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“オートパーク”の故障  その4.  “イデイオットライト”の点灯

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“オートパーク”の故障は“RGS”に関連したものがダントツですが、他にも幾つかの故障があります。  今回は“イディオット ライト”の点灯、即ちダッシュボードに装備された警告灯に関して説明します。

“イディオット ライト (Idiot Light)”の意味:
ダッシュボードに装備されている警告灯(ウオーニングライト)の事を英語では“イディオット ライト”とも呼びます。 “イデイオット”とは馬鹿、マヌケ等の意味で、例えば油圧警告灯や充電警告灯は単に点灯するだけで、量(十分な情報)は提供して呉れない為にこの名で呼ばれます。 

タイプ2又はタイプ3の“オートパーク”が装備されている(16,000ポンド以上)1994年-2007年のGM/シボレー/ワークホース製モーターホームのダッシュボードにもこの “イディオット ライト”が付いています。 

“オートパーク”の “イディオット ライト”の機能:
“イディオット ライト”を点灯させるスイッチは2個あります。
スイッチ1はアクチュエーターの後ろに付いていて、油圧が500 psi以下に下がりますとこのスイッチが“オートパーク”の “イディオット ライト”を点灯させます、即ち油圧がゼロ‐500 psiで点灯します。 このスイッチは機能をしていてもいなくても走行には影響しませんが、若しショートを起こしてフューズが切れますと“オートパーク”が作動して、走行中でしたら急ブレーキが掛かって仕舞います(稀の様です)。
スイッチ2(“RGS”)はポンプに付いていて、1200 psi以下になりますとポンプを作動させて、同時に“オートパーク”の “イディオット ライト”を点灯させます。

“オートパーク”の “イディオット ライト”の意味:
従って、スイッチ1は油圧が500 psi以下(異常)に下がりますと“イディオット ライト”を点灯させ、そしてスイッチ2(RGS)が1200 psi以下(正常)に下がりますと(油圧ポンプを作動させると同時に) “イディオット ライト”を点灯させますので、“オートパーク”の “イディオット ライト”は“オートパーク”が正常に機能している時も油圧が下がって異常を起こした時も点灯します。
更に、スイッチ1が典型的な故障を起こした場合、スイッチ2(RGS)の如何に拘わらず“イディオット ライト”は点灯し続け、スイッチ2(RGS)が典型的な故障を起こした場合も、スイッチ1の如何に拘わらず“イディオット ライト”は点灯し続けます。

注意:
“RGS”と全く同じ形状で色が異なるプレッシャースイッチが3種類あります。 それぞれのGMの部品番号は次の通りです。
スイッチ1(RGS):  GM15961566緑 又はGM15034355 茶
スイッチ2:  GM10218778 グレー

既にご存知の通り、プレッシャースイッチは異なる油圧で作動しますので同じ機能をするスイッチと交換をする必要があります。 即ち、ポンプには緑色、又は茶色のスイッチを使用、アクチュエーターにはグレー色を使用する必要があります。

“オートパーク”の “イディオット ライト”の問題の解決法:
と言う訳で、“オートパーク”の “イディオット ライト”が点灯した場合は果たして正常か、其れとも異常かは分かりませんし、それぞれの回路を調べて、何れのスイッチが“イディオット ライト”を点灯させているかを特定しなければなりません。  

ロジャー(Oldusedbear)に依りますと、約$20(2500円)程度の部品代で3個のマジックライトシステムに改造すれば、“オートパーク”が正常に機能しているか異常かが判断出来る様になり、この作業はDIYにはそれほど難しくは無いそうです。  次のサイトに詳しく説明がされています。
http://www.rvautopark.com/wp-content/uploads/2013/09/THE-IMPROVED-3-LIGHT-GENIE-LAMP-ACCESSORY_rev1.pdf

“オートパーク”の故障  その3.  “RGS”、並びにタイプ2/タイプ3の構造

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今回も“Oldusedbear”の説明を主な情報源として書きます。
http://www.wolfswords.com/motorhome/auto_parking_brake/PUMP%20MOTOR%20SWITCH..RGS...replacement.pdf

“RGS”の意味:
“RGS=Rotten Green Switch” (写真上左)とは“厄介な緑色をしたスイッチ”と言う事で、“オートパーク”の多くの故障はこの“RGS”が起因しています。

タイプ2/タイプ3の構造(写真上右):
先ずは、“RGS”が故障原因となる理由を理解する為に、“オートパーク”のタイプ2、タイプ3に構造を簡単に説明します。
タイプ2とタイプ3には基本的に“オートパーク”専用のポンプ、アクチュエーター(シリンダー)、リザボー(オイルタンク)、そして“RGS”が存在していて、此の“RGS”が油圧を一定の範囲に維持します。 

普段、トランスミッションのシフトレバーが“P”(駐車)の状態ではアクチュエーター内の油圧は低くてスプリングの強い力がケーブルを引っ張ってパーキングブレーキが作動した状態ですが、シフトレバーを“P”以外に移動しますと、ポンプが作動してアクチュエーター内の油圧がスプリングを圧縮してパーキングブレーキが解除の状態になります(写真中左)。  この際、油圧が1200 psi以下の場合はポンプが作動し、1600 psiに達しますと電源が切れてポンプは停止します。

“RGS”の構造:
“RGS”の内部には意外と多数のデイスク状の部品が入って居り、次のサイトに写真と共に理解し易く説明されています。
http://www.oemys-performance.com/j71autopark.htm#apversion

“RGS”の故障の過程:
“RGS”に掛かる圧力は1600 psi、家庭の水道の蛇口付近の約20倍の高圧の為、スイッチ内部でオイル漏れが発生しますと電気的な誤作動が始まり、その後オイルは徐々に外部に漏れ出し、更に状態が悪化しますとタンク内のオイルは無くなり、アクチュエーター内に十分な油圧が伝わらなくなればパーキングブレーキは解除出来ない状態になります。  走行中にパーキングブレーキが引きずりを起こす場合も在れば、パーキングブレーキが急に作動してしまう場合もあり、この様な状態ではダッシュボードの警告灯が点灯したり、点滅をする状態の筈です。

“RGS”の付近にオイル漏れ(写真中右)が確認されれば早目に“RGS”の交換をする必要があります。

“RGS”交換部品:
GM製のオリジナル部品は現在も販売されており、ACDelcoの部品番号は15961566で、アメリカに於いては$40-$60で販売されている様です(正価は$100前後?)。

“RGS”交換の際の注意:
“RGS”が取り付けられているアルミ製のアダプター(写真下左)は柔らかい材質の為簡単にねじ山が壊れる為、“RGS”をねじ込む際は2本のレンチを使用し、1本のレンチでアダプターが回らない様に押さ、更に“RGS”が必要以上に強くねじ込まない様に注意する必要があります。

ロジャー(“Oldusedbear”)はアルミ材の代わりにスチール材を使ってこのアダプターを製造していましたが、1個のアダプターを製造に2時間掛かる為、製造を中止したそうです。 

“オートパーク”の故障  その2.  “オートパーク”の機能

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1989年-2007年のGM(シボレー)又はワークホース製シャシーを使用した多くの大型クラスA モーターホームには“オートパーク”が装備されています。 

“オートパーク”の機能:
一般的に、自動変速機が装備されている車(乗用車、バン、トラック)のシフトレバー(プッシュボタン)をパーキング(P)に入れますとトランスミッションに付いているギヤーに爪が入り、ドライブシャフトが回転出来なくなり、パーキングブレーキを掛けなくても車が動かない状態になります。 しかし、重量の大きいクラスA モーターホーム(GVWR 16000ポンド以上)にこの方法を採用しますと爪が折れたり、その他の理由で問題が起こる可能性が考えられ、トランスミッションの回転を止める装置は付いて居ません。 その為、シフトレバーをパーキングに入れてパーキングブレーキを掛け忘れて車を離れる場合を想定して(?)、シフトレバーをパーキングに入れますと自動的にパーキングブレーキが掛かる装置が“オートパーク”です。 

“オートパーク”の種類:
構造上、大きく分けて三種類あります。
• タイプI システム  1989年 - 1994年 (写真左)
パワーステアリングの油圧を利用して、“オートパーク”が機能しますが、フットペダル式パーキングブレーキも兼ね備えていて、ドライブシャフトに取り付けられたブレーキドラムを締め付けます。 

• タイプII システム  1994年 - 1998年 (写真右)
パワーステアリングの油圧の利用の代わりに、 “オートパーク”専用の電動油圧ポンプとオイルタンクが装備され、タイプIと同様にパーキングブレーキ用フットペダルも装備されています。

• タイプIII システム  約1998年 - 2007年 (写真右)
タイプII同様に専用電動油圧ポンプが装備されていますが、タイプIやタイプIIと異なりパーキングブレーキ用ペダルは無く、その代わりにダッシュボードに黄色いプッシュ/プルタイプのパーキングブレーキ用つまみが付いています。

以上が“オートパーク”の種類ですが、中にはタイプIでありながらプッシュ/プルタイプのつまみが付いて居たり、その他“オートパーク”を装備しながら乗用車同様のトランスミッションロック機能が付いて居る例外もあるそうです。 

従って、“オートパーク”が装備されているRVにお乗りの方は、先ずはどのタイプの“オートパーク”が装備されているかを知る必要があります。

“オートパーク”の問題点:
タイプIIやタイプIII、即ち専用のポンプを装備している“オートパーク”はタイプIに比べて問題(故障)が多く、パーキングブレーキが解除出来なくなって動けなくなったり、反対にパーキングブレーキが作動しなくなったり、その他ダッシュボードのパーキングライトの点灯等の問題が多数報告されています。 原因は幾つかに限られていて、ロジャー(“オートパーク”のエクスパート)に依りますと、ある程度の機械知識があれば簡単に修理が出来るとの事です。

次回は“オートパーク”に関する故障原因の種類を説明する予定です。 恐らく、故障が起こる前のメインテナンスや、必要予備部品の必要性の判断に役立つと思います。

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フォード 7.3 パワーストローエンジン バッテリーに関して

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ネットキャンパーのメンバーから7.3 パワーストローエンジンを搭載したRV(E350)のバッテリーに関して、2個搭載している理由の質問がありましたので、説明します。

上の配線図にバッテリーが表示されていますが、2個の12Vのバッテリーは並列に接続されています。 従って、エンジン(シャシー)には24Vは使われて居らず、スターターモーターも12Vです。

デイーゼルエンジンを搭載している車に2個のバッテリーが搭載されている理由は、高圧縮比のエンジンを回転させる為やグロープラグに電気が消費される為、即ちクランキングパワーと容量を大きくする為です。 

更にバッテリーは温度に敏感で、気温が低いとバッテリーの内部抵抗が増し、クランキングパワーは下がり、当然容量も下がりますので、冬季や寒冷地でのバッテリーの役割は非常に重要で、少なくともオリジナルと同等のクランキングパワーを有するバッテリーと交換する事をお勧めします。

大きなエンジンを搭載している大型トラックはE350 (パワーストローク)より更に大きなバッテリーを搭載し、4個のバッテリーを搭載している物もあります。  

参考:
デイーゼルトラックのフォーラムに依りますと、7.3 パワーストローク車には全て2個のバッテリーが搭載されていて、年式に依って異なるのかも知れませんが、助手席側は小さなバッテリーの車も在れば、2個が両方共750CCA、850CCAも在る様です。 スペースに余裕があれば大きな(850CCA)バッテリーを2個搭載した方がバッテリーに負担が掛からず、長持ちします。  スターターバッテリー(自動車バッテリー)は、デイープサイクルバッテリーに増して、電圧を下げますと寿命を大きく短くします。


次のサイトにフォード 7.3 パワーストローエンジン に関する有益な情報が出ています。
http://www.powerstrokediesel.com/docs/00_73L_DIT_Coffe_Table_Book.pdf

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暫く振りの立ち往生 - バッテリー交換

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用事を済ませて駐車場に留めていた車に戻り、エンジンを始動させようとした所、スターターモーターは弱々しく回る状態で、その後直ぐにリレーが振動音を発し、回転しなくなりました。 

時間的な余裕がありましたし、車が殆ど駐車して居ない大きな駐車場内での出来事でしたので、故障時に感じる不安な、嫌な気分にはなりませんでした。

車の、此れまでの状態から見てバッテリーの寿命である事はほぼ間違い無いと即座に感じ、普段ですと家内にジャンパーケーブルを持って来る様に電話をするところでしたが、家から遠い場所の為に家内を呼ぶ訳にも行かず(鍵を抜かずにドアーをロックして、家内を呼んだ事が3回ある)、AAA(アメリカン・オートモビル・アソシエーション = 日本のJAFと同等)に電話をして、来て貰う事に即決しました。 

AAAのカードを取り出して電話をするのは約25年振りです。 AAAカードには“34年間AAAメンバー”と記されていて、昔、仕事からの帰りにエンジンが掛からず、AAAに電話をして牽引して貰った事が思い出されましたが、それが唯一です。 AAAの牽引は、修理工場、又は自宅までの約10Km以内は牽引無料ですが、25年前のその時は修理場(ガソリンスタンド)まで牽引して貰うと、嘘の様にエンジンは一発でスタート、何も無かった様に家に帰る事が出来ました。 トランスミッションのスイッチの故障で、調整、又はスイッチの交換をしたと思いますが、どの様に修理をしたかは記憶にありません。
  
20分程待つとレッカー車が来て、先ず平らな工具箱の様な箱にジャンパーケーブルが2本付いているバッテリーテスターをバッテリーターミナルに接続、次に、テスターを接続した状態でエンジンスタート用のバッテリーを接続、エンジンは直ぐに力強くスタートしました。
テスターにはプリンターが内蔵されていて、上に表示しましたテスト結果がプリントされました。 
左上: 時刻、作業番号、作業員のID,VIN、車名、純正バッテリーのCCA
右上: バッテリーのテスト結果で、11.65V、171CCA(実際は640CCA),バッテリーの交換を推薦 (参考: 容量の171CCAはバテリーの充電量、即ち電圧には関係無く示される値だそうです)
左下: クランク時のバッテリー状態 (電圧、電量、秒数)
右下: 充電システム(オールタネーター)の状態 - 正常

今回の車は2004年型のトヨタのミニバンで、約11年経て居ますが2.5万マイル(4万Km)しか走っていません。 バッテリーは2年半前に交換しています。 主に遠出をする時に使い、近所の買い物等には殆ど使いません。  時々エンジンを掛ける様には心掛けて居ますが、1ヶ月以上乗らない事は珍しくありません。  あっては成らない事なのですが、バッテリーの電圧を下げ過ぎて仕舞ってエンジンがスタート出来なかった事が2-3度ありました。 明らかにその事が影響して、バッテリー容量は下がって仕舞って居ると、以前から予想をしていました。

エンジンが掛かった後、家に直行、工具箱(10mmレンチだけが必要)を積んでバッテリー販売店に向かいました。
使っていたバッテリーは3年間は無料交換保証、その後は1年毎に払い戻しの額が少なくなる規約ですが、今回は2年半の使用でしたので全額を払い戻して呉れました(消費税や処分費の$15も含む)。 今迄と同じバッテリーを購入すれば無料でしたが、今までの640 CCA(Cold Cranking Amp)に対して少々大きな700 CCA(縦横の長さは同じ、1cm程度高い)を購入した為、$9支払いました。

バッテリー、その他保証付きの品物は往々にして保証期間を過ぎてから故障を起こしますが、今回は全額戻って来ました。 非常に得をした感じになりました。

エアコン用ガス(リフリジラント)充填   その2

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エアコンガス(134a)の充填の方法に関して最低限知っておくべき事を書きます。 R-12が使用されているシステムは部品交換無しには134aを充填出来ませんので注意して下さい。

エアコンシステムには高圧側と低圧側:
システムには高圧側と低圧側があり、車に装備されたACコンプレッサーでガスが圧縮される高圧側には低圧側に比べて細い配管が使われていて作動中は温度が高くなり、逆に膨張する低圧側の配管の温度は冷たくなります。 それぞれの配管にはガスの圧力を調べる事が可能なサービスバルブが付いていて、低圧側のサービスバルブは高圧側に比べて多少小さく、高圧側と低圧側の接続を間違えない様になっています。  

参考:
134aのサービスバルブとR-12のサービスバルブのホース接続ネジは異なり、異なるガスは注入出来ない様になっています。

エアコンガス(134a)充填器具(圧力ゲージ):
エアコンガスの充填は低圧側のサービスバルブから行い、充填するガスの量は低圧側並びに高圧側のガスの圧力をモニターしながら専用の充填器具を使って行います。 
https://www.google.com/search?q=google&hl=en&biw=1116&bih=579&tbm=isch&source=lnms&sa=X&ei=mmeEVYaVJ8zxoATJzLKQCw&ved=0CAcQ_AUoAg&dpr=1.5#hl=en&tbm=isch&q=AC+test+gauges

エアコンガス(134a)充填前の確認:
ガスを充填する際はエンジンを回転させてエアコンのスイッチをオンにし、ファンを最高回転に設定する必要があり、コンプレッサーのクラッチがエンゲージし、コンプレッサーが回転している事を確認する必要があります。 コンプレッサーのプーリーが回転していても、前面のクラッチデイスクがエンゲージしておらず、回転していない場合はフューズ、配線、ACスイッチの問題の可能性や、又はガスの量が少なくてシステムが最小限の圧力に達していない可能性もあります。

参考1
長期間エアコンを使用していなかったり、ドライヤーを交換したり、その他の部品を交換したりしますとガスが抜けてシステムに空気が入って仕舞っている場合があります。 この様な場合はバキュームポンプを繋げてエアー抜きをし、-14.7psi近くに下げた後でガスを充填する必要があります。

参考2
エアコンのシステムにはガスの他に潤滑オイルが入っています。 システムの修理や部品の交換をした際は、潤滑オイルの減りに応じて、134aにはパグオイルと呼ばれる潤滑オイルが必要で、此れはR-12システムの潤滑オイル(ミネラルオイル)とは異なります。

エアコンガス(134a)充填:
上に紹介した様なゲージ付き器具を使用して、低圧側/高圧側の圧力を確認しながら低圧側から充填を行います。 充填するガスの量はゲージに示される両圧力で判断しますが、その圧力は外気温によって異なります。 

私が行う際は、上のゲージ付きAC専用器具のホースを低圧側と高圧側に取り付け、更にガス(134a)の入った缶を取り付け、ファンを最高に設定して、エンジンの回転数を少々上げて(1200RPM前後)ガス充填を始めます。 外気温に依りますが、低圧側のゲージが30psi-45psiに達しますとガスが入っても圧力は一定を保ち、それに反して高圧側の圧力は上昇を続けますので、高圧側が210psi程度で止めます。 余りガスを入れ過ぎますとコンプレッサーに負担が掛かり振動を起こしますし、ガスが十分に膨張出来ない為に冷却効果も下がります。

ゲージ付きガス充填専用器具が無い場合は市販のゲージ付きガス缶を使用する事が可能です。  この場合、高圧側の圧力が分かりませんので入れ過ぎに成らない様に気を付ける必要があります。 低圧側の圧力が30psi-45psiに達した後、一定圧力を保持し始めたところで止めると良いでしょう。
https://www.google.com/search?q=google&hl=en&biw=1116&bih=579&tbm=isch&source=lnms&sa=X&ei=-YeEVcWiPNThoASkv5zYAg&ved=0CAcQ_AUoAg&dpr=1.5#hl=en&tbm=isch&q=R134a+refill+kit

注意:
ガスは高圧であると同時に、非常に冷たくて皮膚に飛び散ると火傷を受ける危険もありますので、法律に従い、安全面では細心の注意を払って、全ての作業(操作)を理解した上で行って下さい。

エアコン用ガス(リフリジラント)充填   その1

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今回の書き込みは日本に於いては果たして役立つか分かりませんが、何れにしても法律に従い、安全な方法で行って下さい。

ガス充填の必要性:
ダッシュボードのエアコンのファンが回っても冷たい空気が出なくなった場合はガスが抜けた事が考えられます。  当然、コンプレッサーが機能をしなくなったり、電気的接触不良、その他も考えられますが、冷却ガス(リフリジラント)が抜け出して僅かになっていたり全く入っていない事に比べて稀だと思われます。

最近の車のエアコンはガス漏れが起こり難くて長期間正常に使用出来ますが、以前は5年程度経つとガスの充填が必要な車もありました。 私が現在使用しているRVは配管の注入口近くの配管エルボウ(90度に曲がったアルミ管)にヒビが入って居り、新品に交換して漏れが止まりましたが、現在は2-3年に一度程度でガス圧を確認し、必要な場合は少量のガスを足しています。

リフリジラントの種類:
以前はR-12 と呼ばれるフレオンガスが使用され、このガスはオゾン層を破壊するとの事で1990年代中頃に使用禁止になり、その後はR134a(134a)と呼ばれるリフリジラントが使われています。 両者とも同じ様な缶の容器に入っていて、現在、R134aは自動車部品店やホームセンターで販売されていて簡単に手に入ります。 

R134a は1990年の後半は一缶$4前後で売られていましたが、その後急速に値上が上がりして$10を超え、更に5年程度前からカルフォルニア州では購入する度に$10の缶代を支払わされて、使った後の空缶を購入した店に持って行くと$10を返却して呉れます。
https://www.google.com/search?q=R134a+refrigerant&biw=1297&bih=666&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=0CAgQ_AUoA2oVChMIlZS3jt-QxgIVRS-ICh3Ieg4u&dpr=1

R134aは種々の機能を持った缶、即ち注入が簡単に出来る様に注入ホースが付いていたり、圧力ゲージ付き、オイル入り、漏れ防止剤入り等が販売されていて、大きさも種々あります。 

リフリジラントの選択:
自動車メーカー又はモデルに依り異なりますが、1992年-1993年前後にリフリジラントがR-12 から134aに移行し、それまでのR-12 リフリジラント用のエアコンシステムにはR-12 を使用する必要があります。 134aとR-12 を混ぜて使用しますと凝固や分離を起こして圧力が上がりコンプレッサーを壊す原因になり、又、両システムに使用されている潤滑油は異なり、ドライヤーが機能しなかったり、シールを痛めてリフリジラントの漏れにつながります。 

R-12 システムが装備されている場合は134aシステム用の部品に交換した上で134aリフリジラントを使用する必要があります。 

リフリジラントが変更されて以後数年間、スオップミート等でR-12 が販売されていた非常に高価なR-12 を暫く使用した思い出があります。 又、R-12 システムにも134aシステムにも使用可能な特殊リフリジラントが販売されていた記憶があります。

重要な事は1993年型前後の車の場合はリフリジラントタイプがR-12 か134aであるかを確認する事が必要です。 RVの場合はRV自体が、例えば1995年型でもシャシー(エンジン)は1年前又は2年前の可能性もあり、R-12システムの可能性が大いにあります。

次回は134aリフリジラントの充填方法に関して書く予定です。

計量の重要性、計量方法:

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自動車メーカーが許容重量を設定して充分な積載重量がある車を製造しても、キャンピングカーに改造しますとGVWが許容重量をオーバーする可能性は非常に大きくなります、キャンピングカーに改造すること事態で重量は増しますしキャンピング装備を考えますとGVWは相当大きく成りますが、許容重量は一定です。 重量オーバーをすればRVの故障にも繋がりますし、操縦性も悪くなりますし、何より事故が起こる可能性が高くなり、危険な状態になります。 後ほど書きますが、直進性(フラツキ)の問題は前後の重量配分が大きく影響します。

GVW(総重量)、即ち全ての乗客、装備、荷物等を積んだ走行状態の重量は非常に大切で、正確なGVWを知る唯一の方法が計量です。 重量オーバーをしていないか(許容重量を超えて居ないか)や、適正タイヤ空気圧を知る上でGVWは不可欠です。 何事も一度知れば簡単なのですが、アメリカのRVフォーラムでもRVを始めて間が無い人が計量場所や方法に関してよく質問しています。 以前にも書いたと思いますが、今回は再度計量に関して書きます。  

計量する際の準備:
RVの重量は乗用車とは異なり、積載する装備、燃料の量、フレッシュタンク(飲料水)/グレータンク(台所、風呂)/ブラックタンク(トイレ)の量に依って変化しますので、基準となる最大数値を知る必要があります。 それには必要と思われる全ての装備を積み込み、燃料とフレッシュタンクを満タンにして計量します。 グレータンクとブラックタンクはフレッシュタンクと相反関係にあり、一方が増せば他方は減りますので、空の状態が現実的だと思います、 
将来積載量に大きな変化が起きた場合の適正タイヤ空気圧もこの基準数値を加減して算出に使用出来ます。

計量機器:
最も一般的な機器は、トラック等が乗って計測出来る大型計量盤(写真上左)ですが、ポータブル計量器(写真上右)もあります。http://www.scaleline.com/truck_scales.htm

計量場所:
アメリカではトラックストップと呼ばれる広い駐車場所を持つトラック専用のガソリンスタンドに計量盤が設置されていて、恐らく、之が一番簡単で、$10(?)払えば誰もが心配無しに直ぐに計量出来ます。 他にも色々あります。
• RVの集会
FMCA(Family Motor Coach Association)やGood Sam等が主催する大きなRVの集まる場所で簡易計量器(写真上左)が設置されています。
• トラック・ウエイ・ステーション
高速道路には営業トラック専用の計量場所(道路使用税計算が目的?)がありますが、トラックの量が少ない空いて居る時に計量が可能との書き込みをRVフォーラムでよく見ますが、私は利用した事がありません。 無料の様ですが、多くの場合はトラックで混雑しています。
• 無人トラック・ウエイ・ステーション
カナダで時々見ますが、一種のトラック・ウエイ・ステーションで、計量盤と数値を示す電光掲示板が在って、乗れば重量が表示され、無人で、当然無料です。  多くの場合誰も居ませんし、居なければ自由に何度でも測定が可能です。
• 金属解体/石材/建築材料等を扱う店
日本では二箇所の金属解体業者で計量盤を見た事があります。 一箇所は次のサイトで説明をしましたが、この場所では1000円で左右、前後を計量して呉れると話して居ました(4-5年前)。  http://www.net-camper.com/cgi-bin/rv-ken/diarypro/diary.cgi?no=120
他にも探せば在ると思われますので、見付けた方は場所を交換し合っては如何でしょう?

計量例:
計量盤を使った計量が実際にどの様に行われるのかYoutubeにありますので参考に為さって下さい。 この場合はトラックストップですので、3個の計量盤が繋がっていて、一度に3点を計量出来る様になっています。  https://www.youtube.com/watch?v=ixK9BTAXqyY

計量結果は印刷されて手渡されます(写真中左右)。 写真は2001年と2006年の計量結果で、フレッシュウオータータンクをオリジナルの52ガロンサイズ(計量時満タン)から40ガロンサイズ(計量時満タン)の小さいタンクに交換したにも関わらず、重量が980ポンド増しています。 数値は左から、前輪、後輪、トウド、の重量です。

参考:  直進性問題を重量配分で解決
購入当初操縦安定性が悪く、前輪アライメント調整(キャスタ―4度/4.5度‐7度/7.5度、トーイン/トーアウト2度―-2度、種々変更)、タイヤ空気圧を変更、ハンドルの遊びを極限まで無くして硬いと思われるまで調整、異なるデイーラーにも持ち込みましたがどのデイーラーからも正常だとの答えが戻って来ました。 
燃料タンクが前方にあり、満タンにすると操縦性がよくなる事に気が付き、前輪が軽過ぎると判断、フレッシュタンクが最後尾にありましたのでタンクを空の状態で走った事もありましたが、最終的に後輪の後ろにあったタンクを取り出して前方に新しいタンクを取り付けました(後部のタンクはドアーより大きい為にタンクを切って取り出す)。 改造前は風が少しあれば蛇行をし、大型トラックに追い越される際はハンドルを左右に大きく切って車体を真っ直ぐに保つのが大変、常に両手でハンドル握って運転をしていましたがこの改造後は全ての状況で片手で快適に運転が出来る様になりました。 キャスターを規定の設定に戻すべきなのですが、運転が快適、タイヤの磨耗は均一で、前輪のタイヤ磨耗は後輪よりも少ない(写真下)ので其のままの状態で使用しています(6本共TOYOタイヤで同時に交換)。  尚、現在の重量配分ですと、前輪/後輪全ての最適タイヤ空気圧が78psiです。  補足: 調べた結果、タイヤは2010年8月19日に交換しましたので、交換後4年半が経過、約4万Km走行しています(時間の経過が早い!)。

計量数値:
上に表示した計量数値は改造前と後で、2001年の重量(写真下左)は前輪が6200Lbs、後輪が13420Lbs、合計19620Lbs、前輪に掛かる重量は全重量の31.6%(燃料が少ない場合は30%?)でしたが、改造後の2006年の重量(写真下右)は前輪が6980Lbs,後輪が13700Lbs、合計20680Lbs、前輪に掛かる重量は33.75%です。 その後、2010年にカナダで計量した際は、前輪が3316Kg(7310Lbs)、後輪が6240Kg(13757Lbs)、合計9556Kg(21067Lbs)、前輪に掛かる重量は34.7%で、燃料、液体タンクの量に関係無く安定走行が出来て丁度良い配分だと思われます。 

補足:
計量結果(GVW)から、許容重量(GVWR、GAWR,GCWR)をオーバーしていない事を確認し、更に、この数値とタイヤ空気圧チャートを使って最低限のタイヤ空気圧を算出し、全てをマニュアル、又は車検証と一緒に大切に保管するとよいでしょう。

若し、直進性が悪くて困っている方がいらっしゃいましたら、重量の配分問題、即ち前輪に十分な荷重が掛かっていない可能性が大いにあります。 ホイールベースが短い車やDP(デイーゼルプッシャー)によくある問題です。