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キャンピングカーにおける水道設備のフル装備の配置・配管図です。上記は分かりやすいように配置していますので実際の取り付けの位置とは異なります。また、ビルダーによって配管方法、水道設備の機器に若干の違いがありますのでご了承ください。
水道設備の構成と排水
 キャンピングカーはウォータータンクに水をいれていればいつでも水道を利用できます。(トレーラーなどはウォータータンクのないものもあり、車外に汲んできた水タンクを置き、ウォーターポンプで吸い上げる方式のものもあります。)
 キャンピングカーの水道設備の構成については様々な機器や取り付け配管がありますが、以下は最もポピュラーな方法についての説明です。


水の流れを起こす
@ 水流を起こしている機器はウォーターポンプです。12Vで作動するポンプで国産キャンピングカーにおいても殆どがアメリカ製のポンプが設置されています。このポンプは水圧スイッチが内蔵されており、ポンプ〜水道栓(シャワー栓)までの間の水圧が下がることによりポンプ自身についている水圧スイッチが作動します。
● この水圧スイッチ内蔵ポンプも数種類あり、違いは1分間に吐出される水量に違いがあります。
● ボイラー使用後(スイッチOFF後)にポンプスイッチを入れっぱなしにしておくと、水を出していないにかかわらず数秒ポンプが作動することがあります。これは、ボイラー内の水が高温になり膨張していたものが、徐々に冷え水圧が下がるためです。
● ウォーターポンプのスイッチを入れていても水道栓を締めた状態で水圧が加圧されればポンプの回転は停止します。このとき、ウォーターポンプまで12Vは流れていますが、ポンプ内の水圧スイッチで電源はカットされています。


水の流れは?
@ウォータータンクに水道水を入れる。
Aウォーターポンプのスイッチを入れる。
B水圧が加圧される。
C水道栓を開ける。
D水道栓を開けることにより、水圧が下がりポンプの水圧スイッチが作動し、12Vの接点が接続されポンプが回転する。
E水道栓を締める。
Fポンプ〜水道栓までの水が加圧され、ポンプの水圧スイッチの接点が離れポンプの回転が停止する。
Gシンクの配管からグレータンクへと水が排水される。


温水は?
温水の作り方は上図では2ウエイ方式になっています。

@ラジエター兼用式ボイラー

ラジエターとは、自動車エンジンのラジエターのこと。つまり、エンジンの熱を有効に使用する画期的なシステムです。
これは、ラジエターから耐圧&耐熱ホースを後部のボイラーの中に入れ、そのラジエターの熱を利用してボイラー内の水を暖めるものです。走ればお湯が沸くエネルギーの有効利用です。
また、さらに、その後部のボイラーまで回したラジエターのお湯を、リアヒーターのヒーターコアへ回し、暖房用としても利用されています。

予備知識として・・・
リアヒーター方式の場合は、もしエンジンがオーバーヒート気味になった場合、リアヒーターを最大で回すことによりラジエーター内の水温を下げることができます。運転席のヒーターも同じ原理なので運転席のヒーターも回すことで効果的です。

Aガスボイラー
 ガスボンベのガスを利用してお湯を沸かす方式です。一般的にこのタイプが装着されているものがほとんどです。
20リットル超クラスのボイラーは真冬でも全く問題なく暖かいシャワーが使用できます。
スイッチは室内から操作でき、一定の温度になると自動的にリレー回路が作動し電源がカットされ、水温が下がってくるとまた自動でお湯を沸かします。
このボイラーも国産キャンピングカーにかかわらず、ほとんどがアメリカ製が装着されています。
トレーラーなどは、ヨーロッパ製の貯湯式の9リットル前後の小さいボイラーが装着されていることがあり、冬場数人でシャワーを使用する場合には冷たくなっても耐える覚悟が必要です。


マリントイレ水は?
 マリントイレ(常設設置型トイレ)は、ヨットやクルーザーなどにもともと装着されていたものをキャンピングカーに流用したもの。呼び名もそのまま”マリン”が付いています。
このトイレはいわゆる水洗トイレです。その水は、水道設備と同じくウォータータンク内の水をウォーターポンプで送りトイレのペダルやレバーを引くことで水が供給できるようになっています。
トイレで使用した汚物と水はブラックタンクへ排水され貯められます。
このマリントイレで気をつけておかなければいけないのは、毎回使用するたびにブラックタンクを排出する場合、使用したトイレットペーパー溶けていないままでタンク内に残ってしまいます。いわゆる水分だけが捨てられ、固形物はタンク内に残ってしまうことがあります。特にティッシュペーパーは水に溶けないものや溶けにくいものがありますので、できるだけ溶けるトイレットペーパーを使用しなければなりません。
また、常にブラックタンク内に水を貯めておくと固形物が残ることを避けられます。全く空の状態はパッキン類の硬化が促進してしまうこともありますので、汚物を排出した後はタンク内に水をしばらく流し洗浄し、その後水を貯めておきましょう。


ウォータータンクの水は?
 飲み水として使用される方や長期に渡り使用されない場合は、常にタンク内の水は抜いておいたほうが無難です。しばらく乗らない場合は水が腐ってしまいます。水を使用しなくても車が動いていれば水は腐りません。しかし長い間駐車している場合は水も動かずしかも夏場は高温になり腐りやすい環境となります。
 一旦タンクから水を抜く場合、ボイラーの水も抜けてしまいますので再度水を入れる場合はボイラー内にエアーが溜まります。その場合はボイラーのエアー抜きバルブを開けエアーを抜く作業が必要です。ボイラーのエアー抜きのバルブがどこにあるか分からない場合は水道栓または、シャワーを開いた状態でしばらく水を出すことによりエアーを抜くことも可能です。

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