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カミンズ デイーゼルエンジン  その4 トランスファーポンプ (リフトポンプ)

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トランスファーポンプの機能が低下をしたり停止をしますと充分な燃料がVP44に行かなく成り、VP44は故障を起こします。 故障は燃料の潤滑作用や冷却作用の低下に因るオーバーヒートの為に焼き付きを起こしたり上部に取り付けてあるコンピューターが障害を起こしたり、又、無理をしてタンクから燃料を吸い出す為にBP44のポンプ機能が駄目に成ったりする為の様です。    

走行中にトランスファーポンプの機能が低下又は停止した場合は馬力低下、エンジンがシャックリ状態、ECMが燃料不足を察知してエンジン回転数が上がらない(デイレート)等の状態が起こる様ですが、VP44が噴射不能になるまで走り続ける場合もある様です。 

正常だったエンジンが始動し難くなった場合はトランスファーポンプが機能していない事が考えられますので、高価なVP44を保護する為にはトランスファーポンプを確認、悪ければ直ぐに交換が必要です。

VP44とトランスファーポンプに関する事柄はネットに多数出ています。 RVフォーラムにも多数書き込みがされており、交換部品も多数宣伝されています。 これは当然、故障が頻繁に起って居る事を意味します。 

トランスファーポンプの種類:
社外品も多数販売されています。 温度上昇を避ける為と思われますが、タンク内に取り付けるポンプもあります。 例えば、カミンズ製エンジンを搭載したダッジピックアップトラックの場合、修理サービスは全てダッジ(クライスラー社)が行っていて(カミンズ社に関係無し)、2002年以後のピックアップトラックにはトランスファーポンプを燃料タンク内に変更しました。 その為、従来のエンジンに取り付けるトランスファーポンプは販売停止になり、2002年以前のトランスファーポンプが故障を起こした場合もダッジデイーラーではタンク内式ポンプを取り付ける為に$1000掛かるそうです(参考: カミンズ純正トランスファーポンプは$200弱)。  尚、このポンプも故障を起こす事があり、交換の際は燃料タンクを下ろす必要があって不評です。 

従来のポンプより圧力が高い物や機能が停止してもVP44に負担が掛からない様に少ない抵抗で燃料が流れる事を宣伝しているトランスファーポンプもあります。

人に依ってはトランスファーポンプを並列に2個取り付ける事を勧める人も居ますが、余り燃料の圧力が高くなるとVP44の故障に繋がると言う人も居ます。 

ISB/ISCの燃料システム問題対処方法:
カミンズエンジンは燃費が良く評判が良いのですが、ISB/ISCエンジンのインジェクションポンプとトランスファーポンプには十分な注意を払う必要があります。 

プレッシャーゲージ又は警告ライトの取り付け:
基本的に、トランスファーポンプが正常に機能していればVP44は問題を起こさない様です。 しかし、トランスファーポンプ自体も故障を起こし易いので、故障を速やかに察知する事に尽きると思います。 前回のイラストの#2フィルターの出口に圧力センサーを取り付け、ゲージ又は警告ライトで確認し、異常が発覚した場合は速やかにスペアーに交換をする事だと思います。

ゲージには油圧配管で繋ぐメカニカルゲージ(安価)と、電気の線でセンサーと繋ぐエレクトロニックゲージがありますが、DP(デイーゼルプッシャー)の場合はエンジンが後方にある為に油圧配管は長過ぎて、エレクトロニックゲージが必要となります。 

この問題に対処する為のゲージや警告ライト並びにセンサーは種々出回っていて、ゲージの場合は30PSIが適切ですが、警告ライト用のセンサーは3PSIもあれば5PSIもある様です。

その他の対処法:
トランスファーポンプは電動式で、エンジン回転中は常に作動しています。 従って、状況次第では寿命も短くなります。 燃料フィルターはエンジンマニュアルに従っての交換が大切で、給油後に急に燃料圧力が下がった様な場合は汚れた軽油の為のフィルターの目詰まりも考えられます。 

何れにしてもトランスファーポンプのスペアーと燃料フィルターのスペアーを用意して於く事をお勧めします。

参考1:
燃料はよく売れているサービスステーションを利用し、人が余り利用しない様なサービスステーションは避ける方が良いと言われています。
昔、田舎町でガソリンを給油中にタンクが空になって出なくなった事があります。 店員が無理をして入れ続けようとした事も影響したと思いますが、そのサービスステーションを出た後しばらくしてエンジンの調子が悪くなり、キャブレーターに付いている小さな燃料フィルターを交換して何とか走れる状態にして帰って来た事があります。
又、タンクローリーがサービスステーションで給油作業中はタンクの底に沈んでいるゴミがカクハンされる為に避けた方が良いと聞いた事がありますが、現在はこの様な事は無いかも? 

参考2:
高速で走行直後は温度を下げてからエンジンを停止する事は大切だと思います。 カミンズに依りますと、高速走行後は3-5分間のアイドル後に停止、一般道走行後はその必要は無いとあります。
Prior to shutdown, an engine should be idled 3-5 minutes after extended full throttle or high power operation. However, under normal driving conditions, such as exiting a highway, engine operation is generally lighter in nature and thereby, the 3-5 minute cooldown is not necessary.

参考3:
カミンズ社は過度のアイドリングを禁止しています。 之は日本のバス等が行っているエコの理由では無く、エンジン保護の理由です。 即ちデイーゼルエンジンはアイドル状態では温度が下がり、回転を続けるとオイルを劣化させて磨耗が進むとの事です。


此れで一応カミンズの燃料システムに関しては終わりますが、要望がありましたらゲージの取り付け方法に関して説明します。 次回はカミンズエンジンで知って於きたい事を書く予定です。

カミンズ デイーゼルエンジン その3 カミンズエンジンの燃料系、並びに部品

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24バルブ(エレクトロニックス=ISB・ISC)はボッシュ製VP44インジェクションポンプが使用されていますが多数の問題が報告されています。 しかし、幾つかの事を注意すれば問題は起らないようですので、後ほどそれらを説明します。 尚、12バルブ(メカニカル、1997年以前)はボッシュ製P7100インジェクションポンプが使用されていて問題は殆ど無い様ですので、此処では前者の24バルブエンジン(1998年以降)に関して書きます(共通する部分も多数あります)。

概要:
燃料はタンクを出た後、フィルター#1、トランスファーポンプ、フィルター#2、インジェクションポンプ、インジェクター、そしてシリンダーに噴射され、余分の燃料はタンクに戻ります。 
燃料が進む順を追って説明します。

燃料システム:
1. 燃料タンク から トランスファーポンプ
トランスファーポンプはリフトポンプとも呼ばれ、エンジンの横に取り付けられていて、12V電源で燃料をタンクから吸い出します。 トランスファーポンプはイグニッションキーを瞬間的(1秒間)にスタートの位置にしてからオンの状態にしますと約25秒間作動し、又エンジンが回転している間は常に作動し続けます。 此の事はフィルターを交換する際の空気抜きには欠かせない機能です(後ほど説明)。 

トランスファーポンプが作動中はこの部分はバキューム状態ですので、配管に亀裂等が生じても燃料漏れは起こり難いのですが、空気が管内に吸い込まれてエンジンが停止したり始動出来ない常態になる可能性があり、又、隙間の程度によりエンジンを停止させると燃料漏れが生じる場合があります。  

この部分に取り付けてある燃料フィルター(イラスト中のフィルター#1)の下部は透明プラスチックで出来ていて、異物や水が見える様になっています。 フィルター交換の際はユニットで購入出来ますが、下部を外して上部のフィルター部分だけを購入/交換する事も可能です。

2. トランスファーポンプ から インジェクションポンプ
正常なトランスファーポンプは常に充分な燃料がインジェクションポンプに届く様に機能します。 その圧力はアイドリング時は10-15PSI、高速走行時でも少なくとも5PSIですが、3PSI以下に下がると問題です。 原因はフィルターの目詰まりもありますが、既に書きました様にトランスファーポンプの故障が少なくありません。 

トランスファーポンプはイジェクションポンプに取っては不可欠なコンポーネントです。 その理由は、トランスファーポンプが弱くなったり機能しなくなりますと、インジェクションポンプに過度の負担が掛り内部のダイヤフラムを駄目にします。 燃料は潤滑油としての機能を果たしますし熱を取り除く機能もありますので十分な燃料が行かなくなりますとインジェクションポンプはオーバーヒートを起こして上部にあるコンピューターの異常の原因となります。  初期のISBエンジンの中には焼き付きを起こす物が少なく無かった様です。

RVフォーラム等で最も多く目にするISBエンジンの故障の原因はVP44インジェクションポンプで、同時にトランスファーポンプの機能不良や交換も多数報告されています。 

インジェクションポンプは再生品でも$1000以上し、交換費用も含めますと$3000-$3500と言われています。

3. 燃料リターンライン
トランスファーポンプでインジェクションポンプに送られた燃料の内余分の燃料はインジェクションポンプのリターンラインから燃料タンクに戻されます。  リターンラインはインジェクションポンプにバンジョーフィテイングと呼ばれる楽器のバンジョーの形をした金具で取り付けられていますが、バンジョーフィッテイングを締め付けるボルトがプレッシャーレギュレーターの機能をし、トランスファーポンプから送られて来た燃料の圧力を調整します。 従って、このボルトを間違った物に交換して仕舞いますと規定の圧力を維持出来なくなり、インジェクションポンプを壊す原因に成りかねません。

参考:
オイルフィルターの交換は皆さん定期的に行っていると思われますが、燃料フィルターは如何でしょう? 実はエンジンの故障を防ぐ為にはオイルフィルター以上に大切だと思われます。 カミンズのマニュアルにはオイルフィルターと共に燃料フィルターも24000Km毎に交換が記されています。

次回はインジェクションポンプとトランスファーポンプの故障関連した事柄、特に防ぐ方法を書く予定です。

カミンズ デイーゼルエンジン その2 カミンズエンジンの種類

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カミンズエンジンの燃料系、並びに部品に関して書く前に、少々余談になりますが、カミンズエンジンの種類に関して説明して於きます。

A. 排気量
カミンズエンジンには小さな排気量から大きな排気量まで種々ありますが、RVに使われているエンジンは5.9リットル、8.3リットルが一般的で、此れらは全て直6気筒でターボチャージャー付きです。 5.9リットルはダッジピックアップトラックにも使用されています。 高級デイーゼルプッシャーには更に大きな排気量のエンジンが搭載されている物も少なくありませんが、此処では省略します。

B. エンジンのモデル名
上の2種類のエンジンは5.9リットルが“B”シリーズ、8.3リットルが“C”シリーズ エンジンと呼ばれています。 両者は1985年に機械式燃料噴射モデル(P7100インジェクションポンプ)の12バルブとして販売が開始され、此れらは単に“B” (“C”)エンジン又はメカニカル“B”(“C”)と呼ばれ、その後1998年に電子制御(エレクトロニック)式燃料噴射モデル(VP44インジェクションポンプ)で24バルブのISB(ISC)にモデルチェンジがされました。  

要約しますと:
• カミンズ“B”シリーズ = 5.9リットル
1985-1997年  メカニカル“B” 又は 12バルブ エンジンと呼ばれる
1998-2006年  ISB、エレクトロニック、又は 24バルブ エンジンと呼ばれる

• カミンズ“C”シリーズ = 8.3リットル
1985-1997年  メカニカル“C” 又は 12バルブ エンジンと呼ばれる
1998-2006年  ISC、エレクトロニック、24バルブ エンジンと呼ばれる

VP44インジェクションポンプは精密にインジェクション制御が出来る事でエミッションを少なくする政府の要求は満たしたものの、それまでのP7100インジェクションポンプに比べて故障が多く、ポンプ本体が$1500前後、交換をした場合は$3000-$3500の費用が掛かると言われています。 故障は幾つかの点を気を付ける事に依って避ける事が出来、この件に関しては後ほど説明します。

C. 馬力(HP)
“B”シリーズエンジン(5.9リットル)並びに“C”シリーズ(8.3リットル)には多数の異なる馬力があり、RVには主に次の様な馬力のエンジンが搭載されています。
“B”シリーズ: 190HP、210HP、230HP、250HP、260HP、275HP、300HP、330HP
“C”シリーズ: 250HP、275HP、300HP、325HP、330HP、350HP

デイーゼルエンジンは、ガソリンエンジンと異なり、燃料を多く噴射する事で馬力を上げる事が出来ます。 此れらの馬力は、年と共に徐々に増しただけでは無く、同じ年代に2種類以上の馬力のエンジンの選択も可能でした。 又、馬力を増す装置や部品も色々販売されています。 

従って、デイーゼルエンジンの馬力だけではエンジンを特定する事は不可能です。

注意:
馬力を増す事は可能ですが、問題は増した馬力に駆動機構、特にトランスミッションが耐えるかです。 RVの価格を下げる為によくある事は、強度を一段下げた低価格のトランスミッションが搭載され、そのトランスミッションに見合った低い馬力のエンジンが搭載されます。 アリソン製6速のトランスミッション(MD3060)が搭載されて居れば馬力を増す事が出来る可能がありますが、耐久性、故障等に関して考える必要があります。 又、RVフォーラムで改造をした人達の書き込みに依りますと、燃費が良くなった人も居るようですが、多くの場合は燃費良くは成らないと書いています。 パワーが増すと必然的に急加速をするのも理由の様です。

参考:“B”シリーズエンジンは厳しいエミッション排出制限に応じる為に2007年に5.9リットルから6.7リットルに排気量が増しました。 この6.7リットルもBシリーズですが、殆ど全てがワイドボデイーのRVに搭載されていて、現在のところ日本に入る事は無いと思われますので、此処では省略します。

上の写真はISB エンジンですが、カミンズエンジンは写真の様な赤色に塗られています。 此れに対してキャタピラー製エンジンは黄色で、RVにも多数使用されていて、キャタピラーエンジンに固執するRVerも居ましたが、厳しいエミッション排出規制からキャタピラー社はRV用エンジン並びに道路を走るトラック用エンジンからは撤退し、現在は重機用のエンジンだけを製造しています。 従って、現在はカミンズエンジンが主ですが、近年ベンツのエンジンを搭載したRVが少しづつ多くなり、その他、僅かにナビスター(インターナショナル)製があります。

次回はカミンズエンジンの燃料系、並びに部品に関して書く予定です。

カミンズ デイーゼルエンジン その1 機能する条件

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日本に於いてカミンズ エンジンを装備したRVにお乗りの方は少ないとは思いますが、同時に情報も少ないと思われます。 その為、カミンズ デイーゼルエンジンに関して知って於くと役立ちそうな事柄を数回に渡って書く予定で居ます。 

RVパーク又は道の駅等で一夜を過ごし、翌朝出発準備が出来てエンジンを掛けようとしても始動しなくて困った経験がある方もお在りかと思います。 この様な場合に何も分からなければレッカー車で修理工場に行く事になりますし、ある程度の知識があれば、段階を踏んで確認が可能で、準備がしてあれば修理可能な場合もあります。 
急に部品を調達するとなると難しく、手に入っても高価です。 在庫がない場合、特に輸入品の場合は調達に時間が掛かります。 故障が起こらない為の準備、故障に関連した重要部品、壊れる可能性のある部品、その他、自分の此れまでの経験や、アメリカのRVフォーラムでよく書き込まれている事柄等を参考に書こうと思います。 

エンジンが機能する条件:
ガソリンエンジンが故障して始動しなくなった場合は、電気系、燃料系、機械系の三つの系統に分けて調べを進めます。 即ち、スパークプラグが点火し、シリンダー内に燃料が来ていて、圧縮がされていればエンジンは始動する筈です。
此れに比較して、デイーゼルエンジンの場合は基本的に燃料系と機械系の2つの条件が揃えば始動します、即ち燃料がシリンダー内に噴射されていて、ピストンの上下運動で圧縮が起こればエンジンは始動する筈です。
当然ながら、デイーゼルエンジンが圧縮を起こす為には電気系統も大切です。 バッテリーが弱かったりスターターモーターが機能しなければエンジンを回転させる事は出来ません。 又、カミンズのISBエンジン即ち、1998年以降に製造された電子制御のエンジンは電圧が下がり過ぎれば、走行中でも警告音を発し、数分中にはエンジンは停止して仕舞います。 従って、充電装置、配線のショート、断線等の問題も考慮する必要があります。 何れにしても、燃料がシリンダー内に噴射されて圧縮を起こせば爆発、即ちエンジンは回転を続ける筈です。

デイーゼルエンジンはスパークプラグ無しで爆発を起こします。 即ち、ガソリンエンジンに比較して圧縮比が高く、空気を高圧に圧縮したシリンダー内に燃料を噴射させて爆発を起こさせますので、デイーゼルエンジンの燃料系は重要です。

デイーゼルエンジンはガソリンエンジンに比較して低速で回転し、低回転でトルクがありますので、磨耗も少なくて耐久性があります。 従って、圧縮、即ち機械的な問題は起こり難く、多くは燃料に関連した故障です。 燃料系の問題が起こらない様に準備をし、故障した場合は燃料系の問題に対処出来る様に準備をすれば、快適なRV旅行が出来ると思います。

次回はカミンズエンジンの燃料系、並びに部品に関して書きます。

インストルメント‐パネル用照明(電球) その2

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注文していたパネル(ゲージ)照明用のLEDライトが届きましたので、LEDライトと従来の物と明るさを比べてみました。 

A. インストルメント‐パネル用LEDライトは非常に有効
上左の写真は予備のタコメーターにLEDに交換して写したものですが、中央右のオリジナルのタコメーターと比べますと見易さ(明るさ)が増しているのは明らかです。 写真は昼間に写したものですが、夜間走行状態の暗い中で確認しましたら、ゲージの見易さは抜群でした。 白色LEDを購入しましたが、ゲージは少々青みを帯びて見えます。 

電球が切れて居なくてもゲージパネルが薄暗くて見難い事を私も過去に経験した事がありますが、その様な場合は是非LEDライトに交換する事をお勧めします。 

B. インストルメント‐パネル用LEDの交換に際して
LEDに交換する際に2つのチャレンジがあります。 一つは交換可能なLEDのサイズを特定する事、もう一つは如何にパネルの後ろのライトを交換するか、即ちパネルを外すかです。 ここでは前者のLEDの特定に関して少々説明しますが、後者に関してはマニュアル等を参考にプラスチック製爪等を壊さない用に根気良く、時間を掛けて作業を進めて下さい。

参考:
上の写真で表示されている様なゲージタイプの場合はパネルを外さずにゲージを取り出してライトの交換が出来ます。 
全てのゲージは後ろから“コ”の字型の金属とナット1個(2個)で留めてあります。 最初に、ダシュボードの下から手を入れてスピードメーター又はタコメーターの何れか外し易い方を取り外します。 一個のメーターを外せば、後は外したメーターの穴から手を入れて残りのゲージは簡単に外せます。

C. パネルライト(インストルメント用)の種類
インストルメントパネル用ライトは一般的にツイストロック(Twist Lock)と呼ばれる、差し込んで僅か(10度程度)にネジって固定するタイプです。 更に、ツイストロックタイプのライトの中には一体型と、ライトとソケット部分が分かれているタイプがあります(写真下)。 以前は一体型が多かった様ですが、現在はコスト、多様性、その他の理由でライトとソケットに分かれたタイプが、特にLEDの場合は一般的な様です。 

1.ソケット部分の種類
ツイストロックのベースには5-6種類あり、それぞれ異なる大きさですので正しい大きさを選択する必要があります。 インストルメントパネル用は通常T5 又はT10 のコードで示されている物が使用されいますが、T5 をT10 に又は逆の取り付けは出来ませんので、正しい方を選択する必要があります。 尚、T20 は

2.ライト部分の種類
ツイストロックタイプのソケット部分に対してライト部分はウエッジライト、即ちクサビ形ライトと呼ばれます。 ウェッジライトには種類が数え切れないほどあります。 従来のインストルメントパネルに使用されていたインカンデッセントライトと呼ばれる、電球の場合はガラスの内部にフィラメントがあるだけですので大きさ、形状、明るさ等を統一する事は簡単だと思われますが現実は異なります。

3.インカンデッセントライト (従来型電球) の種類
ウエブサイトを見れば分かりますが、大きさ、形状、明るさ等に依って100を超える数があると思われますし、ライトの大きさ(適応性)を示すコードだけでも50を超えると思われます。
しかし、自動車のイントルメントパネル(ゲージ)用はアメリカ車も日本車も今回取り上げた2種類が一般的な様です。 右上のイラストの左の2個のライトは主にインストルメント用で、右の大きなライトはブレーキライトやバックライト用です。 自動車に一般的使用されていると思われるウエッジライトは次の様です。
サイズ T5: ウエッジライトコード 73、74
サイズ T10: ウエッジライトコード 168、192、193、194
サイズ T20: ウエッジライトコード 7743

ウエッジライトコード 73、74、又は168、192、193、194の違いはワット数。即ち明るさで、同じサイズグループであれば互換性があります。

4.LEDライト
LEDライトはライト本体の大きさ、形状に加え、発光素子の大きさ、素子の数等も色々あり、従来の電球より更に数があり、複雑です。 しかし、サイズグループが同じであれば互換性があり、後は明るさと色の選択です。 尚、LEDの場合はインカンデッセントライトと異なり明るさの種類は無限大(ワット数では表示出来ない)の為、73/74、168/193/194の様に表示されている場合があります。

LEDには、青、赤、オレンジ、緑等もあり、通常、ウエッジライトの根元の部分のプラスチックがそれぞれのライトの色で示されています。 インストルメントパネルに白以外のLED,例えばオレンジ色や緑色、更には紫を好む人も居ます。

注意1: LEDの場合は極性、即ちプラスとマイナスの方向性がありますので、取り付けて点灯しない場合は180度回転させる必要があります。 この場合、ソケットを回転しても、ウエッジライトをソケットから抜いて180度回転しても修正可能です。

注意2: LEDの場合は極端に長い物もありますので、特に長さを確認する事も大切です。

5.パネルライト(インストルメント用)ライト選択方法
写真で見ますと、特にLEDの場合は大きさは分かりませんし、ウエブサイトにはソケットの大きさやウエッジライトの大きさに関する説明は殆どありませんので、私自身も最初は迷いました。

ウエッジライトを選択する際に大切なのはT5、T10、T20 の何れのサイズかを確認し、それに適応したウエッジライトを選択すると間違い無いでしょう。

参考まにT5、T10、T20にのウエッジライトの他のコードを記して於きます。
T5: 17、18、37、70,73、74、79、85、86、その他
T10: W5W、W3W、147、152、158、159、161、168、184、192、193、194、259、280、285、447,464,501、555、558、585、655、656,657,1250、1251、1252、2450、2652、2921、2825、その他
T20: 7743、W21W、992、7440、その他

この他にも、T6.5 、T13、T15、T25等もありますので、購入時には気を付けて下さい。

インストルメント‐パネル用照明(電球)

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質問が在りましたので、調べてみました。

インストルメント‐パネル用照明(電球)には、車のメーカーに依り何種類か有るとは思いますが、差し込んで少量ねじる、即ちツイストロックと呼ばれる電球が多い様です。 電球はツイスト部分と一体の物も有れば、ツイスト部分(ベース)にウエッジタイプの電球を差し込む物もあり、特にLEDにはこのタイプが多い様です。

クラスA(ガソリン車)、クラスB、クラスC、の照明:
照明(電球)はインストルメント‐パネルの後方から多数(5個‐20個)のツイスト電球が差し込まれています。 

昔(30年前?)、インストルメント‐パネルが暗くなり、切れていた電球の交換をした事がありますが、ダッシュボードの下からパネルの後ろに手を入れて手探りで電球を見付け、新しい物と交換しました。 多くの車には今でも全く同じタイプの電球が使用されて居る様ですが、パネルの後方に手を入れる事は困難になっていると思われます。 昔の車のダッシュボードの下は大きく開いていて簡単に手を入れる事が出来ましたが、最近の車は一寸の隙も無い位、厳重に囲いがされていますので、後部に手が入る程度にインストルメント‐パネルを外す必要があるかも知れません。

クラスA(DP‐デイーゼルプッシャー)の照明:
DPの殆ど全てが個々のゲージ内に照明が施されていて、電球を交換するにはゲージを外す必要があります。 タコメーター(スピードメーターも同じ?)はゲージの後ろから電球を交換する事が出来ますが、小さな直径が2-1/8インチ(標準サイズ)のゲージの電球はゲージの内部に収まっていて外部からは取り外せず、又、ゲージは分解出来ない構造である事が、今回調べて分かりました。

LED電球:
交換用としてLEDも多数販売されていて、電気消費量が少なく、より明るく、色も豊富ですが、消費電力を少なくする目的では余り効果は無いと思われます。 インストルメントの照明は通常走行時(発電中)だけですので、停泊状態とは異なりバッテリーの消費には影響がありません。

ハウスバッテリーを長持ちさせる為に、 B.バッテリーの寿命に関して

日本とアメリカに於けるデイープサイクルバッテリーに対する考え方:
日本のRV界ではアメリカRV界に比べてサイクルバッテリーの重要性、又は必要性が余り身近に考えられて居ない様に思われます。 アメリカでは自動車バッテリーはデイープサイクルバッテリーと異なり、RVのハウスバッテリー(日本ではサブバッテリー?)にはデイープサイクルが必用である事は殆どのRVオーナーが知っていると思われます。 

この違いは次の理由からだと思われます。
アメリカでは、デイープサイクルバッテリーに関してはRVフォーラム等で頻繁に目にします。 充電電圧、6V直列と12V並列の比較並びに配線の仕方、デイープサイクルバッテリーの種類、買い得なデイープサイクルバッテリー、デイープサイクルバッテリー購入先、その他デイープサイクルに関する話題は豊富ですので、ハウスバッテリーにはデイープサイクルバッテリーが必要な事が一般化しています(此れだけデイープサイクルバッテリーを繰り返せばデイープサイクルの名前を身近に感じて頂けると思いますし、重要性が分かって頂けるのでは?)。

アメリカにはデイープサイクルバッテリーを扱うRV部品店やバッテリー専門店、特にネットでの販売店が多数あります。 バッテリーは高価ですからRVerはRVフォーラムで質問したり、当然これ等の店を駆け巡って買い得なバッテリーを探す事になります。 自動車バッテリーはデイープサイクルバッテリーに比べて半値程度ですが、無論バッテリー販売店が自動車バッテリーをハウスバッテリー用に勧める事はありませんし、自動車バッテリーをハウスバッテリーとして購入を考えるRVerは先ず居ないと思われます。

充電の度合い:
バッテリーが満充電(100%)の状態が12.8V以上ですが、放電(電気を使用)して電気を使い干した0%の状態は0Vではありません。 ここで、是非知って頂きたい事は“0%の状態は約10.5Vです”。
大よその充電の度合いは:
 100%    12.8V
 75%    12.4V
 50%    12.2V
 25%    11.7V
  0%    10.5V

これ等の数値は温度、バッテリーの種類、その他で異なりますし、文献に依っても異なりますが、大切な事は11V以下は危険な電圧である事です。 即ち、11V以下にする度に寿命を大きく短くしていると考えるべきです。

デイープサイクルバッテリーの寿命に関して:
バッテリーの寿命は、既に書きました様に放電の度合い、即ち電圧をどの程度まで下げるかに大きく影響されます。 寿命(デイープサイクルバッテリー)に関する傾向(判断材料)として、当然ながら、一般的な大よその数値を書きます。 
75% (12.4V)   2000回(サイクル)
50% (12.2V)  1000回
25% (11.7V)  500回
0% (10.5v)  300回

デイープサイクルバッテリーの種類(硫酸鉛、AGM、ジェル等)、使用温度、製造メーカ、その他で大きく異なるのは当然です。 又、寿命はバッテリーのサイクル数に依って決まりますので、同じ1000サイクルでも一年に200サイクルの放電/充電を繰り返す場合は5年、100回の場合は10年と成ります。 又、常に12.5V前後に留めていても、チョッとした不注意で10.5V以下に下げる様な事があれば、期待するサイクル数から大きく減少する事に成ります。

次回は電圧に関して書きます。

スターターバッテリーをハウスバッテリーに使用?

“スターターバッテリー(自動車用)でも6年前後使用出来る”と言う可能性は在り得ます、 しかし、此れは単に可能性です。 確かにスターターバッテリーはデイープサイクルバッテリーに比べて安く購入出来ますが、果たしてどちらが得なのでしょう?

この様な問題を証明する事は、“オイルを3000Km毎に交換と10000Km毎に交換とどちらが得か?”と同様に証明は不可能に近いでしょう。 3000Km毎に交換したエンジンも壊れる事がありますし、10000Km毎に交換したエンジンが壊れてもオイル交換頻度には全く関係が無いかも知れません。 エンジン内部部品の磨耗の度合いもオイル交換頻度より更に大きな影響をする事があると思われます(オイル関係以外の故障中のエンジン回転、始動時のオイルが下がった状態、オーバーヒート、その他)。

私は以前スターターバッテリーを購入して駄目にした経験がありますし、又8年(?)前に購入したデイープサイクルバッテリーは現在も問題無く使用しています。 私の経験や此れまでに読んだ他のRVer達の意見(経験)を総合しますと、全く同じ条件で両者を比較した場合はスターターバッテリーが早く駄目になるのは明らかな気がします。

例え、スターターバッテリーをハウスバッテリーに使用して長持ちした人が居たとしても、特殊ケースかも知れませんし、使用条件や、どの程度信じられるかも分かりません。

バッテリー購入者の状況や使用条件次第ではスターターバッテリー購入が得な可能性もありますが、単に一般的(総合的)に考ますと、“RVハウス用にはスターターバッテリー購入はデイープサイクル購入(使用)に比べて損である”と私は考えます。

この結論も単なる私の意見で、私と反対意見をお持ちの方もいらっしゃると思います。

決断を下す前にスターターバッテリーとデイープサイクルバッテリーの違いを知った上でどちらが得か判断為さって下さい。

参考1:
http://net-camper.sakura.ne.jp//2010k-bat/battery.html

参考2:
私は、乗用車のエンジンオイルは10000マイル(16000Km)毎、RVは15000マイル(24000Km)毎に交換しています。 日本の常識からですと長い距離と思われるかも知れませんが、私のRVにはカミンズエンジンが搭載されていて、そのマニュアルには15000マイル交換が記されています。
http://www.cumminspowerclub.com/resources/ISBMaintSchedulesRV.pdf

上のサイトの右上方に“Oil Drain Interval 15,000 miles / 12 months”と記されていますが、この12ヶ月毎に関しても色々な判断があります。 

アメリカにはオイルサンプルを送ると結果を調べて(アナリシス)呉れる会社があり、RVerやトラック会社で此れを利用して乗り続ける人も少なくありません。 

検査をする冪なのですが、私は12ヶ月は無視して約15000マイル毎に交換する様にしています。 尚、トランスミッションオイルや冷却水のアナリシスもして呉れます。 マニュアルに依りますと私のトランスミッションオイル交換周期は150,000マイル(24万Km)毎です。