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フィルターマインダー

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写真は“フィルターマインダー”と呼ばれる一種のバキュームゲージで、殆どのDP(デイーゼルプッシャー)と中にはターボ付きのデイーゼルを搭載したピックアップトラックにも取り付けられています。

目的:
ターボ付きデイーゼルエンジンは大量の空気がエアーフィルターを通過しますので使用状況に依っては短期間で汚れる場合もありますし、フィルターが汚れて目詰まりを起しますとエンジンの効率が落ちます。 その為、エアーフィルターが汚れて交換又はサービスが必要な時期を知らせる為に取り付けられています。

構造:
写真の上部にゴムホースが取り付けられていて、このホースはフィルターの上流に繋がっています。 透明なケースの中には上下に動く黄色の弁があり、負圧が一定の基準を超すとその大きさで弁が移動する構造になっています。 通常、フィルターがきれいな内は写真の下部(正常)に位置していますが、何らかの理由(汚れ?)で負圧が増すと黄色の弁は中央部に移動し、負圧が更に大きくなると赤い部分に移動してその場に留まり、フィルターの交換又はサービスを促します。 透明ケースの下部にはゴム製のデイスクがあり、黄色いデイスクが通常の位置(下部)から移動している場合にはこの部分を押すとリセットされて正常の位置(下部)に戻ります。

黄色い弁の移動:
当然ですが、エアーフィルターが汚れて目詰まりを起せば黄色の弁は頻繁に上部に移動します。 しかし、黄色の弁は負圧で移動しますので、大きな負圧になり難い状態で運転をすればフィルターマインダーは常に正常を示し、反対に大きな負圧になり易い状態で運転をすれば異常を示す事を知って於く必要があります。 即ち、急な上り坂では速度を落としたりシフトダウンしてエンジンに負担を掛けない様に運転すればフィルターが少々汚れていてもフィルターマインダーは異常を示さないかも知れません。しかし反対にアクセルを一杯に踏み込んで上り坂を高速で走ったり、重いトレーラーを牽引してエンジンに負担を掛けるとフィルターがきれいでも異常を示す場合もあります。 又、雨降り等で空気が湿って居る時も同じです。 ネットの書込みに依りますと、あるメーカーのフィルターは目が細かい為に新品でもチョッと無理をすると黄色い弁は赤の部分に移動するそうです。

結論は、マインダーの弁が少々移動しても、運転状態を考慮してそれ程神経質になる必要も無いと思います。

参考:
フィルターマインダーは逆さまに取り付けても使用可能です。

タンク内燃料ポンプに関して

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引き続き今回の説明も1988年-1998年までのF53 モーターホームシャシーに装備されている燃料ポンプ、即ち460cuin(7.5リットル)でフューエルインジェクションエンジン用です。 

RVフォーラムでの書き込み、特にフォードのタンク内燃料ポンプの様に多くの人が経験している問題に関する書き込みを多数読みますと症状、解決法、部品の良し悪し等に方向性が浮き上がって来ます。 

ターバイン型タンク内ポンプ:
フォードの第三世代の改良型ポンプ、即ちターバイン型タンク内ポンプは故障し難く、このポンプに交換した人は再度故障をしていない様です。 “ターバイン型に交換してから未だ故障をしていない”や“必ずターバイン型ポンプの購入を推薦する”の書き込みが多数あります。 

しかし、タンク内ポンプを2度も3度も交換している人も居ますが、それらはターバイン型ポンプでは無いのかも知れません。 修理工場(デーラー?)でタンク内ポンプを交換し、短期間で故障したポンプを保障で無料交換した例もありますが、これも果たしてターバイン型であったかは書き込まれて居ません。 

代替ポンプの種類:
前回書きましたフォードのTSB(Technical Service Bulletin)に表示されていたタンク内燃料ポンプの部品番号はF6PZ-9H307-DAでしたが、現在はこの部品番号に代わってF6PZ-9H307-DBが使用されて居るようです。 何れにしても両部品番号はターバインタイプの燃料ポンプです。 

フォードF53(460エンジン)用のタンク内燃料ポンプは社外品を含め、様々価格のポンプが出回っています、即ち、Motorcraft、Airtex、Delphi、Bosch、ACDelco、Spectra等が製造している様です。 価格を考慮して果たしてどの部品が良くて、どの部品(メーカー)を避けるべきかを決める事は非常に困難ではありますが、タンク内ポンプの交換は非常に大変な作業(取り付け費用が高い)ですし、旅行先で再度故障が起こる事を考慮しますと堅実的な選択が望ましいかも知れません。   

フォード公式サイトに示されている部品番号はF6PZ9H307DA(F6PZ9H307DB=改良型)、Motorcraftの部品番号はPFS48ですので、これらの部品番号が付けられたポンプを購入すれば無難と思われます。

参考1:
あるRVerはデーラーから購入するか、価格の低いAirtex製をネットで購入するか迷った挙句、デーラーから購入し、家に帰ってMotorcraft製の箱を開いたところ中のポンプはAirtex製であったそうです。 即ち、フォードデーラーの販売するポンプはMotorcraft製の箱に入っていて、中身のポンプはAirtex製の様です。 Airtexは非常に良い製品を製造するとの書き込みも幾つかありますが、Airtex は種々のポンプを製造していますのでターバインタイプである事は勿論、上に記した部品番号に関連したポンプである事が大切です。

参考2:
Motorcraftのタンク内ポンプ(部品番号PFS48)の説明には興味深い事が記されています。 即ち、品質や耐久性が良い事と一緒に、“温度が高くなった燃料に対する機能が抜群に良い”と記されています。

Motorcraft PFS48 Motorcraft Fuel Pump F6PU9H307DB, F6PZ9H307DB
Motorcraft PFS-48 Fuel Pump MOTORCRAFT FUEL PUMP MODULE ASSEMBLY NEW -- Electric Constructed using stringent OE testing and durability specifications Its flexibility and rugged design delivers an efficient and long-lasting performance Has a quiet and reliable operation and exceptional hot fuel handling capability Features efficient single-stage turbine design exacting flow rate and operating pressure precision-balanced armature for low noise and vibration and exacting check valve design-outlet fitting configurations to meet specific vehicle application requirements and applications.


次回は補助ポンプ(インライン燃料ポンプ)の使用に依る問題解決に関して書く予定です。

フォードクラスA用代替燃料ポンプ (TSB 97-23-9)

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此れまで何回かに分けてフォードのタンク内燃料ポンプの問題(故障)に関して書きましたが、今回はフォード社が発表した代替燃料ポンプに関する公式報告(Technical Service Bulletin 97-23-9 = 写真)を紹介します。

該当車: フォード 1989 - 1997 F53 モーターホーム
タンク内燃料ポンプ: ターバインタイプ
ポンプ部品番号: F6PZ-9H307-DA
配線キット 3ピン用: F7PZ-9A213-BA
配線キット 4ピン用: F7PZ-9A213-CA

注意: 製造年月日でコネクターのピンの数が異なりますので配線キットの選択には注意が必要です。 此れに関しては写真左下の部品番号と部品の説明を参考にして下さい。


補足1: 
1988年以前のフォード460エンジンはキャブレータータイプで、又、1998年以降はフォードV10 エンジンに変更になっていますので、従って、該当車はフューエルインジェクションタイプの460エンジンとなります。 

補足2:
RV会社はシャシーをまとめ買いをしますので2-3年が経たシャシー使用のRVを新車として販売する場合もあります。 即ち、1991年型のRVにキャブレーター型フォード460エンジンが搭載されている場合もありますので、その場合はこの公式報告には該当しません。 反対に1999年又は2000年でも該当する場合も考えられます。


参考:
デーラーでポンプを交換した場合の作業時間は1.6時間、即ちタンクを下ろしてポンプを交換し、更にタンクを戻して完了するまでの作業時間が約1時間40分と記されています。

トランスファーポンプとフューエルフィルターに関して

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DPのエンジンが始動しなくなったり、走行中にエンジンの回転数が上がらなくなったりした場合、RVフォーラム等でよく原因として話題になるのがトランスファーポンプとフューエルフィルターです。

トランスファーポンプに関して:
トランスファーポンプはデイーゼルエンジンの燃料ポンプです。 デイーゼルエンジンには2個の燃料ポンプ(Cumminsエンジン)が付いていて、人に依って異なる呼び方をしていますが、フューエルポンプと呼ばれる燃料ポンプはインジェクションポンプの事を指し、燃料を電動でインジェクションポンプに送る燃料ポンプはトランスファーポンプと呼ぶのが一般的の様です。

トランスファーポンプはエンジン(Cummins)の横に付いていて、イグニッションキーをオンの状態にしますとこのポンプは約30秒ほど振動音発して自動的に停止します。 若し振動音が聞かれない場合はこのトランスファーポンプが壊れていると見て間違い無いでしょう。 私は旅行中にエンジンが掛からなくなり、この方法でトランスファーポンプが異常と見て交換し、問題解決をした事があります。既に少なくとも2回交換していますし、壊れ易い事を知っていますので常にスペアーを携帯しています。

トランスファーポンプが壊れてもエンジンは回転を続け、力は無くても走行を続ける場合も有るようですが、そのまま走行を続けるとインジェクションポンプを駄目にする可能性が高く、壊れた場合は高価です。 トランスファーポンプは$200以下で交換はそれほど大変ではありませんが、インジェクションポンプは$3000(?)で、交換も大変(高価)だと思います。

トランスファーポンプ交換:
交換をする際は当然ながら燃料漏れを起こさない様にしなくてはなりません。 バンジョーフィッテイングと呼ばれるポンプの両サイドコネクターには漏れ止めの薄いワッシャー(銅製も有りますが、低圧の場合はペーパー製も多い)が2枚づつ付いていますので、落とさない様にする必要があります。 新品ポンプと一緒に来ない為、古いワッシャーを大切に扱うか、新品を購入して交換する事を考慮する必要があります。 又、手が届き難い所にありますので、慎重に行わないと隙間から空気を吸い込み、エンジン不調の原因ともなり兼ねません。 取り付け完了後はイグニッションキーをオンにしてポンプが振動音を発する事と漏れが無い事を確認する必要があります。

フューエルフィルター:
エンジンが不調であったり、高速走行が出来ない理由がフューエルフィルターに起因している場合も少なくありません。 最近も話題になっていましたが、何らかの理由で汚れた燃料がタンクに入りますと走行中にフィルターは詰り、エンジンは徐々に不調になります。 フィルターを交換して正常に戻ってもしばらく走ると同じ様にエンジン不調状態になるのが一般的なこの種の問題で、フィルターを4-5回交換しないと元の状態には戻らないと書いている人も有ります。 デーラーや修理工場ではフューエルフィルターを交換すると同時にタンクから燃料を全て抜いて新しい燃料と交換する方法です。 常識的に考えて満タンにした後起こる可能性が大きいので、満タンが400リットル、500リットルの場合は$400から$500の燃料を捨てる事になります。

フューエルフィルター交換:
インジェクターノズルの穴は非常に小さいので、フィルターを交換に際はゴミが中に入らない様に細心の注意を払う必要があります。 フィルター交換後はイグニッションキーをオンにしてトランスファーポンプを2-3回起動(1回30秒)させ、運が良ければエンジンが始動します。しない場合はインジェクションポンプに近い部分のコネクターを緩めてトランスファーポンプをオンにしてエアー抜きをする必要があります。

上の写真はトランスファーポンプ、フィルター、並びにバンジョウーフィッテイングに関するものです。 バンジョーフィテイングはその形状が楽器のバンジョーに似ている事からこの名で呼ばれます。 

旅行中にオイルフィルターがどうしても必要に成る事は先ず無いと思いますが、フューエルフィルターは上の様な理由で常に少なくとも一個のスペアーを携帯する事は、デイーゼルだけに限らず非常に大切です。 特に1980年代、1990年代フォードはフューエルポンプやフィルターの問題がRVフォーラムでよく話題になります。


参考: 私も昔ガソリン車で苦い経験をした事があります。 田舎道のガソリンスタンドで給油した際に給油ノズルからガソリンの出が悪くなり、店員(ガソリンスタンドのオーナー?)は無理をして注油をし続けました。 その後走行中にエンジンは不調を起こし、最初は電気系統と思い込んで色々調べましたが、最終的にフィルターにたどり着き、フィルターを交換して何とか家まで帰り、その後徐々に直った記憶があります。 現在は寂れた田舎のガソリンスタンドでは決して注油はしません。

又、ガソリンスタンドにタンクローリーが駐車していてタンクに燃料を補充している時は給油を避けた方が良いとよく言われています。 之は補充する際に、普段は沈殿している不純物が浮き上がっていて燃料と一緒に自動車のタンクに入る可能性がある為ですが、誰か(専門家?、タンクローリーの運転手?)にこの事を話して、その様な事は起こらない様になっていると言われた記憶があります。

ライド-ハイト-バルブ

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ライドハイトバルブはエアーサスペンションの空気流量を制御して車高を調整する目的のバルブで、ライドコントロールバルブ、レベリングバルブ等とも呼ばれます。

ライドハイトバルブの重要性:
• 前回、ドライブシャフトのグリースアップの重要性を書きましたが、ライドハイトバルブもこの事に大きな関係があります。 即ち、DPはドライブシャフトが短い為にライドハイトバルブの調整が僅かでも狂っていますとドライブシャフトとトランスミッション(エンジン)が直線状態から外れ、ユニバーサルジョイントがより厳しく運動する状態に成り、その結果デファレンシャルにも周期的な上下方向の余分な力が掛かりギヤーやベアリングの磨耗、更には振動音の原因となります。

• 車高は(フロント)アライメントにも影響しますので、アライメント調整を行う前にライドハイトバルブの調整を必ずする必要があります。 当然ですが、ライドハイトバルブの調整が狂っている状態では正確なアライメントは得られません。

• ライドハイトバルブ調整は単に車高を高くしたり低くするだけでは無く、左右の傾斜にも影響します。 幾らアライメントが正確に調整されていても、車体が左右に傾斜していますと直進性を失いハンドルを取られる原因になります。

ライドハイトバルブの機能に関して:
ライドハイトバルブはエアーサスペンションを装備した車のエアーバッグ(エアースプリング)の空気圧調整を行い、通常3個のライドハイトバルブが取り付けられていて、前2個後ろ1個もあれば後ろ2個前1個の車もあります。 
ライドハイトバルブは車体に、そしてそのバルブのレバーは車軸の一部に取り付けられて、予め規定された車体の一部と車軸の一部の距離を基準値に保つ働きをします。 即ち車高が下がってエアーバッグが圧縮されて基準値より小さくなればエアーバッグに空気を送りこみ、基準値より大きくなればエアーバッグ内の空気を排出します。


危険: 調整は危険を伴います。 エアーバッグの空気が全て抜けますと車体が下がり人間を潰す結果にも成ります。 調整中に死んだメンバーがいる事がRVフォーラムで報告されていますし、十分に調査をして安全の準備をして行って下さい。 ピット(溝)、4輪を上げるレール構造、その他ジャッキ、ブロック等を使用して事故の起こらない状況確認は不可欠です。

ライドハイトバルブの調整:
既に書きました基準値はシャシーメーカーがシャシーを設計した際に定めた数値で、シャシーメーカーに問い合わせればVINナンバーを元に、測定基準となる場所と数値を教えて呉れます(ウイニベーゴー、フリートウッド、ナショナル、モナコ等のRV会社に問い合わせても分からないと思われます)。
• 基準値を知る
• タイヤ空気圧を基準値に調整する
• 水平な場所に、4輪全てが接地している状態で停める
• エアーシステムが規定の空気圧である事を運転席のゲージで確認する
• ライドハイトを変更をする前に、此れまでのレバー位置をマジックペン等で記しをする
• 少量づつ調整する
• 調整後は車体を揺らして基準値である事を確認する
• バルブ付近の空気漏れと共に、全てのエアーホース(接続点)の漏れが無い事を確認

注意:
• 初めて調整を行う人は十分な知識を得て、安全である事を確認してから行って下さい。
• ライドハイトバルブによっては樹脂部がひび割れを起こしエアー漏れを起こします。 私のバルブは全てひび割れを起こし、順に全て交換しました。
• 全く同じシャシーモデルでも全く異なる(互換性の無い)ライドハイトバルブが使われている事を最近知りました。 代替品購入時はオリジナルを参考にして下さい。 メーカーにより形状が異なり、使用可能な場合もあります。
• 水平取り付けと直立取り付けの違いで、バルブを分解してレバーの位置を90度変更する必要がある場合もあります。

安全第一で、疑問がある場合は専門家に相談して下さい.

排気ブレーキへの注油、並びにドライブシャフトへのグリースアップ

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此れまで排気ブレーキに関して書きましたが、最後に重要な事を書いて排気ブレーキに関しては終わりにします。

排気ブレーキの弁の部分は高温になりますので錆び易く、開放状態のまま錆付いて閉じなくなり、排気ブレーキが機能をしなくなる事があります。 、又高温の為に潤滑油は無くなり易く、潤滑油が無くなれば駆動部分の磨耗も進みます、従って排気ブレーキの要点に定期的に注油をする事は非常に大切です。http://www.pacbrake.com/index.php?page=maintenance-2

一般的に使用されているオイルはシリコンオイルで、排気ブレーキ用として売れれている物も色々あります。 使用量は極く僅かですので一度買えば長年持ちます。 私はエンジンの上の部分に排気ブレーキ専用シリコンオイルを置いていて、エンジンの上の部分のドアーを開く度に注油をする様に心掛けています。


注油で思い出しましたので書きますが、DPには非常に重要な注油箇所があります。 それはドライブシャフトです。 DPには後輪の車軸(デフ)の後ろにエンジンがありますのでドライブシャフトが非常に短くなっています。 従って(フロントエンジンの)一般的な長さの(長い)ドライブシャフトに比べて車が上下に浮き沈みする度に両端に付いているユニバーサルジョイントが激しい運動をし、ユニバーサルジョイント内の潤滑油(グリース)は比較的に短距離で消耗します。 実際にRVフォーラムで、DPのドライブシャフトを駄目にするケースを時々目にします(2年以内の新車の場合もある)。 DP用シャシーの製造会社は5000マイル(8000Km)毎のグリースアップを奨励しています。

グリースアップは定期的に必要なメインテナンスで、道具はそれほど高価なものではありませんので自動車に関する一般的な知識のある方はご自分で為さる事を奨励します。 車の下に潜りますので、その際に車の下の状況を調べる良い機会とも成ります。

注意: ユニバーサルジョイント(ベアリング類)は高温に成りますので、シャシーグリースと異なり高温に耐えるグリースの使用が必要です。 何度も使用出来ますので、少々高くてもシャシーメーカーのマニュアルに記載された規格以上の良質のグリースの使用をお勧めします(私は入手が容易なモービルワンのシンセテイックグリースを使用しています)。

グリースニップルに関して:
• ドライブシャフトをグリースアップする際は、同時にサスペンション部分もグリースアップを行う事になりますので、マニュアルに従って全てのニップルに(忘れずに)グリースの注入をする事が大切です。
• ドライブシャフト両端のユニバーサルジョイントにグリースニップルが付いていますが、このニップルが見付からないとの質問を時々目にします。 必ず付いて居ますし、通常180度の位置に2個付いています。
• ニップルにカバー付いていたり油と泥で見難い場合もありますので指で確認も必要かも知れません。 又、ニップルが抜けていたり折れて無くなっている場合もあります。
• グリースニップルにはストレート、45度、90度等の形状の他に異なるネジサイズ(ピッチ)がありますので、代替品を購入の際は注意が必要です。
• ユニバーサルジョイントの中には一般的に使われているニップルでは無い為に針状の器具(写真上右)での注入が要求される物もあります。

グリースアップに関して:
• ニップルの位置が悪い為に注入が困難な場合は車を少量移動してドライブシャフトを回転させると改善する場合があります。
• ニップルの近くの間隙から古いグリースが少量押し出されるのを確認出来たら注入を止めますが、相当量入る場合があります。
• 古いグリースが数分後に押し出される場合もあります。 ドライブシャフトは回転して付着したグリースを吹き飛ばしますので最後に必ず再点検して余分のグリースを拭き取る事も大切です。 エアーバッグ、ホース等のゴム製品に付着しますと老化を早めます。


ドライブシャフトが短い為に、DPにはもう一つ重要な事があります、それは車高の調整です。 車高が高過ぎても低過ぎてもドライブシャフトに負担が掛かります。 次回はこの事に関して書きます。


若し要望があれば排気ブレーキのトランスミッションとの相性に関して書きます。

排気ブレーキの効力

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オートマチックトランスミッション車である為に排気ブレーキが効力を発揮出来ない場合があります。 此れは排気ブレーキを、DPを購入後に取り付けた場合、即ち後付けをした場合に特に多く起こる問題です。

オートマチックが原因で排気ブレーキが効果を発揮出来ない可能性:
1. トルクコンバーターのスリップ
排気ブレーキが完全に機能していてもトルクコンバーターがスリップをしては車は減速をしません。 DPに装備されている殆ど全てがアリソン製のオートマチックトランスミッションで、殆どのDPが4速、5速、そして6速トランスミッションを使用しています。 ここで問題になるのはどのトランスミッションのコンバーターが排気ブレーキを取り付けた場合にスリップを起こすかです(此れに関しては後ほど書きます)。 

参考: DPに使用されているトランスミッション(アリソン製)は運転者がシフトパッド又はシフトレバーを使ってギヤーを“設定”出来ます、即ち、“D”(ドライブ)に“設定”すれば速度が増せば最終的にトップギヤーに“実際”に入ります。 又、反対に高速走行中に2速に“設定”してもエンジン回転数が高過ぎに成る場合は突然“実際”に2速に入る事はありません、即ちエンジン回転数が高くなり過ぎない様に制御されています。 従って、“設定”したギヤーと“実際”のギヤーがその時点の速度によって異なり、実際にどのギヤーに入っているかは標準装備のDPでは分かりません。

参考: エンジンモニター、例えばVMSpcを取り付けますと設定ギヤー並びに実際のギヤーが表示されます。

2. トランスミッションのシフトダウン
既に書きました様に、排気ブレーキをオンにしますと排気管の弁が閉じると同時にトランスミッションはトップギヤー(6速)から2速(又は4速)に設定され、時速90Km程度で走行中でしたら速やかに4速にシフトダウンされます。 その後、車が減速してエンジン回転数が高過ぎる状態に成らない回転数に落ちる毎に更に3速、2速とシフトダウンします。

参考: 排気ブレーキをオンにしますとトランスミッションは4速又は2速に設定されます。 4速に設定されるか2速に設定されるかはトランスミッションのTCM(Transmission Control Module)の設定に依って異なり、何れにもプログラム可能です。 4速に落ちる様にプログラムされている場合は4速に落ちた後はシフトパッド又はシフトレバーを使って手動でシフトダウンをする必要がありますが、排気ブレーキを4速だけで使用する人も少なく無いようです。 

参考: 私のトランスミッションは当初4速に落ちる様にプログラムされていましたが、その後アリソンデーラーで2速に落ちる様にプログラムをして貰いました。 その結果、手動でシフトダウンをする必要は無くなり、時速15Km程度に速度が落ちますと排気ブレーキは自動的に解除します。 しかし、弁は開きますが、排気ブレーキのスイッチがオンなっている間はギヤーは2速(又は4速)に設定されていて、アクセルを踏み込めば排気ブレーキは解除の状態になります。

従って、何らかの理由(故障)で排気ブレーキをオンにしても自動的に4速に設定されない(トップギヤー持続)場合は制動力は期待出来ず、マニュアルで強制的にシフトダウンさせる必要があります。

3. トランスミッションのシフトアップ
排気ブレーキを使用していても、余りにも急勾配過ぎて(例えば下り勾配16度)増速し、エンジン回転数が増す場合があります。 デイーゼルエンジンには最高制限回転数があり、その回転数を超えると自動的にシフトアップされる様に設定されています。 シフトアップされれば当然エンジン回転数は下がりますので排気ブレーキの効果は悪くなり、増速して危険な状態になります。 従ってこの様にシフトアップが起こる可能性がある場合は予めフットブレーキを使用して減速し、一段下のギヤーに落とすと排気ブレーキの威力が発揮出来て増速の心配は無くなります。


参考: 此れまで排気ブレーキに馴染みの無い方を対象に書いていますので、普段排気ブレーキを使用している方達に取っては当たり前の事ばかりだと思います。 又、文字にしますと複雑な様ですが、通常時は排気ブレーキのスイッチをオンにするだけで他はオートマチックトランスミッションが全てやって呉れます。

間違い、疑問点がありましたら承ります。

排気ブレーキの効力に関しての続きは次回書きます。

ブレーキに関して - その1. エンジンブレーキ

RV(自動車)を減速させる為にはブレーキが必要で、運転者が足でペダルを踏んでブレーキシュー又はブレーキパッドで車輪の回転を遅くしますが、この種の身近なブレーキの他にエンジンブレーキ、排気ブレーキ、ジェイクブレーキ、更にはリターダーと呼ばれるトランスミッションに備わったブレーキ装置があります(制動装置を総称してリターダーと呼ぶ場合もある)。 

RVを購入の際にスタイル、燃費、色、大きさ、間取り、エンジンパワー等は大いに気に成りますが、それらと同じ様に大切なのが制動性能又は制動装備で、RVが重量化すればするほどこれ等は大切になります。 

2回に分けて、日常余り見慣れていないブレーキに関して書こうと思います。 

A. エンジンブレーキ
アクセルペダルから足を上げますとエンジンへの燃料の供給が止まり、車は多少減速します。 しかし、下り坂で車を減速出来るほどの力ではありません。 

1. シフトダウン
急な下り坂を走行中にエンジンブレーキで減速する為にはギヤーを下げなければなりません(シフトダウン)、即ちトップギヤーで走行中はより低い4速、又は3速、2速にシフトダウンすれば、エンジンブレーキがより効果を発揮します。 シフトダウンをする事に依りエンジン回転数が上がり、エンジンにより大きな抵抗が発生します(詳しくは後で)。 

しかし、クラスAやデーゼルプッシャー等の大きな車の場合、特にデイーゼルエンジンやオートマチックトランスミッションを搭載している大型RVは単にシフトダウンしただけでは充分な制動力が得られない場合があります。 

1. ガソリンエンジンとデイーゼルエンジン
ガソリンエンジンにはキャブレーターと呼ばれるエンジンに送り込む空気の量を加減する装置があります。 アクセルを深く踏めばバタフライと呼ばれるキャブレーターの中央部にある弁が大きく開いて空気量が増し、空気量に応じたガソリンがエンジンに注ぎ込まれます。 

デイーゼルエンジンの場合は空気量を加減するキャブレーターは無く、エンジンに常に空気が送り込まれ、シリンダー内で空気が圧縮されたタイミングでアクセルの踏み込み加減に応じた燃料(軽油)が噴射されます。

2. ガソリンエンジンとデイーゼルエンジン車のエンジンブレーキ
ガソリンエンジンの場合はアクセルを戻すとキャブレーター内のバタフライ(弁)が閉じ、シリンダー内に送り込まれる空気が微小になります。 従って、空気が入って来ないシリンダー内でピストンが下がろうとしますと、バキュームポンプ同様の原理で大きな不圧(バキューム)になり、ピストンの動きを止める力が発生します。 ピストンの動きを止める力が発生すればエンジンの回転は減少し、その力が車輪の回転を下げる制動力になります。

デイーゼルエンジンの場合は空気の量が一定で、特にターボ付きのデイーゼルは、エンジン回転中は常に大量の空気がシリンダー内に送り込まれます。 従って、アクセルを戻しても燃料の量が減少するだけで空気の量は変わらず、デイーゼルエンジンはガソリン車の様に負圧(バキューム)に成らない為に制動力を作り出す事が出来ません。

3. エンジンブレーキの効率
アクセルを戻しますと多少は減速しますが、下り坂で減速する為には1.での説明の様にシフトダウンをする必要があります。 しかし、オートマチックトランスミッションの場合、トルクコンバーターと呼ばれる流体クラッチが付いており、2000年代以前のトルクコンバーターの場合はロックをしない、即ちスリップを生じて直結状態に出来ないものがあります。 この様なオートマチックトランスミッションを装備しているRVはシフトダウンしてもトルクコンバーターがスリップを起し、減速しないどころかオイルが高温になってトランスミッションのオーバーヒートを起こす可能性があります。

デイーゼルエンジンの場合はエンジンブレーキに余り期待は出来ませんが、シフトダウンをする事でエンジン回転数を上げれば、回転抵抗が大きくなり多少の制動力が生じます。


従って、デイーゼルエンジン搭載RVに取っては排気ブレーキが非常に大切になります。 次回は排気ブレーキに関して書く予定です。