環境省の排ガス軽減法案について
平成13年3月初旬に環境省の自動車窒素酸化物(NOx)削減法改正案提出されました。来年五月から施行され、これまで対象外だったレジャー用四輪駆動車などディーゼル乗用車も、来年秋からガソリン車並みの厳しい排ガス基準が適用されることになりそうです。
 また,法改正に伴う政令で対象地域(東京、大阪など六都府県、百九十六市区町村)を拡大、名古屋市周辺の二十〜三十市町村も新たに加えることも閣議決定されており,RV車(キャンピングカー含む)もその対象となっています。ディーゼルキャンピングカーオーナーにとっては非常に厳しい法になることも予想されます。
三菱自動車工業(東京都港区)からの資料提示
今回のディーゼル規制についてキャンピングカーベースに使用されている国産ディーゼル車の製造元各社へ,資料の提示協力をお願いしたところ,三菱自動車工業から資料のご協力をいただきました。これより以下は,その膨大な資料の一部を抜粋したものです。
ディーゼル乗用車も規制・来年5月導入
 政府は6日,大都市圏の自動車排ガス対策強化を狙った自動車窒素酸化物(NOX)法の改正案を閣議決定,国会に提出した。来年5月にも新規制を導入,これまで野放しだったスス状の粒子状物質(PM)を規制対象に加えるほか,ディーゼル乗用車が規制地域では乗れなくなる。大都市の大気汚染に改善の兆しが見られず,2003年秋から始まる東京都の車両乗り入れ規制と会わせて汚染対策の効果が注目されている。環境省は,法改正を受けNOXと微粒子物質の規制値を9月を目処に作る。達成できない車両は新車登録ができず,使用中の車も7・10年程度の猶予期間以降は車検が取れなくなる。
 規制値はトラックやバスの場合,現行の新型車向け規制値に近い水準に設定するが,ディーゼル乗用車は現行のガソリン車並みの厳しい規制値を採用,ガソリン車への代替を促す。
 環境省は,首都圏と関西圏の合計でNOXの排出を毎年約4万5000トンずつ減らすのが目標。改正法では,自動車を30台以上持つ輸送業者などに車の買い替えや共同配送の実施などを盛り込んだ行動計画の提出を新たに義務付ける。指導対象は約6000事業所にのぼるが,零細業者多い業界で買い替えなどをうまく誘導できるか懸念もある。
 国の規制が大都市圏で購入・所有する車が対象なのにたいして,東京都は2003年10月から未対策ディーゼル車の都内乗り入れを禁止する。埼玉,神奈川県も同様の規制を準備中。
 現在のトラックの新車はNOX法に対応済みで,買い替え需要は「景気が回復しない限り期待薄(日野自動車)」。使用中の車両で猶予期間を過ぎた車を規制外地域に回し,新車購入を押さえるユーザーが多いとメーカーは見ている。
 レクリエーショナル・ビークル(RV)に多いディーゼル乗用車は首都圏・関西圏に約87万台あるが,現在の技術では,新車基準は達成できないという。ディーゼルは地方年,大都市はガソリン車とすみわけが進みそう。
 トラック輸送業者は車両切り替えがコスト増につながると反発。全日本トラック協会によると,トラック業者の車両平均寿命が大型車で12年なのに対し,現行の猶予期間は9年。協会は猶予期間を11年に延長するようもとめている。
(3月7日 日本経済新聞より)
排ガス規制法に関連の資料
附則3 自動車排出ガス規制の識別記号

自動車排出ガス基準値の相違又は電動機の有無により新型式を付与する場合には,下記によること。
 なお,ハイブリッド自動車とは,内燃期間及び駆動用の電動機または,油圧モーターを有するものをいう。





注1)
 以下,三菱自動車工業からお送りいただいた資料,ディーゼルの識別記号をディーゼル車に関連ある物を抜粋しています。以下のほかにも数多くの識別記号があり,これは,車検証の型式に記載されているアルファベットを見ると分かります。

注2)
 左の届出要領は原本に基づいてPCで作成したもので,一部のみの作成です。車台番号の打刻届出時に型式についても記載し,そこに表記されているアルファベットで規制の内容がわかります。
 
今後,具体的な法が出されたときは所有されている車検証記載の型式のアルファベットで何年乗ることができるか判断するような形になる可能性が高いようです。
規制年 型式 対 象 車 両
平成2年規制に適合させたもの W 軽油を燃料とする自動車であって車両総重量が8トンを超え,セミトレーラーをけん引するけん引自動車及びクレーン作業用自動車。
X 軽油を燃料とする専ら乗用の用に供する乗車定員10人以下の普通自動車及び小型自動車であって車両重量が1265キログラム以下のもの。
平成4年規制に適合させたもの Y 軽油を燃料とする専ら乗用の用に供する乗車定員10人以下の普通自動車及び小型自動車であって車両重量が1265キログラムを超えるもの。
平成5年規制に適合させたもの KA 軽油を燃料とする自動車であって,車両総重量が1,7トン以下のもの。
KB 軽油を燃料とする自動車であって,車両総重量が1,7トンを超え,2.5トン以下のもの。
平成6年規制に適合させたもの KC 軽油を燃料とする自動車であって,車両総重量が2.5を超えるもの。
KD 軽油を燃料とする専ら乗用の用に供する乗車定員10人以下の普通自動車及び小型自動車。
平成9年規制に適合させたもの KE 軽油を燃料とする自動車(ハイブリッド自動車を除く)であって,車両総重量が1.7トン以下のもの又は専ら乗用の用に供する乗車定員10人以下の自動車であって,車両重量が1265キログラム以下のもの。
KF 軽油を燃料とする自動車(ハイブリッド自動車を除く)であって,車両総重量が1.7トンを超え2.5トン以下のもの(専ら乗用の用に供する乗車定員10人以下のの自動車以外のものであって手動変速装置を備えたものに限る。)
HB 軽油を燃料とする自動車(ハイブリッド自動車に限る)であって,車両総重量が1.7トンを超え2.5トン以下のもの(専ら乗用の用に供する乗車定員10人以下のの自動車以外のものであって手動変速装置を備えたものに限る。)
KG 軽油を燃料とする自動車(ハイブリッド自動車を除く)であって,車両総重量が2.5トンを超え,3.5トン以下のもの(専ら乗用の用に供する乗車定員10人以下の自動車を除く。)
HC 軽油を燃料とする自動車(ハイブリッド自動車に限る)であって,車両総重量が2.5トンを超え,3.5トン以下のもの(専ら乗用の用に供する乗車定員10人以下の自動車を除く。)
平成10年規制に適合させたもの KH 軽油を燃料とする専ら乗用の用に供する乗車定員10人以下の自動車(ハイブリッド自動車を除く。)であって車両重量が1265キログラムを超えるもの。
HD 軽油を燃料とする専ら乗用の用に供する乗車定員10人以下の自動車(ハイブリッド自動車を除く。)であって車両重量が1265キログラムを超えるもの。
KJ 軽油を燃料とする自動車(ハイブリッド自動車を除く。)であって車両総重量が1.7トンを超え2.5トン以下のもの。1265キログラムを超えるもの。(専ら乗用の用に供する乗車定員10人以下の自動車以外のものであって手動変速装置を備えたもの)
KK 軽油を燃料とする自動車(ハイブリッド自動車を除く。)であって車両総重量が12トン下のもの。(専ら乗用の用に供する乗車定員10人以下の自動車を除く)
HF 軽油を燃料とする自動車(ハイブリッド自動車を除く。)であって車両総重量が3.5トンを超え,12トン以下のもの。(専ら乗用の用に供する乗車定員10人以下の自動車を除く)
平成11年規制に適合させたもの KL 軽油を燃料とする自動車(ハイブリッド自動車を除く。)であって車両総重量が12トンを超えるもの。(専ら乗用の用に供する乗車定員10人以下の自動車を除く)
HM 軽油を燃料とする自動車(ハイブリッド自動車を除く。)であって車両総重量が12トンを超えるもの。(専ら乗用の用に供する乗車定員10人以下の自動車を除く)
附則4 自動車型式指定申請等届出要領
第1 本要領の適用
 型式指定規則第2条の規定による指定の申請(以下「型式指定申請」という)
 型式指定規則第10条の規定による変更の承認の申請(以下「型式指定変更承認申請」という。),この通達の別添2「新型自動車等取扱要領」第2台項による届出(以下「新型届出」という。)及び同取扱要領台4台1項による変更の届け出(以下「新型変更届出」という)に係る申請書又は届出書及びその添付画書についての提出方法は,この通達の別添1「自動車型式指定実施要領」及び別添2「新型自動車等取扱要領」によるほか,本要領に定めるところによる。
【以下省略】
資料提供=三菱自動車工業
なお,具体的な排ガス規制の型式などについては,未発表です。また,排ガス実数値については国土交通省の排ガス規制一覧には実数値が表記されてなく,規制に対しての実数値の問題もあるため,一概に記号だけで対象年数が決定するということも言えないとのことです。5月にその具体法が決定します。ディーゼル規制について情報が御座いましたらご協力をお願いいたします。

トップページへ戻る
The reader can participate.Internet on-line Magazine NET CAMPER
Copy right NET CAMPER
Since 1999.Nov