度か掛かりましたが、通常、一週間程度で治ります。

実は“新しいRVが欲しくなる病気”です。

特効薬を探しに:
昨日は近所のRV展示場に行って来ました。  トレーラーや5thホイールと混ざって、約30台のクラスAが在庫されていましたが、“幸運にも”、私の選択条件に合うものは在りませんでした。

治療を続ける:
家に帰って来てネットで長時間調べましたが、フロアープラン(間取り)、エンジン、トランスミッション、製造メーカー(信頼性)、損得、財布の状況、現実、その他を考慮しますと、欲しいと思われるRVは全くありません。  若し私がデザインすれば誰もが欲しくなるRVを製造する事が出来ると思うのですが(実際、RV愛好家のグループでこの事はよく話題になり、皆が同じ事を考えている様です)?

病気は伝染し易い:
恐らく、多くの人が過ちを犯していると思いますが、私も過去に購入した殆どのRVは念入りな準備無しに、一種の衝動買いをして仕舞いました。 特に、現在乗っているRVは、単にRVショーを見て楽しむ積りで行きましたが、家内が病気に掛かって仕舞い、セールスマンは私を無視して家内を攻撃、結局私は二人に負けて仕舞いました?  
この貴重な教訓がある為に、昨日は一人で行きましたし、此れから春になるまではRVショーはありませんので、時間を掛けて冷静に考える事が出来ると思いますし、その内この病気も治ると思います。

RV購入は高価:
間違いを起こさない様に冷静に考えた上で、正しい決断を下す事は非常に大切です。   
以前、このブログで触れた事がありますが、一年に三回もRVを買い替えた人が居ました。 自分でRVデーラーを経営しているのであれば話は別ですが、家や金塊等の売買と異なり、RVの場合は購入後直ぐに価値は下がりますし、手数料や各種税金を考えますと少なくとも数年は楽しまないと(当然、セールスマンや妻の責任にも出来ますが)自分に対しては正当化するのが困難です。 

RV購入は楽しみ:
家族や仲間と一緒にRVで旅行に出掛けるのは楽しく、又、楽しくさせて呉れるRV、特に自分で所有して居る場合は、手入れ(メインテナンス)をしたりより良い状態になる様に愛情を注ぐのも楽しいものです。
同時に、RVを購入前に色々な可能性を想像しながらRV展示場から展示場に足を運んだり、インターネットでフロアープラン(間取り)や装備に関しての仕様を調べるのも楽しいものです。

RV購入の準備は大切:
最初に書きましたが、RVを購入する際に多くの人が衝動買いをしてしまったり、過ちを犯していると思われますが、十分な購入の準備をして後悔の無い様にすると同時に、人生で何度も無い、RV購入という貴重な機会を簡単に終わらせずに大い(長期間)楽しむ冪で、私も今回こそは完全に納得し、出来るだけ妥協は避けて購入判断を下したいと思います。


次回はRV購入の判断材料に関して書く予定です。

“オートパーク”の故障  その5.  “オートパーク”の緊急解除、及び調整

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“オートパーク”に関してRVフォーラム等でよく目にする事柄は、既に説明しました“RGS”の問題と共に、“オートパーク”が誤作動を起こして移動不可能になる問題です。 

今回は“オートパーク”が誤作動(故障)を起こした際に如何にして緊急解除(一時的に)をするか、並びにパーキングブレーキの調整に関して“Oldusedbear”の説明を元にして書きます。 詳しくは次のサイトを参考に為さって下さい。
http://www.rvautopark.com/wp-content/uploads/2013/09/Adjusting-brake-shoes-for-AutoPark-parking-brake.pdf

パーキングブレーキドラムの場所:
一般の乗用車は通常、パーキングブレーキは後輪に取り付けられた走行用ブレーキと兼用していて、パーキングブレーキレバー(フットペダル)を操作する事に依って後輪のブレーキドラム/デイスクを締め付けて作動しますが、“オートパーク”のパーキングブレーキには専用のブレーキドラムがトランスミッション直後のドライブシャフトに別に付いています。 

“オートパーク”の緊急解除
電気系統の故障等で油圧ポンプが機能しなく成りますと、オートパークのアクチュエーター内のスプリングが伸びて(自然の状態に戻って)ドラムを締め付けてパーキングブレーキが掛かった状態になり、走行不能になります。  この様な状況下での応急処置として、イラスト左上に示されています様に、クレビスピンを抜いてドラムを締め付けているアクチュエーターを分離する事に依り移動可能に出来ます。

注意:
• ホイールチョークを仕掛けて車が動かない様にしてから作業を開始
• クレビスピンには強い力が掛かっている為、ピンを抜く際はケーブルやレバーに力を加えて、ピンに過度の力が掛かって居ない状態にして抜く
• 指に怪我をしない様に注意

パーキングブレーキドラムの調整の必要性確認:
• 簡単な方法:
パーキングブレーキ調整の必要性確認はRVを傾斜のある場所に移動させて調べる事が出来ます。  即ち、(フットペダル又はプッシュ/プルノブが装備されている場合は解除の状態にして)シフトレバーをパークに入れてオートパークの効力を確認し、若しRVが動き出す場合はブレーキドラムの調整が必要です(当たり前過ぎ?)。  
• 正式な方法
オートパークのアクチュエーターの総移動可能距離は1.45インチ(3.68cm)ですから、アクチュエーターの移動距離を実測して1.45インチ(3.68cm)に近ければ傾斜に於いてブレーキは十分な効力を発揮出来ず、反対に実測値が1.25インチ(3.17cm)以下であればパーキングブレーキが解除の状態でも走行中にブレーキを引きずって居る可能性があります。  
尚、アクチュエーターからドラムの連結デザインから、正しく調整されている場合もアクチュエーターが1.25インチ(3.17cm)移動しても、ドラム部分のケーブルは1インチ(2.5cm)程度の移動距離です。

パーキングブレーキドラムの調整:
パーキングブレーキの調整はイラスト右上に示されていますスターギヤーを回転させて次の要領で行います。 
• ドラムを回転させてドラム面の楕円形の窓が12時の方向、即ちスターギヤーの真上に設定
• フラットドライバー等でスターギヤーを上方に向けて回転させるとドラムを絞め付ける   
• スターギヤーを回転させてライニングがドラムに接触するする直前の状態に調整

オートパークには3つのタイプがあり、フットペダル又はプッシュ/プルノブが装備されている場合はエンジンを掛けた状態でシフトレバーを“ニュートラル”に入れ(オートパークが解除の状態)、フットペダル又はプッシュ/プルノブを操作してパーキングブレーキを作動させ、若し動き出す様であればフットペダル/プルノブに関連した調整が必要ですが、フットペダル又はプッシュ/プルノブが装備されていない場合はドラムの調整でオートブレーキの調整は完了です。

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“オートパーク”の故障  その4.  “イデイオットライト”の点灯

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“オートパーク”の故障は“RGS”に関連したものがダントツですが、他にも幾つかの故障があります。  今回は“イディオット ライト”の点灯、即ちダッシュボードに装備された警告灯に関して説明します。

“イディオット ライト (Idiot Light)”の意味:
ダッシュボードに装備されている警告灯(ウオーニングライト)の事を英語では“イディオット ライト”とも呼びます。 “イデイオット”とは馬鹿、マヌケ等の意味で、例えば油圧警告灯や充電警告灯は単に点灯するだけで、量(十分な情報)は提供して呉れない為にこの名で呼ばれます。 

タイプ2又はタイプ3の“オートパーク”が装備されている(16,000ポンド以上)1994年-2007年のGM/シボレー/ワークホース製モーターホームのダッシュボードにもこの “イディオット ライト”が付いています。 

“オートパーク”の “イディオット ライト”の機能:
“イディオット ライト”を点灯させるスイッチは2個あります。
スイッチ1はアクチュエーターの後ろに付いていて、油圧が500 psi以下に下がりますとこのスイッチが“オートパーク”の “イディオット ライト”を点灯させます、即ち油圧がゼロ‐500 psiで点灯します。 このスイッチは機能をしていてもいなくても走行には影響しませんが、若しショートを起こしてフューズが切れますと“オートパーク”が作動して、走行中でしたら急ブレーキが掛かって仕舞います(稀の様です)。
スイッチ2(“RGS”)はポンプに付いていて、1200 psi以下になりますとポンプを作動させて、同時に“オートパーク”の “イディオット ライト”を点灯させます。

“オートパーク”の “イディオット ライト”の意味:
従って、スイッチ1は油圧が500 psi以下(異常)に下がりますと“イディオット ライト”を点灯させ、そしてスイッチ2(RGS)が1200 psi以下(正常)に下がりますと(油圧ポンプを作動させると同時に) “イディオット ライト”を点灯させますので、“オートパーク”の “イディオット ライト”は“オートパーク”が正常に機能している時も油圧が下がって異常を起こした時も点灯します。
更に、スイッチ1が典型的な故障を起こした場合、スイッチ2(RGS)の如何に拘わらず“イディオット ライト”は点灯し続け、スイッチ2(RGS)が典型的な故障を起こした場合も、スイッチ1の如何に拘わらず“イディオット ライト”は点灯し続けます。

注意:
“RGS”と全く同じ形状で色が異なるプレッシャースイッチが3種類あります。 それぞれのGMの部品番号は次の通りです。
スイッチ1(RGS):  GM15961566緑 又はGM15034355 茶
スイッチ2:  GM10218778 グレー

既にご存知の通り、プレッシャースイッチは異なる油圧で作動しますので同じ機能をするスイッチと交換をする必要があります。 即ち、ポンプには緑色、又は茶色のスイッチを使用、アクチュエーターにはグレー色を使用する必要があります。

“オートパーク”の “イディオット ライト”の問題の解決法:
と言う訳で、“オートパーク”の “イディオット ライト”が点灯した場合は果たして正常か、其れとも異常かは分かりませんし、それぞれの回路を調べて、何れのスイッチが“イディオット ライト”を点灯させているかを特定しなければなりません。  

ロジャー(Oldusedbear)に依りますと、約$20(2500円)程度の部品代で3個のマジックライトシステムに改造すれば、“オートパーク”が正常に機能しているか異常かが判断出来る様になり、この作業はDIYにはそれほど難しくは無いそうです。  次のサイトに詳しく説明がされています。
http://www.rvautopark.com/wp-content/uploads/2013/09/THE-IMPROVED-3-LIGHT-GENIE-LAMP-ACCESSORY_rev1.pdf

“オートパーク”の故障  その3.  “RGS”、並びにタイプ2/タイプ3の構造

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今回も“Oldusedbear”の説明を主な情報源として書きます。
http://www.wolfswords.com/motorhome/auto_parking_brake/PUMP%20MOTOR%20SWITCH..RGS...replacement.pdf

“RGS”の意味:
“RGS=Rotten Green Switch” (写真上左)とは“厄介な緑色をしたスイッチ”と言う事で、“オートパーク”の多くの故障はこの“RGS”が起因しています。

タイプ2/タイプ3の構造(写真上右):
先ずは、“RGS”が故障原因となる理由を理解する為に、“オートパーク”のタイプ2、タイプ3に構造を簡単に説明します。
タイプ2とタイプ3には基本的に“オートパーク”専用のポンプ、アクチュエーター(シリンダー)、リザボー(オイルタンク)、そして“RGS”が存在していて、此の“RGS”が油圧を一定の範囲に維持します。 

普段、トランスミッションのシフトレバーが“P”(駐車)の状態ではアクチュエーター内の油圧は低くてスプリングの強い力がケーブルを引っ張ってパーキングブレーキが作動した状態ですが、シフトレバーを“P”以外に移動しますと、ポンプが作動してアクチュエーター内の油圧がスプリングを圧縮してパーキングブレーキが解除の状態になります(写真中左)。  この際、油圧が1200 psi以下の場合はポンプが作動し、1600 psiに達しますと電源が切れてポンプは停止します。

“RGS”の構造:
“RGS”の内部には意外と多数のデイスク状の部品が入って居り、次のサイトに写真と共に理解し易く説明されています。
http://www.oemys-performance.com/j71autopark.htm#apversion

“RGS”の故障の過程:
“RGS”に掛かる圧力は1600 psi、家庭の水道の蛇口付近の約20倍の高圧の為、スイッチ内部でオイル漏れが発生しますと電気的な誤作動が始まり、その後オイルは徐々に外部に漏れ出し、更に状態が悪化しますとタンク内のオイルは無くなり、アクチュエーター内に十分な油圧が伝わらなくなればパーキングブレーキは解除出来ない状態になります。  走行中にパーキングブレーキが引きずりを起こす場合も在れば、パーキングブレーキが急に作動してしまう場合もあり、この様な状態ではダッシュボードの警告灯が点灯したり、点滅をする状態の筈です。

“RGS”の付近にオイル漏れ(写真中右)が確認されれば早目に“RGS”の交換をする必要があります。

“RGS”交換部品:
GM製のオリジナル部品は現在も販売されており、ACDelcoの部品番号は15961566で、アメリカに於いては$40-$60で販売されている様です(正価は$100前後?)。

“RGS”交換の際の注意:
“RGS”が取り付けられているアルミ製のアダプター(写真下左)は柔らかい材質の為簡単にねじ山が壊れる為、“RGS”をねじ込む際は2本のレンチを使用し、1本のレンチでアダプターが回らない様に押さ、更に“RGS”が必要以上に強くねじ込まない様に注意する必要があります。

ロジャー(“Oldusedbear”)はアルミ材の代わりにスチール材を使ってこのアダプターを製造していましたが、1個のアダプターを製造に2時間掛かる為、製造を中止したそうです。