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キャンピングカー用ナビゲーション = RV用ナビゲーションシステム、 その2

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前回〝アメリカではナビゲーションシステムをRVに搭載する事が約10年位前から徐々に増えた”と書きましたが、良く考えてみますと約10年前から人気、製造機種、販売数量、共に急激に増えた気がします。

私が最初にGPS(ナビゲーションシステム)を購入したのは1990年の半ば頃で、CopilotのDoor-to-Door(入口から入口)と呼ばれる機種を$700前後で購入し、現在では当たり前ですがその機種は目的地までの進路を計算表示出来る数少ない機種でした。 その当時のGPSはナビゲーションシステムと言うより自分が居る場所が分かる単なるPCを使った地図が主流で、マイクロソフト社のMicrosoft Streetsソフトと衛星アンテナのセットや Deloamが販売していた地図ソフトと衛星アンテナのセットがRVerの間でポピュラーでした。私もこの両方を購入しましたが、地図は表示されても自分の居場所を表示する事は出来ず、CoPilot を使用して居た事、忙しかった事(言い訳け)、必要性をそれ程感じなかった事等で本気で解決する気にもならず、GPSアンテナは結局機能しませんでした(使いこなせませんでした)。 

当時GPSは新しい大人の玩具で、RVフォーラムではGPSに関する新しい情報が色々議論されていましたが、中には〝GPSなど必要は無い、ウオールマートの地図(B4サイズの本)があれば十分”と言い張る人も沢山居ました。 時代は変わるものです。 〝小さなな輸入車は事故を起こすと命が危険、大きなアメリカ車に限る”と言う人が大勢居た時代もありますが、恐らくそれらの人の多くも今ではトヨタやホンダの小型車に乗って居る事でしょう。

その後RV向けに各種のナビゲーションシステムが販売され価格も下がり、私の持っていたCopilotのソフト交換は高価である事も理由で、Garmin社がRV用に出したStreet Pilotに買い替え、2-3年後には7インチスクリーンのGarmin7620が出るや否や評判の良さに引かれて此れも購入して暫く使用し続けましたが、数年前(5年?)に地図製作で有名なRand McnallyからRV専用の5インチのTrip-Maker5510が販売され、その数か月後に7インチの7710された時は、又々この機種の好評判に引かれて購入、昨年までGermin 7620 と両方を同時に使用していました。

GPS(ナビゲーションシステム)が出現する前は多くのRVerや長距離トラックドライバーが上の写真に示されて居る様なB4 サイズの本状の地図を搭載して、それを頼りに目的地に向かっていました。 その中でも毎年発行されるウオールマートの地図(全てのウオールマートの所在地が記されている)やGood Sam(RVの会員クラブ)の地図が特に多く出回っていて、地図が発行された直後は定価$10が半額で購入出来ました。

余談になりますが、1980年代にウオールマートが増え始めた当時は殆ど全てのウオールマートの大きな駐車場は無料で一夜を過ごさせてくれていて、RVで長距離を移動する場合に夜遅く駐車して早朝出発する、即ち短時間寝るだけの宿泊にはとても便利でした。 現在も多くのウオールマートの駐車場で夜を過ごす事を許可していますが、許可しなかったりRV宿泊禁止の表示がされているウオールマートも相当増えました。 付近の客を失われるRVパークからの苦情(?)、マナーの悪いRVerを見ての客からの苦情、衛生面や安全面での理由等が考えられます。

それ以前の1970年代、1980年代は長距離旅行に出かける前はAAA(American Automobile Club = 日本のJAF)に行って旅行中に通過する詳細地図(Triptik)を本状にまとめて貰い、一冊約50頁で長距離の場合は2冊になる場合もあり、それを頼りに旅行したものです。

横道に逸れて仕舞いましたが、次回はRV用のナビゲーションシステムに関して書く予定です。

キャンピングカー用ナビゲーション = RV用ナビゲーションシステム、 その1

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日本で呼ばれているナビ(カーナビ)はアメリカではGPSと呼ばれ続けて来ましたが、最近はナビゲーションシステムとも呼ばれる様になって来ました。 日本の殆どの車にナビが搭載されて居る様ですが、アメリカの乗用車には日本ほど普及しておらず、ナビを付けて居ない乗用車の方が断然多く走っています。

しかし、RV(キャンピングカー)や長距離トラックの運転手は、長距離の知らない目的地に行く事が多く、更に目的地までの重要な情報(例えば重量制限、高さ制限や長さ制限に従って通行可能な道を選択、交通渋滞回避、事故場所、警察車存在地点等)を提供して呉れます。

日本とアメリカのナビゲーションシステムを比べますと、各々がそれぞれの状況(必要性)に応じて独特の進化を遂げて居る事が明らかです。 日本のナビの機能を詳しくは知りませんが、渋滞中にナビにテレビが映し出さているのをよく目にしますが、アメリカではテレビが映っている車を見た事が在りませんし恐らくテレビ機能が付いたナビゲーションシステムは販売されていないと思います。

しかし、アメリカではナビゲーションシステムをRVに搭載する事が約10年位前から徐々に増え、RVには不可欠な情報が得られる事からRV用のナビゲーションシステムは必要不可欠になっています。  現在は日本では考えられない、又は現実的では無いと思いますが、今後RVが増えますと日本でも恐らく同じ様な機能のナビゲーションシステムやソフトが普及すると思われます。

次回はアメリカに於けるRV用のナビゲーションシステムやソフトに関して紹介します。

〝RVの燃費に関して”

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最近の車には燃費、即ち1リットル当たり走行距離が瞬間燃費や平均燃費で表示されるものも多くなって来ており、又、電子燃料制御の車(RV)には瞬間燃費や平均燃費が簡単に表示出来る機器も販売されています。

長距離を運転していますと時間を持て余し、つまらない事を考えたり気にしたりすると思いますが、私に取って燃費はよく気になります。 瞬間燃費を見て一喜一憂、即ち風向きや道路の傾斜等の状況を考慮した上で良い燃費が表示されて居れば車が快調に走って呉れていてエンジンも調子よく回転している事に快感を覚え、燃費が通常時より悪ければブレーキは引きずって居ないか、タイヤはパンクしていないか、エンジンは大丈夫か、ホイールベアリングは大丈夫か等が気になり、時には心配にもなります。

燃費に影響する要因:
燃費はエンジンの大きさ、車重、車の形状、速度、増速/減速の仕方、エンジン回転数(シフトダウン)、風の抵抗、道の傾斜、道路の状態等は(当然ですが)全て少なからず燃費に影響しますが、これ等の中にはどうする事も出来ない要因も在りますが、長年の観察から燃費を多少でも良くする事が可能だと思われる事柄も在ります。 

エンジンの大きさ:
一般的に、小さなエンジンは大きなエンジンに比べて燃費が良いのですが、エンジンに必要以上の負担を掛けて無理をさせる様な運転をしますと燃費は犠牲になり、返って大きなエンジンより悪くなります。 

車の形状:
当然、流線形であったり、前面面積が小さい方が燃費は良くなり、最近は大型トラックの形状が曲線的であったり高速走行中に乱流(抵抗)を軽減される為に側面や最後尾に大きな金属板を取り付けているトラックが目立ちます。 中には真っ平のホイールキャプを取り付けているトラックを見る事もあります。 高速で長距離を走りますと燃費軽減、更には経費削減になると思われます。https://www.youtube.com/v/27UCsqLn2h4?version=3


風の抵抗:
向かい風ですと抵抗となり燃費は悪くなりますが、追い風ですと燃費を良くして呉れます。 風の方向はその時々で異なる様に思われますが、此れまでにアメリカ西部(カルフォルニア州、アリゾナ州、ユタ州、ニューメキシコ州、テキサス州等)の砂漠地帯を走っていて気が付いた事は、西風又は南に偏った西風の場合がが多く、東に向かって走る場合は追い風になり、西に向かって走る場合は向かい風になる傾向があり、強い西風の為に燃費が普段の60%程度に落ちるのを経験したり、風が治まるのを待つ為にレストエリアにRVやトラックが沢山止まって居るのを何度か目撃した事があります。

車重:
軽い方が燃費は良くなると考えて以前はブラックタンクやグレータンクは頻繁に空にし、行き帰りの道中では水も出来るだけ1/3程度に抑えていました。 しかし、前回の旅で重量はそれ程気にする必要が無い(?)事が分かりました。 即ち、軽い場合は上り坂で燃費をそれ程落とさずに上って行きますが、峠を超えて下り坂に差し掛かっても極端な加速はしません。しかし、重量が増しますと上り坂では燃費が落ちる代わりに、下り坂ではその分大きく加速して燃費が良くなります。 此れを如何に効果的に利用するかですが、上り坂では辛抱が肝心でエンジンに無理を与えない程度にエンジンの回転数を余り上げない様に登り、下り坂ではブレーキを踏んだりやエンジンブレーキの使用を避ければ車の重量増しに依る燃費の損失は避ける事が出来ます。 更に燃料を給油する場合は出来るだけ高度の高い場所で行いますと数字の上での燃費は良くなります。 
以上、冗談が半分含まれています。

燃費を良くする運転方法:
私が心掛けている方法が幾つかありますので書きます。

高速走行は避ける:
車体が大きくなれば成るほど巡行速度が燃費に影響し、90Km/時以上で走りますと極端に燃費が悪くなります。 私は出来るだけ(下り坂を除き)57-58マイル/時(92-93Km/時)に抑えて走行する様にしています。 
参考:カルフォルニア州では大型けん引トラック(18ホイーラー)や乗用車を含む全てのけん引車両の最高制限速度は55マイル/時(89㎞/時)です。 従って、乗用車、小型トラック、バス、RV等の制限速度が65マイル/時(105㎞/時), 70マイル/時(113㎞/時)の高速道路でもけん引車は全て55マイル/時(89㎞/時)です。

滑らかな加速:
急発進やアクセルを踏み込んでの追い越しは燃費を極端に悪くします。 平均燃費は同一タンクの走行距離にも依りますが、平均燃費の表示を見ながらアクセルを深く踏み込みますと平均燃費数値は明らかに下がります。 

登坂時の速度:
夏の暑い時に長い急な上り坂を走る場合は予め減速し2段又は3段シフトダウンして登る事が必要な場合もあると思いますが、必要以上に速度を下げてエンジンの回転数を上げますと燃費は悪くなります。 私が最近心掛けている方法は僅かに減速してシフトダウンは控えめにして回転数を一定に保つ事が出来る速度で登る方法です。 上り坂で一度速度を落として仕舞いますとシフトアップする為にはアクセルを踏み込んで回転数を上げる必要があり、速度を増す事が困難になると同時に燃費を悪くして仕舞います。 エンジンの性格やトランスミッション、ギヤー比、車重に依って異なりますので、大切な事は予め上り坂の勾配に応じた最適なエンジン回転数、走行速度、ギヤーシフト位置を知る事です。
この方法はデイーゼルエンジンでは特に有効ですが、若しオーバーヒートの兆候が現れたり、速度を保持出来なくなった場合はエンジンへの負担も考えて減速と共にシフトダウンをする必要があります。

以上、科学的な裏付けは在りませんが、私の経験、考えを書きました。

スライドアウトに関して

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スライドアウトとはRVの側面が外に飛び出し、室内空間を広くする構造を言います。
スライドアウトは1990年初期にRVメーカーであるニューマーから始まり、最近のRVにはクラスBでさえもスライドアウトが付いて居る物があり、クラスAには全てにスライドアウトが付いて居ます。 1個のスライドアウトから2個、3個、4個とありますが、FWS(Full Wall Slideout)と呼ばれる片側側面の殆どが飛び出すタイプもあります。 スライドアウトは電気モーター式と油圧式があり、RVメーカーに依って異なります。

スライドアウトが1個でも付いて居ますと内部空間が広くなって良いのですが、欠点も幾つかあります。
スライドアウトの欠点:
• RVの総重量が増す
• 故障の原因となる
• キャビネットスペースが少なくなる

欠点があるとは言え、今ではスライドアウト無しのクラスAを探すのは不可能な状況です。 

ブレーキフルイッドに関する事実  その4

ブレーキフルイッド(Dot3、Dot4、Dot5、Dot 5.1)に関してアメリカに於ける規格を元に書き始めましたが、この規格は日本では通用しない事が分かりました。 日本ではDot5と表示されたグライコールベースのブレーキフルイッドが普通に販売されて居る様で、恐らくアメリカでは在り得ない事です。

参考までに、次のサイトにDot規格の〝571.116; 自動車用ブレーキフルイッド”が示されています。 https://www.gpo.gov/fdsys/pkg/CFR-2010-title49-vol6/pdf/CFR-2010-title49-vol6-sec571-116.pdf

乗用車、トラック、バス、トレーラー、そしてオートバイ向けのブレーキフルイッドの最低必要条件、テストの方法、テスト装置、容器(パッケージ)等、驚くほど詳細に記述されています。  容器の物理的条件は勿論、規格を満たした認可番号を始め、会社名、住所、年月日、内容物のDot番号、最低沸騰温度、指定された注意書き等の印刷が義務付けられています。

尚、ブレーキフルイッドにはグライコールベースとシリコンベースがあり、非常に大切な事は決して両者をミックスしない事です。 Dot規格では、シリコンベースは紫色又は赤紫に着色が義務付けられていますが、アメリカ国外ではグライコールベースのブレーキフルイッドを紫色に着色している会社があります。

Dot5ブレーキフルイッドに関しては知っておくべき重要な事柄が在りますが、日本でアメリカの規格を元に判断しますと、返って危険を招く恐れがありますので、ブレーキフルイッドに関しては、この辺で終わりにしたいと思います。

ブレーキフルイッドに関する事実  その3

日本のDot5に関する質問サイトを読んで驚きの事実を知りました。

例1:
〝グライコール(グリコール)ベースのフルイッド(フルード)であるDot4にDot5を短期間であれば使用可能”と書かれていましたが、アメリカでは通用しません、問題発生は確実です。 

例2:
〝Dot4にはグライコールベースのDot5をミックスする事は可能”と在りましたが、Dot5の“Dot”は既に書きました様に本来は規格を意味し、Dot5は全てシリコンベースです。 従ってグライコールベースのDot3又はDot4には極く少量でもDot5をミックスする事は出来ません。  しかし、日本では、グライコールベースのDot5が出回って居る様で、若し、此れが一般的である場合は更に複雑で、日本では規格品を使用すると危険な状況になる可能性があり、規格は無視した方が安全な場合も出て来ます。 若し、グライコールベースであればDot5.1であるべきなのですが、Dot5.1とは記述出来ない何らかの理由があるのでしょう。  余り深く考えない方が良いのかも知れません。

例3:
〝ハーレーにDot5の使用”を勧めているサイトが在りました。 ハーレーのオートバイには、年式に依って異なりますが、製造時にDot5が使われている事は事実です。 しかし、日本のグライコールベースのDot5を規格品のDot5にミックスした場合は問題が生じます。

従って、このブログに書かれた事は参考程度にして、日本に於ける事実を元に最終判断を下す必要があります。  

次回は予定通り、Dot5に関して書きます。

ブレーキフルイッドに関する事実  その2

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ブレーキフルイッドの種類:
既に書きました様に、現在一般的に出回っているブレーキフルイッドにはDot 3、Dot4、Dot5、Dot5.1 の4種類があります。  これ等は2種類に分類され、Dot 3、Dot4、Dot5.1のグライコールベースと、Dot5のシリコンベースです(上左のチャート)。

沸騰温度:
ブレーキフルイッドの規格(FMVSS 116、 NHTSA 116、 SAE J1703-J1705、JIS K2233、 その他)には沸騰温度、粘度、酸性度、温度に対する耐久性、化学的耐久性、腐食性、その他の必要条件が定められていますが、その中でも最もよく目に付くのが沸騰温度で、ブレーキフルイッドは沸騰温度で優劣が付けられている感じを受けます。  

参考1: グライコール ブレーキフルイッドは吸水性が高く、容器を開封しますと空気中の水分を吸収し始めます。 ドライ沸騰温度のドライとは容器から取り出した直後の水分が0%の状態を言い、ウエットは時間を経て吸水した状態を言い、ウエット沸騰温度のテストでは3.7%(重量)の状態で行います。

水は100℃(212℉)で沸騰しますので、フレーキフルイッドは吸水が増せば増すほど沸騰温度が下がります。 上左のチャートに示されて居ます様にDot3の沸騰温度はDot4より低いのですが、吸水性はDot4の方が高い性質を持っています。 その為、使い残しの長い時間が経過したDot4の沸騰点はDot3よりも低くなります。 従って使い残しの古いブレーキフルイッドは決して使わない事が大切で、メーカーに依っては大きな容器(32オンス、1リッター)では販売しない会社も在る位です。 

ブレーキフルイッドのミックス:
既に書きました様に、ブレーキフルイッドには透明色又は薄い透明茶褐色のグライコールベースのDot 3、Dot4、Dot5.1と紫色又は赤紫色に着色されたシリコンベースのDot5が在りますが、チャート(上右)に示されて居ます様にグライコールベース間のミックスは問題在りません。 しかし、シリコンベースのDot5は他の何れのグライコールベースのブレーキフルイッドともミックスをする事は絶対に出来ません。

参考:
アメリカ国内で販売されるブレーキフルイッドはDot571.116の規格を満たす必要があり、パッケージに関しても詳細な条件が書かれており、その中にはDot5には〝Dot5 シリコンベース”、Dot5.1には〝Dot5.1 グライコールベース”と表示する様にも記載されています(参考:Designation of the contents as “DOT—MOTOR VEHICLE BRAKE FLUID” (Fill in DOT 3, DOT 4, DOT 5 SILICONE BASE, or DOT 5.1 NON-SILICONE BASE as applicable)。.

次のサイトに興味を引く記述が在ります。
http://www.keiyo-parts.co.jp/seiken.dot5.html

このブレーキフルイッドはDot5で在りながらグライコールベースと書かれています。 最初に容器(写真下)を見た際はDot5.1の印刷ミスか容器に記載されている5.1の〝.1”が見えないかとも思いましたが、上のサイトにハッキリとDot5でグライコールベースと書かれています。
メーカーに直接問い合わせれば簡単に解決する事なのですが、Dot5に関してはこの様な疑問を抱く事柄が沢山あります。  国に依っては、グライコールベースで沸騰温度の高いブレーキフルイッドがDot5(Dot5.1では無く)と表示されて売られたり、Dot6として売られて居る様で、アメリカのDot規格とは関連が無い場合も在る様です。

参考: 
Dot5とDot5.1 には何らかの関係が在る様な感じを受けますが、両ブレーキフルイッドの間には何の関連もありません。 強いて共通性を上げれば両者の沸騰点が同じ事です。  尚、上に表示されています沸騰温度のチャート(上左)は規格から得たもので正確ですが、Dot5.1 の方が高く表示されているチャートも出回っていて、数値にも種類があります。 

Dot番号(ブレーキフルイッド)の選択:
同じベースのブレーキフルイッドのミックス、即ちDot 3、Dot4、Dot5.1をミックスしても反応を起す様な事はありませんが、厳密にはマニュアルに示されたDot番号のブレーキフルイッドを使用するのが確実です。 Dot3使用の車にDot4を使用した場合にブレーキシステム部品、特にゴム部品に問題が生じる可能性は無きにしも在らずです。  しかし、一般的にはDot番号の低い方から高い方に変更する事には全く問題が無いとされています、即ち、Dot3からDot4に変更すれば少なくともDot3以上のパフォーマンスを期待出来ますが、Dot4からDot3に変更しますとDot4と同等のパフォーマンスは期待出来ないと言う事です。 更に、異なるブレーキフルイッドをミックスしますと沸騰温度は単一ブレーキフルイッドより下がります。

何れにしても、異なるブレーキフルイッド(グライコールベース間)のミックス以上に大切な事はブレーキフルイッドを定期的、即ち2-3年毎に新しい物と交換し、又使い残した古いブレーキフルイッドは再使用しない様にすれば、マスターシリンダー、キャリパー、アクチュエーター等の部品は酸化や腐食の影響を最小限に留める事が出来て、長い目で見れば経済的だと思われます。


疑問:
ブレーキフルイッドに関して調べていますと疑問点が沢山出て来ます、特にDot5に関しては果たしてどれが正しいのか驚きです。 

シリコンベースのDot5は沸騰温度が高い上に、自然に優しく、毒性は無く、グライコールベースの様にペンキを溶かしたりする事も無くクラシックカーには最適で、アメリカ軍の全ての車両にはこのDot5が使われています。 しかし、Dot5の宣伝、例えばレーシングカー用などと書かれた説明を読んだだけで飛び付いたら大変な事になります。  又、〝Dot5はエンタイロックブレーキシステム(ABS)には使用するべきでは無い”は良く目にする記述です。


次回はシリコンベースのDot5に関連した事柄を説明します。

ブレーキフルイッドに関する事実  その1 

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最初に、ブレーキフルイッドには現在Dot3.Dot4、Dot5、Dot5.1があり、DotはU.S. Department of Transportation(米国運輸省)の略で、規格はFMVSS 116(Federal Motor Vehicle Safety Standard #116)で、次のサイトに出ています。
https://www.gpo.gov/fdsys/pkg/CFR-2012-title49-vol6/xml/CFR-2012-title49-vol6-sec571-116.xml

尚、ブレーキフルイッドの品質規格はSAE (Society of Automotive Engineers)のSAE J 1705に定められてあり、試験方法はASTM(American Society for Testing and Materials)に示されています。


ある理由でブレーキフルイッド、特にDot5に関する情報が必要になりネットで調べてみました。 ところが、様々な意見、相反する情報も在りました。 

Dot5はDot3又はDot4とは混ぜる事が出来ない事は可成り沢山書かれています。 しかし、その理由は殆ど書かれていませんし、又Dot4からDot5に交換する際にどの程度の残量が許容量かも書かれていません。 

その為、Dot5の容器に示されている2社に電話をして対応した技術者に問い合わせてみました。 その結果、〝混ぜると問題が起こるから混ぜては成らない”、更にどんな問題が起こるかを聞くと化学反応が起こるとか、ジェリー状になるとか、余り信頼は出来ない様な返答振りで、両社とも我社はDot5の製造はしておらず、製造元から購入して販売をしているとの事でした。  結局、製造元を突き止め、Dot5を開発して1980年代にこの特許を得た人から情報を得る事が出来ました。  

Dot5は多くの利点がありますが欠点もあり、製品の宣伝を読んだだけで正しく理解せずに購入(選択)の判断をすれば大変な事になる可能性が大いにあります。


今回は2-3回に分けて、ブレーキフルイッドの種類、性質、使い分け、注意点等に関して書く予定です。