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RV(キャンピングカー)の選択に関して:

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病気:
私は数日前から軽い病気に掛かって仕舞いました。
此れまでも、何度か掛かりましたが、通常、一週間程度で治ります。

実は“新しいRVが欲しくなる病気”です。

特効薬を探しに:
昨日は近所のRV展示場に行って来ました。  トレーラーや5thホイールと混ざって、約30台のクラスAが在庫されていましたが、“幸運にも”、私の選択条件に合うものは在りませんでした。

治療を続ける:
家に帰って来てネットで長時間調べましたが、フロアープラン(間取り)、エンジン、トランスミッション、製造メーカー(信頼性)、損得、財布の状況、現実、その他を考慮しますと、欲しいと思われるRVは全くありません。  若し私がデザインすれば誰もが欲しくなるRVを製造する事が出来ると思うのですが(実際、RV愛好家のグループでこの事はよく話題になり、皆が同じ事を考えている様です)?

病気は伝染し易い:
恐らく、多くの人が過ちを犯していると思いますが、私も過去に購入した殆どのRVは念入りな準備無しに、一種の衝動買いをして仕舞いました。 特に、現在乗っているRVは、単にRVショーを見て楽しむ積りで行きましたが、家内が病気に掛かって仕舞い、セールスマンは私を無視して家内を攻撃、結局私は二人に負けて仕舞いました?  
この貴重な教訓がある為に、昨日は一人で行きましたし、此れから春になるまではRVショーはありませんので、時間を掛けて冷静に考える事が出来ると思いますし、その内この病気も治ると思います。

RV購入は高価:
間違いを起こさない様に冷静に考えた上で、正しい決断を下す事は非常に大切です。   
以前、このブログで触れた事がありますが、一年に三回もRVを買い替えた人が居ました。 自分でRVデーラーを経営しているのであれば話は別ですが、家や金塊等の売買と異なり、RVの場合は購入後直ぐに価値は下がりますし、手数料や各種税金を考えますと少なくとも数年は楽しまないと(当然、セールスマンや妻の責任にも出来ますが)自分に対しては正当化するのが困難です。 

RV購入は楽しみ:
家族や仲間と一緒にRVで旅行に出掛けるのは楽しく、又、楽しくさせて呉れるRV、特に自分で所有して居る場合は、手入れ(メインテナンス)をしたりより良い状態になる様に愛情を注ぐのも楽しいものです。
同時に、RVを購入前に色々な可能性を想像しながらRV展示場から展示場に足を運んだり、インターネットでフロアープラン(間取り)や装備に関しての仕様を調べるのも楽しいものです。

RV購入の準備は大切:
最初に書きましたが、RVを購入する際に多くの人が衝動買いをしてしまったり、過ちを犯していると思われますが、十分な購入の準備をして後悔の無い様にすると同時に、人生で何度も無い、RV購入という貴重な機会を簡単に終わらせずに大い(長期間)楽しむ冪で、私も今回こそは完全に納得し、出来るだけ妥協は避けて購入判断を下したいと思います。


次回はRV購入の判断材料に関して書く予定です。

エアーストリーム クラスA:

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今回、エアーストリームのクラスAを取り上げたのはネットキャンパーのメンバーからの質問が第一の理由ですが、エアーストリーム(クラシックモデル)はナローボデイーである為に日本での登録が可能であると共に、屋根を含めた外壁がアルミである為に手入れ次第で長期間の使用が可能です。 又、内装も豪華材料が使われて、高級RVとして受け取られていて、アメリカ国内でも現在も多くのエアーストリームが愛好家に依って大切に使用されていたり、リストアーされています。

エアーストリーム社が1974年にアガシー(Argosy)モデルのトラベルトレーラーを製造し始めた際にエアーストリーム社の初めてのクラスAが製造されました。 クラスAもエアーストリーム独特のアルミ板をリベットで組み立てる製法で、エアーストリームトラベルトレーラーと同じ形状をしていました。

アガシーモデル(トレーラーを含め)はそれまでのエアーストリームトラベルトレーラーに比べて前後のキャップ(前後全体)にアルミでは無くてブリキが使われました。 又、外壁全体が塗装されて居た為、製造過程で傷等でエアーストリームに使用出来ないアルミ外壁も利用し、製品開発用にも使われて一般のエアーストリームに比べて多少安かった様です。

余談:
1976-1976年?頃に私が働いていたロスアンジェルスの会社に、オレゴン州のお客さんが来て、“今このモーターホームを受け取って来た”と言って見せて呉れたのがArgosyでした。 その頃はガソリン不足もやや解消され、それまで主流であったピックアップトラックに載せたスライドインキャンパーからクラスBやクラスCがポピュラーに成り始めていました。 しかし、クラスAは滅多に見る事は無く、現在のモデルからは考えられない“之が”と思われる野暮ったい形状をしたクラスAモナコや高級感を感じさせたエギュゼキュテイブ クラスAが思い出されます。 私は、オイルショックでガソリン不足(高騰)の為に持っていたスライドインキャンパーを売って仕舞った頃でしたが、その時は覚悟が出来ていたのかそれ程RVが欲しいとは思わなかった様な気がしますが、その後1980年にホルクスワーゲンのウエストフェリアを、1985年にクラスAを購入しています。

1979年にArgosyからAirstreamの名称に変更、エクセラ(Excella)モデルとして独特のリベットで組み立てられたアルミの外壁で知られるエアーストリームのクラスAの製造が始まりました。 丁度この頃にエアーストリームは新しく設立されたThor社に経営が替わり、トラベルトレーラー、エクセラモデルのトラベルトレーラーが同じモデル名のクラスAと共に発売されました。 

エアーストリームはその後、数々の長さ、エンジン、フロアプラン等が製造し、1982年には後輪2軸の325、345モデル(スケッチ上)を登場させましました。 それぞれの番号は全長を、モデル名の345モデルは34.5フィートを示します。 

エンジンはシボレーの454エンジンが基本ですが、初期には少数の350エンジンも使用された様で、1982年からはいすゞの6気筒デイーゼルエンジンも加わり、その他フォード460エンジン、カミンズデイーゼルエンジン等も搭載され、カミンズの場合は1990年代にはデイーゼルプッシャーモデルも製造されました。

1989年からは製造コストを下げる為に、クラスAに関してはアルミの外壁の他にファイバーグラスを使用したLand Yachtの販売も開始されましたが、アルミ製外壁のエアーストリームクラスAは1996年を最後に、そして2006年にはエアーストリーム社製の全てのクラスAの製造が終わりました。


参考:
エアーストリーム社製(親会社は数回変更)のモデル名、年式は次の通りです。

Argosy モデル:
1974
Argosy 20' Front-Bath
Argosy 24' Rear Twins

1975
Argosy 20' Rear Bath, Front Bath
Argosy 24' Rear Twins, Rear Salon
Argosy 26' Rear Twins, Rear Salon

1976
Argosy 20’Rear Salon, 20' Rear Bath
Argosy 24’Rear Salon, 24' Rear Twins, Rear Salon
Argosy 26’Rear Salon, 26' Rear Twins
Argosy 28’Rear Salon, 28' Center Double, Center Twins

1977
Argosy 20' Rear Bath, 20’Rear Salon (Double)
Argosy 24' Rear Twins, 24' Double Sofa
Argosy 28' Rear Twins, 28' Double

1978
Argosy 20' Rear Bath
Argosy 24' Center Twins, 24' Double Sofa
Argosy 28' Center Twins, 28' Center Double, 28' Rear Salon

Airstream モデル:
1979
Excella 24' Rear Bath Double
Excella 28' Center Bath Twins, 28' Center Bath Double, 28' Rear Bath Twins, 28' Rear Bath Double

1981
Airstream 28' Rear Bath Twins, 28' Rear Bath Double

1982
Airstream 280 Rear Bath Twins Gas, 280 Rear Bath Double Gas, 280 Rear Bath Twins Isuzu Diesel, 280 Rear Bath Double Isuzu Diesel
Airstream 310 Center Bath Twins, 310 Center Bath Double, 310 Center Bath Rear Facing Sofas
Excella 28'
Excella 31'

1983
Airstream 280 Rear Bath Twins Gas, 280 Rear Bath Double Gas, 280 Rear Bath Twins Diesel, 280 Rear Bath Double Diesel
Airstream 300 Rear Bath Twins, 300 Rear Bath Double
Airstream 310 Center Bath Twins Gas, 310 Center Bath Double Gas, 310 Rear Facing Sofas Gas, 310 Center Bath Twins Diesel, 310 Center Bath Double Diesel, 310 Rear Facing Sofas Diesel

1984
Airstream 270 Rear Bath
Airstream 310 Center Bath Twin, 310 Center Bath Double, 310 Center Bath Rear Lounge
Airstream 325 Center Bath
Airstream 345 Center Bath Twin, 345 Center Bath Double

1985
Airstream 270 Rear Bath Double
Airstream 290 Center Bath Twins, 290 Center Bath Double
Airstream 325 Center Bath Twins, 325 Center Bath Double
Airstream 345 Center Bath Twins, 345 Center Bath Double

1986
Airstream 290 Center Bath Twins, 290 Center Bath Double
Airstream 325 Center Bath Twins, 325 Center Bath Double
Airstream 345 Center Bath Twins, 345 Center Bath Double, 345 Center Bath Island Double
Airstream 370 Custom

1987
Airstream 290 Center Bath Twins, 290 Center Bath Double
Airstream 325 Center Bath Twins, 325 Center Bath Double
Airstream 345 Center Bath Twins, 345 Center Bath Double, 345 Center Bath Island Double

1988
Airstream 290 Center Bath Twins, 290 Center Bath Double
Airstream 325 Center Bath Twins, 325 Center Bath Double
Airstream 345 Center Bath Twins, 345 Center Bath Double, 345 Center Bath Island Double
Airstream 365 Center Bath Double
Airstream 370 Center Bath Twins, 370 Center Bath Double

1989
Airstream 290 Center Bath Twins, 290 Center Bath Double
Airstream 325 Center Bath Twins, 325 Center Bath Double
Airstream 345 Center Bath Twins, 345 Center Bath Double, 345 Center Bath Island Double
Airstream 370 Center Bath Twins, 370 Center Bath Double
Land Yacht 36'Center Bath

1990
Airstream 250 Center Bath, 250 Rear Bath
Airstream 290 Center Bath
Airstream 325 Center Bath
Airstream 345 Center Bath
Airstream 350 Center Bath

Land Yacht 29' Rear Twins, 29' Rear Double
Land Yacht 32' Rear Twins, 32' Rear Short Queen
Land Yacht 33' Rear Twins, 33' Rear Short Queen
Land Yacht 35' Rear Twins, 35' Rear Short Queen

1991
Airstream 250 Center Bath
Airstream 300 Rear Twins, 300 Rear Queen
Airstream 350 Rear Twins, 350 Rear Queen

Land Yacht 30' Rear Twins, 30' Rear Queen
Land Yacht 33' Rear Twins, 33' Rear Queen
Land Yacht 36' Rear Twins, 36' Rear Queen

1992
Airstream 250 Corner Double
Airstream 300 Rear Twins, 300 Rear Queen
Airstream 350 Rear Twins, 350 Rear Queen

Land Yacht 33' Rear Twins, Land Yacht 33' Rear Queen
Land Yacht 34' Diesel Pusher
Land Yacht 36' Rear Twins, Land Yacht 36' Rear Queen
Legacy 30' Rear Twins, 30' Rear Queen
Legacy 34' Rear Twins, 34' Rear Queen

1993
Airstream 250 Corner Double
Airstream 340 Diesel Pusher Rear Queen
Airstream 360 Rear Queen

Land Yacht 30' Rear Twins, 30' Rear Queen
Land Yacht 33' Rear Twins, 33' Rear Queen
Land Yacht 34' Diesel Pusher
Land Yacht 36' Rear Twins, 36' Rear Queen
Legacy 30' Rear Twins, 30' Rear Queen
Legacy 34' Rear Twins, 34' Rear Queen, 34' Diesel Pusher

1994
Airstream Classic 340、360

Land Yacht 30' Rear Twins, 30' Rear Queen
Land Yacht 33' Rear Twins, 33' Rear Queen
Land Yacht 36' Rear Twins, 36' Rear Queen
Legacy 30' Rear Twins, 30' Rear Queen
Legacy 34' Rear Twins, 34' Rear Queen

1995
Airstream Classic 36' Diesel Pusher Twins, 36' Diesel Pusher Queen, 36' Gas Twins, 36' Gas Queen

Land Yacht Cutter Bus 30' Twins, 30' Queen
Land Yacht Cutter 33' Twin, 33' Queen
Land Yacht Cutter Bus 34' Twins, Bus 34' Queen
Land Yacht Cutter Bus 35' Diesel Pusher Queen
Land Yacht Cutter Bus 36' Twins, 36' Queen

1996
Airstream Classic 36' Queen

Land Yacht 30" Twins, 30" Queen
Land Yacht 33" Twins, 33" Queen
Land Yacht Widebody 35" Queen
Clipper Diesel Bus 36' Queen
Cutter Bus 30' Twins, 30' Queen
Cutter Diesel Pusher 32' Queen
Cutter Bus Chevy 34' Twins, Chevy 34' Queen
Cutter Bus Chevy 36' Twins, Chevy 36' Queen
Cutter Bus Ford 34' Twins, Ford 34' Queen
Cutter Bus Ford 36' Twins, Ford 36' Queen

Airstream Classic、Clipper  1996年を最後に製造終了
Legacy  1994年を最後に製造終了
Cutter Bus  1999年を最後に製造終了
Land Yacht  2006年を最後に製造終了

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アルミ製トラベルトレーラー: エアーストリーム

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アルミボデイートラベルトレーラーは此れまでに相当数作られて特にエアーストリーム(Airstream)が有名で、RVに関心がある人は一度は何処かで見た記憶があると思います。  軽いと共に耐久性にも富んで居る為に好んで古いエアーストリームに乗り続けたり、リストアーして乗っている人も居ます。 以前、あるRVパークに行きましたら、エアーストリームのRVクラブが来ていて、クラスAを含めて数十台のエアーストリームが駐車していました(写真上)。

次のサイトで見られます様に、小さな食べ物屋さんや催し物の拠点として世界各地でエアーストリームが利用されて居る様です。 
https://www.facebook.com/pages/Trailer-Village/559432107451733

https://www.google.com/search?q=airstream+trailer+restaurants&biw=1264&bih=706&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ei=MJRhVPCTD8uxogS9uoHQAQ&ved=0CAgQ_AUoAw

アルミのトラベルトレーラーは相当多くの会社で作られた様ですが現在残っているのはエアーストリームだけです。 エアーストリームの他によく知られて居るのは殆ど同じ時期に誕生したストリームライン(Streamline)で同じ様な形状をしていますが、良く見ますと(又は見慣れますと)違いが明らかです。  


エアーストリームの大雑把な歴史:
大学を卒業して間もない旅行好きな一人の若者(Wally Byam)が1929年にテアードロップ(涙)型の小型トレーラーにレンジと冷蔵庫を積んで旅行をしたところ興味を示す人が多く、新聞社の仕事をしていた彼は“トレーラーの作り方”を説明した雑誌を出版しました。 その後、ビジネスになると感じた彼は1931年にカルフォルニア州に工場を開き、エアーストリームの始まりとなるTeardrop(涙)型の“Torpedo”(写真下右)の製造を始め、1936年には倒産しかけていた同じカルフォルニア州のRV製造会社を買い、“クリッパー”(写真下左)の製造を始めました。
http://www.airstream.com/travel-trailers/

その後、大恐慌や第二次世界大戦があって製造を中止、戦後の景気回復後に製造を再開し、1952年にはオハイオ州に工場を作り、カルフォルニア州の工場は1979年に閉鎖されました。 

他のRV会社と同様に何度か親会社が替わりながら、アルミ製トレーラーの外形は何度か変わりながら、多数のモデル名で多数のエアーストリームトレーラーが製造され、現在もオハイオ州でThor社の元でエアーストリームとして製造が続いていますが、実際の製造台数はエアーストリーム社でも分からないそうで、同社の歴史に関しても様々な異なる情報が流れています。

トウド牽引を考えている人の為に: その2 トウド牽引に際して注意すべき事

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トウド牽引で注意点が幾つかあります。

A. 牽引出来ない車もある
当然ながら、トウドは軽い方が牽引車に負担が掛からず、燃費の影響も少なく、安全性も損なわれませんが、全ての車が牽引に適しているとは限りません。 前回書きました様にトランスミッションに依っては走行中にトランスミッションの潤滑油ポンプが作動せず、改造が必要な車も有ります。 又、トウドのハンドルが牽引車に着いて行きたがらない車もあります。

B. トランスミッション操作
牽引時はトウドの車輪が自由に回転する必要があります。 多くのマニュアルトランスミッションの場合はニュートラルに入れれば問題はありませんが、オートマチックの場合はニュートラルであると同時にトランスミッションの潤滑油ポンプが作動する必要があります。 車に依っては単にニュートラルに入れただけではポンプが作動しない車もあります。 例えば、ホンダ車の場合は、 “バック”から“ニュートラル”にシフトさせるとポンプは作動せず、“ドライブ”から“ニュートラル”にシフトさせる必要がありす。 

C. キー
トウドのハンドルはキーが入っていない状態では回転しません。 従って、キーを必ずアクセサリーの位置に留め、キーを差し込んだままで走行する必要があります。 尚、キーがアクセサリーの位置ですとラジオ、ヒーターファン、その他アクセサリーがオンの状態ですとバッテリーを消耗させますので必ず全てのアクセサリーのスイッチをオフにする必要があります。 ナビをオフに出来ない車もあり、この様な車のバッテリー消耗を無くす為にはスイッチ取り付けを考慮する必要があります。

D. 急ハンドル
牽引に適しているトウドでも急ハンドルを切ると問題が起こる事があります。 走行中はこの様な問題は起こりませんが、例えば道路端に車と車の間に駐車していて、急ハンドルを切って出る必要が有る場合、牽引車は尻を振りますのでトウドが縁石に乗り上げる可能性があります。 又、停止した状態で急ハンドルを切るとトウドのハンドルが逆に回って車輪が進行方向と反対に切れて仕舞う事もあります。 一度ハンドルが反対に切れてしまいますと、止まって進行方向に直す以外は元に戻りません、即ち走り続けるとタイヤを駄目にして仕舞い、場合に依ってはステアリング機構の損傷も有り得ます。

E. バック
トレーラーと異なり、フォーダウン(4輪が接地)の場合はバックをするとハンドルが進行方向とは異なる方向に切れ、牽引装置、トウドのステアリング機構、タイヤ等に損傷を加える可能性が出て来ます。 牽引車とトウドが直線状態で駐車して居る場合は真っ直ぐに1m程度はバックしても問題は起こりませんが、それ以上は避けた方が良いでしょう。

F. 曲がった状態では外れない
トウドを牽引車から外す場合は、牽引車とトウドが直線状態で駐車すると簡単に外れます。 しかし、カーブを切った状態ですと牽引装置に横向きの力が掛かって外すには大きな力が必要となり、外れない場合も有り得ます。

G. バッテリー消耗
牽引中はトウドのエンジンは停止して居ますので、長期間(数日間)牽引を続けるとバッテリーを消耗してエンジンを始動出来なくなる場合があります。 自然消耗の他に、トウド牽引中に作動するブレーキ装置を取り付けていればブレーキライト点等でもバッテリーは消耗します。 牽引車のバッテリーからトウドのバッテリーに電線を繋げる事で、バッテリー消耗を避ける事が出来ます。


ヒッチ取り付けに関しても幾つか気を付ける点がありますが、将来質問が出た場合に書きます。

クラスA デイーゼルプッシャー用エンジン - エンジンの馬力(HP)に関して

カミンズエンジンに関して書く前にエンジンの馬力に関して少々書きます。

エンジンの大きさ:
人にエンジンの大きさを聞きますと、色々な返答が戻って来ます。 乗用車のガソリンエンジンの場合は、エンジンに関して余り知識が無い人は4気筒とか6気筒とか答える人も居ますが排気量で答えるのが一般的で、排気量が分れば大きなエンジン(馬力)か小さなエンジンかがある程度分り、余程の車マニアで無い限り馬力で答える人は居ないと思います。 

ところが、DP(デイーゼルプッシャー)の場合はガソリン車とは異なり馬力が一般的です。 従って、DPの持ち主の多くはデイーゼルエンジンの馬力に関してある程度の感覚を持っています。 デイーゼルエンジンの排気量が小さなエンジンが排気量が大きなエンジンより馬力が大きなエンジンは良くあります(同じ会社の同じタイプで比較)。 簡単に言えば、デイーゼルエンジンの場合はシリンダー内に燃料を多く注入する事で馬力が上がります。 カミンズの8.3リッターエンジン、5.9リッターエンジン、何れもターボ付きですが、250馬力の8.3リッターが有れば300馬力の5.9リッターもあります。 

シャシーの設計:
シャシー(RV)が製造される際、シャシー会社は許容総重量に応じて、エンジン、トランスミッション、サスペンション、車軸、デファレンシャル、ブレーキ、ホイール、タイヤ、その他の部品を設計し、それらの部品を自社で製造したり他社より調達して組み込みます。 製造価格、重量、走行燃費、その他を総合的に考慮して必然的に部品の強度も一定のデザイン基準値に成ります、即ち、強度的に釣り合いの取れた部品が組み込まれます。

エンジン馬力(ホースパワー=HP)
シャシーの許容重量から“エンジンの大きさ”が大体決まります。 この“エンジンの大きさ”が馬力です。 一般的な目安として車重100ポンド当たり1馬力、即ちモーターホームの総重量が23000ポンドで有れば少なくとも230馬力のエンジンが妥当とされています。 許容重量は(モーターホームが)この重量を超えては成らない限界の重量ですが、多くのRVは家財道具、キャンピング装備、修理道具、その他、燃料、飲料水、汚水等を満タンにしますと許容重量に非常に近くなり、燃料や飲料水を満タンに出来ない場合も聞きます。

エンジンサイズは大切:
始めてDPを購入する人の中には購入後にエンジンに不満を抱く人は少なくありません。 デイーゼルエンジン、又は馬力に関して充分な知識が無かったり、理想が変化するからかも知れません。 何れにしてもDPを購入する場合はフロアープランと同じ程度に馬力も大切です。 “大切”とは大馬力を選択する事では無く“吟味する”事が大切です。 馬力が高くなれば山道でも余り速度が落ちる事も無く快適ですが、燃費は悪くなります。 又、排気量の小さいエンジンから大きな馬力を引き出すとエンジンの寿命に影響が出ます。 RVフォーラムを読んでいますと馬力不足で不満を持っていたり大馬力DPに満足して居るDPオーナーは少なくありませんが、反面、燃費が良い事で満足して居るDPオーナーも沢山居ます。 結論は“力”を取るか“経済性”を取るかになるでしょう。 大切なのはその事を知って選択する事です(私は全く知識がありませんでしたが、偶然、結果的に“経済性”を選択し、遠乗りをする私に取ってはラッキーでした)。

トランスミッション:
サスペンション、車軸、ブレーキ、ホイール等の強度は車重に大きく影響されますが、トランスミッション、デファレンシャル等はエンジン馬力に大きく影響されます。 従って、4速5速等のギヤー比も大切ですが、トランスミッションの強度も大切です。 全て強固な壊れないトランスミッションを装備出来れば良いのですが、価格、重量等を考慮すると理論上最適なトランスミッションが決まって仕舞います。

続く。

クラスA デイーゼルプッシャー用エンジン - カミンズ

デイーゼルプッシャーのシャシーに関して書きましたので今回はエンジンに関して書きます。

1980年代から1990年代に掛けてはカミンズエンジンとキャット(キャタピラー)エンジンは4:1程度の割合で販売されていて、キャットが搭載されているDPを好んで購入するRVerもいました。 しかし、キャットエンジンの数はその後徐々に減り現在はRV用には製造されて居ません。

私はカミンズを使用して居ますのでキャットに関しては余り知りませんが、RVフォーラム等での書き込みから得た情報ですと、キャットは耐久性には優れているものの、カミンズに比べてオイルとガソリンの消費量が多い様です。 日本に輸入されたDPは1990年前後から2000年前後のカミンズエンジンが多いと思われますので、カミンズエンジンの種類に関して書いてみます。

カミンズエンジンには2種類のエンジンサイズがありまして両者とも6気筒です。 小さい方はカミンズ“B” 又は“5.9”エンジン (シリーズ)と呼ばれ、大きい方はカミンズ“C” 又は“8.3”エンジン(シリーズ)と呼ばれています。 “5.9”、“8.3”は“5.9リッター”、“8.3リッター”を意味しす。 

両エンジンとも1997年を境に其れまでのメカニカルエンジン(機械的制御)からエレクトロニックスエンジン(電子制御)に替わり、其れまで“B” 又は“C”と呼ばれたエンジンはそれぞれ“ISB” 又は“ISC”に変更になりました。 両者共それぞれ同じエンジンブロックを使用していますが、電子制御に変更になった他に其れまで12バルブであったエンジンが24バルブエンジンになりました。 

エンジンの種類は上に書いた“B”と“C”シリーズの他にHP(ホースパワー)でも示され、ホースパワーで読んだり区別をする場合が少なくありません。 次回は“B”シリーズエンジンのホースパワーの種類に関して書く予定です。


参考1:
多くの書物やカミンズのカタログ等にもISBが1998以降に製造(販売)と記載されていますが、実際に製造販売され始めたのは1997前半と思われます。 私のエンジンは1997年5月1日製造ですが、RVフォーラムで1997年4月に製造されたエンジンを搭載したDPに乗っている人も居ます。 

参考2:
ダッジピックアップトラックにカミンズ“B”エンジンを搭載したモデルがありますが、ダッジに搭載された“ISB”は全て1998年以降です。 この為に“ISB”エンジンは1998年以降とされている可能性もあります。

参考3:
ダッジピックアップトラックはカミンズエンジンを搭載していてもダッジ(クライスラー社)が管轄しており、RV用“ISB”とダッジ用“ISB”では仕様は勿論エンジン内部部品も異なる場合があります。 従って、部品を購入する場合は両者を切り離して異なるエンジン(部品)と考えた方が無難でしょう。 例えばオールタネーターの場合は取り付け構造も異なります。

クラスA デイーゼルプッシャー用シャシー

ガソリンエンジン搭載のクラスAシャシーの場合はシャシー会社、即ちフォード社やシボレー社(ワークホース)がエンジンもトランスミッションも製造しますが、デイーゼルプッシャー用シャシーの場合は少々異なります。

デイーゼルプッシャー用シャシーは数社で製造されていますが、高級車用や自社製(RV会社)シャシーを除いた一般的なデイーゼルプッシャー用はスパルタンモータース社製かフレートライナー社製です。 

スパルタンモータース社は主にバスや消防自動車を製造し、フレートライナー社は大型トラックを製造しています。 各々の会社はRV向けのシャシーを製造、重量や長さに応じてデイーゼルエンジン、トランスミッション、サスペンション、車軸、ブレーキ、ステアリングギヤーボックス、その他シャシー製造に必要な部品を他社から調達して、何種類かのモデルを用意しています。 1990年代から2000年前後のスパルタンモーター社のシャシーはサミットモデルと其れより大きいマウンテンマスターモデルがありました。

RV会社、即ち居住部分を製造するウイニベーゴー、フリートウッド、ナショナルRV、その他の会社はそれぞれの会社のデイーゼルプッシャーの生産計画に合わせてシャシーを纏めて買う契約をします。  この時に、前回書きましたケロビアンの様にシャシーの仕様が完全に定まっている場合もありますが、エンジンをカミンズにするかキャット(キャタピラー)にするか、又はトランスミッションを260HPにするか275HPにするかの選択をする場合もあります。

全て最高部品、即ち大きなエンジンに大きなトランスミッションを装備すればRVerは喜びますが、金額を支払う事を考えると現実的になります。 従って価格は売れ行きに大きく左右しますのでRVerが最終的に判断するコンビネーションを読む必要になります。

1990台から2000年始めに掛けてはRVのサスペンションはリーフスプリングからエアーサスペンションへ、更には前輪の一体車軸からIFS(前輪左右独立)に移行中でそれらは入り混じっていましたので、同じシャシーモデル名でもRVメーカー向けで異なった仕様の場合もありました。 この為、ショックアブソーバーを交換の際は同じシャシーモデル名でもRVメーカによって異なるショックアブソーバーが使用される様な事も珍しくありませんでした。  

1990年台から2000年代は大体カミンズエンジンとキャットエンジンの選択が出来ました。 しかし、キャタピラー社は2010年以後RV用エンジンは勿論大型トラック用エンジンからも手を引いて仕舞い、現在大半はカミンズエンジンでそれにベンツが加わっています。 キャタピラー社が陸上輸送(トラックやRV)用エンジンを断念した背景には排気ガス規制が大きく影響したようです。 カミンズも排気ガス規制や燃費問題では大分苦労していました。 

フォードのパワーストロークエンジンを製造しているナビスターインターナショナルはワークホース(前シボレー)を買収して一時RVビジネスに足を入れ、RV用デイーゼルエンジンも製造しましたが本の僅かの期間でRVビジネスから撤退しています。

参考:
日本に輸入されるデイーゼルプッシャーは1995年から2000年前後のナローボデイーが多いと思われますので、書く内容は出来るだけその時代に合わせる様にしています。

次回はエンジンとトランスミッションに関して書く予定です。

ナショナルRV製 ケロビアン台数

此れまで書きました様に、1990年代後半までには殆どのクラスA(特にデイーゼルプッシャー)がワイドボデイーに成りましたが、例外があります。 其れはナショナルRV社のケロビアン(96インチ幅)です。 この車はオーストラリア/ニュージーランドを始め、ワイドボデイーが輸入出来ないヨーロッパの国からも探し求める人が多く、RVフォーラムで時々話題になります。 2001年型だけが極く少数製造販売された思われていますので少々調べてみました。
http://www.pacnats.com/Links/NRV%20Brochures/2001/Caribbean.pdf

1998年12月1日にケンタッキー州で行われたRVショーでスパルタンモータース社は3種類のサミットシャシーを発表しています。

参考: 不思議なのは、私のシャシーもサミットシャシーですが製造日は1年以上前の1997年6月23日です。 この様な事は時々あることで、カミンズ社の説明書等ではISB(24バルブ)エンジンは1998年後期に発売が開始された事になっていますが、私のISBは1997年5月1日に製造されています。

翌1999年3月22日の新聞にスパルタンモータースが前年の12月にRVショーで発表した新型サミットモデルシャーシーがナショナルRV社に販売する契約を交わした事を発表しています。

その後、1999年6月17日の新聞にナショナルRVが2種類の新型RVの製造発表をしています。 それに依りますと、ナショナルRVはスパルタンモータースと提携して、新サミットシャーシーを使用したデイーゼルプッシャーを開発し、ケロビアンとして1999年後半と2000年に販売をすると記されています。 ケロビアンはナショナルRVが1997年に販売開始をしたトレイドウインドモデル(ワイドボデイー)と同じ高級内装/外装を保ちながら、カミンズエンジンとアリソントランスミッションを組み合わせた経済的な新型サミットシャシーを使用する事でコストを下げると記しています。 尚、この時に同時に発表されたアイランダーモデルは高級デイーゼルプッシャー(ワイドボデイー)で、このモデルは当時ナショナルRVが買収したカントリーコーチ社製のシャシーを使用すると発表しています。

この当時、ナショナルRVは急成長をしており、高級デイーゼルクラスAの層とガソリンクラスAに近い層に更に市場を広げるのが狙いでした。 

スパルタンモータースの記録に依りますと、ナショナルRVには1999年5月14日にケロビアンに使用されている物とと同仕様のサミットシャシー(VIN #32222)が1台売られていますので、恐らくこのシャシーがケロビアンの開発に使用されたものと思われます。 同じ年の7月9日に20台、8月20日に30台、とその後も30台の単位でナショナルRVに売られ、最後のサミットシャシーはVIN #37378が2000年5月27日に売られています。 スパルタンモータースからナショナルRVにこの間合計約170台のサミットシャシーが販売されていましたがどのモデルに使われたかは記されていません。 果たして170台のケロビアンが製造されたのでしょうか?

ナショナルRVの2001年型クラスAは次のモデルが販売されています。 
デイーゼルプッシャー
National RV 2001 Caribbean (260HP ナローボデイー)
National RV 2001 Sea Breeze Bus (260HP ワイドボデイー)

National RV 2001 Islander (330HP ワイドボデイー)
National RV 2001 Marlin (300HP ワイドボデイー)
National RV 2001 Tradewinds (330HPワイドボデイー)

ガソリン車 (クラスA)
National RV 2001 Dolphin
National RV 2001 Sea Breeze Scout
National RV 2001 Sea Breeze MH
National RV 2001 Sea View
National RV 2001 Surf Side
National RV 2001 Tropical

仕様を調べてみますと、ケロビアン(ナローボデイー)の他にシーブリーズバス(ワイドボデイー)だけがケロビアンと同じ仕様のサミットシャシーを使用していました。

上のリストには2001年型のシーブリーズバスがありますが、実際には2001年型の中古シーブリーズは殆ど無く、殆どが2002年型の為、ケロビアンに使用されなかったサミットシャシーが使われてワイドボデイーのシーブリーズが製造された可能性があります。 何れにしても私は100台以上のケロビアンが製造されたと予想しています。