n気温と冷蔵庫
 夏場になると増える冷蔵庫のトラブル・・・・。夏になる=トラブルが多くなるという理論は成り立たず,外気温が高いため冷蔵庫の冷却能力が追いつかない場合がほとんどです。炎天下の30度以上の環境で冷蔵庫を使用した場合と夜間20度を下回る環境で使用した場合,夜間の方が冷蔵庫内の温度も下がります。
 冷蔵庫の背面のユニット部分は,外気にさらされていると言っても過言ではありません。外気が高い状態でさらにガスで熱を加えれば冷蔵庫の背面はかなりの温度まで上昇します。
 冷蔵庫の能力を発揮できるようにするためには,日陰にキャンピングカーを駐車すること。または,日かげがない場合は冷蔵庫の装着されている側のボディを日のあたらない方に向けるなどの配慮で冷蔵庫内の温度が1〜2度下がることもあります。
 また,冷蔵庫上部にあるコンデンサー部分にファンをつけ強制冷却をすることも有効です。アメリカでは冷蔵庫専用の強制冷却用ファンモーターが販売されています。この冷却ファンを装着することで冷蔵庫内の温度が下がることもあります。(パソコンの放熱用ファンを自作で装着されている方も多いようです。パソコン用ファンは,低消費電流のため画期的ですが,壊れる頻度も高いようです。)
 さらに,アメリカには,電源を使わずソーラーで冷蔵庫の冷却ファンを回す商品も存在します。
 このページでは,これらの温度の要因以外の中で最も多いオリフィスの確認およびメンテナンス法について解説します。(3ウエイ冷蔵庫のメンテナンスページでも少し触れていますがこのページではオリフィスに焦点を絞り詳しく説明します)

        冷蔵庫用クーリングファン

エバポレーターコイル部分の熱を感知して自動的に回転,停止を行う。
オリフィスの清掃
 まずオリフィスの場所を探します。Norcold製は,バーナー部分の筒の中に組み込まれています。一方,Electrolux社(Dometic AmericanaなどのOEM商品)の冷蔵庫も同様にバーバーの筒の中に組み込まれているものが多いのですが,最近ではオリフィスがメンテナンスフリーの状態(バーナーとオリフィス部分が分離しているため,カーボンが付着しないタイプ)が発売されていまます。
左の説明は便宜上であり正式呼び名ではありません Norcold製組み込みタイプ Americana製分離タイプ
オリフィス清掃
 それぞれご自身の冷蔵庫がどちらのタイプか確認し,ガスの元栓を念のため締めます。
 その後,スパナを2本用意し,ナット部分を回します。上写真のNorcold製はバーナーごと取り外します。また,この際,両タイプともに電磁バルブ(正式名称=シャットオフバ
ルブ)側のガスのナットも外します。
 Norcoldのバーナー部。この中にオリフィスがある。  Electoroluxの2way冷蔵庫のバーナー部分。,こちらは左下の真鍮部分にオリフィスがある。
 これがオリフィスです。小さな穴が中央にあります。よく見てください。穴の回りに黒い粉があります。燃焼によるカーボンです。
 
オリフィスの清掃
 上写真右のオリフィスにカーボンが溜まっているのがわかります。この状態でガスの電磁バルブが開くとこれらのカーボンガスの圧力によりオリフィスの小さな穴を塞ぎます。また,かなり使い込んでいる冷蔵庫によくあるのですが,カーボンによりオリフィスの穴が小さくなりガスが出なくなったり,詰まりにより燃焼が弱くなり冷却能力が低下している場合があります。
 アメリカの冷蔵庫関連のメンテナンス情報では,この詰まりを解消するためには,アルコールで洗うかつまようじで突っつきなさいとよくかかれています。(つまようじは人それぞれ力加減がありますのでここではお勧めしません。穴を広げてしまう結果になる場合もありますので)
 この手のメンテナンスは,ブレーキパーツクリーナーやキャブクリーナーを使用しても全く問題なく,同様の効果を得ることができます。
 気温に関係なく,能力が落ちてきた・・・と感じたり,経年により冷えが悪くなった場合はぜひこの部分をご確認ください。ガスで頻繁に使用される方の冷蔵庫は,ほぼカーボンが発生しています。但し,上Americana製分離タイプのオリフィスはノーメンテナンスで大丈夫です。

 なお,ガスや火に関連する部分です,1つ間違えば死にいたることもあります。安全に充分配慮し,事故や怪我のないように細心の注意をはらって作業をしてください。

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