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スターターバッテリーをハウスバッテリーに使用?

“スターターバッテリー(自動車用)でも6年前後使用出来る”と言う可能性は在り得ます、 しかし、此れは単に可能性です。 確かにスターターバッテリーはデイープサイクルバッテリーに比べて安く購入出来ますが、果たしてどちらが得なのでしょう?

この様な問題を証明する事は、“オイルを3000Km毎に交換と10000Km毎に交換とどちらが得か?”と同様に証明は不可能に近いでしょう。 3000Km毎に交換したエンジンも壊れる事がありますし、10000Km毎に交換したエンジンが壊れてもオイル交換頻度には全く関係が無いかも知れません。 エンジン内部部品の磨耗の度合いもオイル交換頻度より更に大きな影響をする事があると思われます(オイル関係以外の故障中のエンジン回転、始動時のオイルが下がった状態、オーバーヒート、その他)。

私は以前スターターバッテリーを購入して駄目にした経験がありますし、又8年(?)前に購入したデイープサイクルバッテリーは現在も問題無く使用しています。 私の経験や此れまでに読んだ他のRVer達の意見(経験)を総合しますと、全く同じ条件で両者を比較した場合はスターターバッテリーが早く駄目になるのは明らかな気がします。

例え、スターターバッテリーをハウスバッテリーに使用して長持ちした人が居たとしても、特殊ケースかも知れませんし、使用条件や、どの程度信じられるかも分かりません。

バッテリー購入者の状況や使用条件次第ではスターターバッテリー購入が得な可能性もありますが、単に一般的(総合的)に考ますと、“RVハウス用にはスターターバッテリー購入はデイープサイクル購入(使用)に比べて損である”と私は考えます。

この結論も単なる私の意見で、私と反対意見をお持ちの方もいらっしゃると思います。

決断を下す前にスターターバッテリーとデイープサイクルバッテリーの違いを知った上でどちらが得か判断為さって下さい。

参考1:
http://net-camper.sakura.ne.jp//2010k-bat/battery.html

参考2:
私は、乗用車のエンジンオイルは10000マイル(16000Km)毎、RVは15000マイル(24000Km)毎に交換しています。 日本の常識からですと長い距離と思われるかも知れませんが、私のRVにはカミンズエンジンが搭載されていて、そのマニュアルには15000マイル交換が記されています。
http://www.cumminspowerclub.com/resources/ISBMaintSchedulesRV.pdf

上のサイトの右上方に“Oil Drain Interval 15,000 miles / 12 months”と記されていますが、この12ヶ月毎に関しても色々な判断があります。 

アメリカにはオイルサンプルを送ると結果を調べて(アナリシス)呉れる会社があり、RVerやトラック会社で此れを利用して乗り続ける人も少なくありません。 

検査をする冪なのですが、私は12ヶ月は無視して約15000マイル毎に交換する様にしています。 尚、トランスミッションオイルや冷却水のアナリシスもして呉れます。 マニュアルに依りますと私のトランスミッションオイル交換周期は150,000マイル(24万Km)毎です。

“ハウスバッテリー選択”

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新年明けましておめでとう御座います。 今年もよろしくお願いします。

暫くご無沙汰していましたので、“ハウスバッテリー選択”に関して書きます。

RVを安全、且つ快適に使用する為には高価な出費があります。 エンジンメインテナンス、タイヤ交換、駆動関係整備(トランスミッション、ブレーキ、アライメント等)が在りますが、快適さを保ち更に高価である事に関してはバッテリー(ハウスバッテリー)もあります。 

日本ではACDelcoのVoyagerバッテリーが非常に安く販売されているようですので、アメリカのサイトで是非を調べて見ました。 殆どが魚釣りボートに使用されている意見で、そして多くの人がVoyagerバッテリーに満足していました。

其処で、RVフォーラムに絞って調べて見ましたら、満足して居る人も居ましたが、ACDelcoのVoyagerバッテリーはマリーンバッテリーであって本来のデイープサイクルでは無いので、RVのハウス用には適していないと言う意見も沢山ありました(私もこの意見です)。

1990年代から2000年代初めのRVフォーラムの書き込みの中には満足して居る人の書き込みが多いのですが、最近は少なくなっています。 理由は入手が困難になっている為に余り多くの数のVoyagerバッテリーが出回っていないからかも知れません(以前は自動車部品店、デパート、その他多くの店で入手出来ましたが、最近はGMデーラーでも在庫せず取り寄せです)。

Voyagerバッテリーは価格が安い事もありますし、満足して居る人も少なくは在りませんので、電圧を余り低く下げない様に注意すれば6年前後(それ以上)使用可能で、経済的かも知れません。 しかし、Voyagerバッテリーはマリーンバッテリーであって、本来のデイープサイクルバッテリーでは無い事もしって於く必用があります。

尚、“Voyagerバッテリーは高電圧で充電”との意見がある様ですが、他の自動車バッテリー(スターターバッテリー)と同様に充電出来る筈です。 勿論、内部抵抗の少ないAGMバッテリーと比べれば、充電速度で多少は異なるかも知れませんが、14Vの充電器があれば十分な電圧差がありますので、充電可能な筈です。


参考:
日本の状況ではRVパーク(100VAC接続)の使用機会は少なく、ドライキャンピング(電源、水道、排水施設が無い)が多いと思われますので、ハウスバッテリーは非常に重要であると共に、私がアメリカで使用する状況よりバッテリーに取って可なり過酷なのは明らかです。 従って、バッテリー電圧を下がらせるのは当然で、時には25%(約12V)以下迄下げる事もあって当たり前です。 この場合、本来のデイープサイクルバッテリーでしたら打撃が少なくても、Voyagerバッテリーには寿命に大きく影響する可能性もあります。 1度、2度の場合は影響が出なくても、度重なると違いが出て来るのは当然です。 又、バッテリーは徐々に容量が少なくなる場合もありますが、突然内部ショートを起したり、オープン状態(道通が無くなる)になったりする事もあります。 爆発(容器が破裂して内部の硫酸液が飛び散る)を起す事例も少なくありませんし、私も経験があります。

デイープサイクルバッテリーにするかVoyagerバッテリーにするかの判断基準は総合的に考えてどちらが得かです(バッテリーを気にしながらRVを使用するのも余り快適とは言えません)。

どちらを選ぶか考慮する点は:
• 果たして過放電をさせない自信があるか?
• 快適さをどの程度重視するか?
• Voyagerバッテリーを4年x2回購入?
• 他の出費(1年に3000円?)を控えてデイープサイクルバッテリー(購入時の考え)?
• RVを何年キープするか?


どちらのバッテリー(Voyagerバッテリー、デイープサイクル)を選択したら得かは誰にも予測は付きませんが、総合的な可能性を考えて判断する以外には無いでしょう。


参考:
バッテリーの製造年月は、タイヤ製造年月同様、表示されています。 日本では異なるかも知れませんが、次のサイトを参考になさって下さい。 少なくとも6年、8年以上使用出来たら文句無しでは?
http://www.premierproductwarehouse.com/pdf%20documents/date_code_info.pdf

ラグナットのヒビ割れ

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ブレーキ整備をする為にタイヤを外していましたら(ダブルの)内側のラグナットに大きなヒビ割れが生じていました。 全てを検査したところ、合計3個同様のヒビ割れが見つかり、全手のラグナットを交換しました。 ヒビ割れが生じるとナットがスムーズに回らなくなる為、キツクテ回らないラグナットはヒビ割れが無いか検査をする必要があります。

ダブルのラグナット:
クラスB、クラスC、クラスAのガソリン車等に使用されているダブルタイヤのラグナットはシングルナット(1セット)で内側と外側のホイールを固定していますが、DP(デイーゼルプッシャー)の多くは、大型トラックや路線バスと同様にダブルナットが使用されています、即ち内側のホイールを1個の筒型のナット(写真の左)で締め付け、外側のホイールをもう1個のナット(写真の右)で締め付けます。 尚、この写真に写っているラグナットは車の左側用で、通常と反対の左ネジになっています。 左ネジには左ネジを示す“L”のマークが刻印されています。

ラグナットの締め付けトルク:
乗用車を含め、ラグナットを締め付ける強さは非常に大切です。 タイヤ販売店は何処もエアーレンチを使ってラグナットを取り付けますが、最近は緩めに全てのラブナット取り付け、最終の締め付けはトルクレンチを使って締め付ける所もあります。 小型の乗用車は60Ft-Lb(フットパウンド)前後から、大型乗用車や小型ピックアップトラック等は100Ft-Lb前後、アメリカ製ピックアップトラックやバン(F350、E350等)は150Ft-Lbですが、それぞれのマニュアルに示されたトルクでラグナットを締め付ける事が大切です。

DP用のダブルラグナットの締め付けトルクは小型トラックやクラスAのガソリン車の約4倍の500Ft-Lb(フットパウンド)ですので、トルクマルテイプライヤーと呼ばれる倍力工具やレンチに1.5m程度のパイプ(水道管の様な物)を差し込んで回さなくては規定の締め付けは困難です。

ラグナットの交換:
ラグナットを長年使用するとネジが伸びるので交換が必要と言われています。 しかし、実際に定期的にラグナットを交換する人は稀だと思います。 今回のヒビ割れの原因に関しては大体想像が付いています。 RV購入直後にハブに取り付けられているラグナット用スタッドが完全に納まって居なかった為、トラックタイヤ販売店でアライメント調整をした際にその点を指摘した結果エアーレンチを使用して極端に大きなトルクでラグナットを締め付け、後日、倍力工具では緩める事が出来ず、同じ店でラグナット緩めて貰った経歴があります。 恐らくその際に既にネジにダメージを与えたのでは無いかと考えています。

“RVセットアップ” 並びに“RVフックアップ” その2

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前回は主にドライキャンプに関連した事柄を書きましたが、今回はRVパーク、即ちRV用のキャンプ施設に駐車した場合を書きます。

RVパークに入って支払いを済ませ、所定の場所に駐車して、先ず行うのが“RVセットアップ”並びに“RVフックアップ”です。

“RVセットアップ”:
RVで生活が出来る様に準備をする事を意味し装備に依って異なりますが、次の様な作業があげられます:
1. 最適な位置に駐車
2. “RVフックアップ”を行う
3. エアーダンプ(エアーサスペンションにダンプバルブがある場合)
4. ジャッキを延ばしてRVを水平にする
5. スライドアウトを出す
6. オーニングを出す
• TVアンテナをセットする
• その他の装備の移動や配置

“RVセットアップ”の順番に関してはRVフォーラム等によく登場し、“ジャッキ延長とスライドアウト”の順番、 “ジャッキ延長とエアーダンプ”の順番等が議論になります。 議論の原因はRVメーカーに依って異なる順番がマニュアルに記されている為です。 
必ず、上に記した順番で無くては成らない訳ではありませんが、状況に依っては上に記した順番で行えば無難でしょう。 理由は、RV並びに人間にやさしいからです、即ちRVのシャシーのネジレが起こる事を最小限にし、フロントガラスが飛び出したり割れたり、RVの側面にヒビ割れが生じたりする事を避け、“RVフックアップ”を先に済ませると人間もスライドアウトに頭をぶつけたりする事も無く楽です。 エアーダンプ、ジャッキ、スライドアウトに関しては次回に詳しく書きます。

参考:
“エアーダンプ”とはDP(デイーゼルプッシャー)のエアーサスペンションの空気を抜いて車体を低くする事言います。こうする事に依って相当地面が傾斜していても、装備されている油圧ジャッキを延ばしてより簡単にRVを水平な状態に設定する事が出来ます。

“RVフックアップ”:
家で住む様に生活が出来る為に、水道、電気、下水等をRVに接続する事を“RVフックアップ”と言います。 一般的には“RVフックアップ”とは呼びませんが、最近では衛星放送のケーブルコネクターの差込も付いて居たり、WIFIが使えるRVパークも少なくありません。 

スライドインキャンパーやクラスBの中には下水設備を必要としないRVもあり、電気だけ、又は電気と水道だけの様なサイトも、少々安い価格で在ります。 水道、電気、下水の3点が揃ったRVサイト(場所)の事を“フルフックアップ”と言います。

電源差込みには規格があり、アメリカのRV用には3種類あります、即ちクラスB等の小型RVは一般家庭タイプの120V - 20アンプ、多くのクラスAやクラスCは120V - 30アンプ、DP(デイーゼルプッシャー)の大型は120/240V - 50アンプが一般的です。

水道の蛇口も規格があり、RVパークの蛇口は、家庭の庭にある蛇口と同様に全てネジが付いていて、ホースがねじ込める様になっています。 25フィート(約7m)のホースを積んでいれば殆ど間に合います。

参考:
RVパークの電源、並びに蛇口に関しては次の書き込みを参考になさって下さい。
電源
http://www.net-camper.com/cgi-bin/rv-ken/diarypro/diary.cgi?no=127

蛇口
http://www.net-camper.com/cgi-bin/rv-ken/diarypro/diary.cgi?no=126

“RVセットアップ” 並びに“RVフックアップ” その1

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今回はアメリカに於ける“RVフックアップ”並びに“RVセットアップ”に関連した事柄を書きます。

“RVフックアップ”並びに“RVセットアップ”と言う言葉は日本語で使われているか分かりませんが、よく使われるRV用語で、後ほど説明します。

アメリカで見る一般的なクラスA、クラスC、フィフスホイール、トラベルトレーラー等にはシンク、トイレ、シャワー、テレビ、冷蔵庫、電子レンジ、その他、エアーコンデイショナー等が装備されていると同時に、これ等の装備を使う為の電源(115VAC)、飲料水タンク、汚水タンク等が装備されています。

RVでの宿泊場所:
RVで一夜を過ごす場所には色々あります。 RVパーク、レストエアリア(道の駅、サービスエアリア等)、ショッピングセンターの大駐車場、大型トラック用のガソリンスタンド大駐車場、
何も無い砂漠、人里離れた自然の中、その他があります。

注意:
• 他人の土地(ショッピングセンターの駐車場等)には許可を得て駐車するのが建前ですし、レストエアリアの多くには“宿としての駐車禁止”、“4時間以上の駐車禁止”等のサインが提示されています。 
• レストエアリアには色々な旅行者が通過しますし、犯罪を犯す様な人も居ないとは限りません。 アメリカ旅行中にレストエアリアでRV、特に乗用車で仮眠を取る場合は照明が明るく、人の行き来がある場所に駐車し、1台だけ離れて駐車しない方が無難です。

アメリカは広い国ですから、遠い目的地が目当ての場合は数日間走り続ける事もあります。その様な時は一日中走って夜は休息を取るだけですのでレストエアリア、ショッピングセンター、ガソリンスタンド等を利用するのが便利です。 RVパークですと手続きをしたり、指示された特定の場所に駐車したりする時間が無駄ですし、夜る遅くRVパークに入って駐車をするのはエンジン音(特にデイーゼル車)が団らん中、又は既に休んでいる人達に迷惑になります。 又、エンジン音がうるさいので朝早く出発する訳には行きませんし、門限が定めてある所もあります。

参考:
長距離を走る時は私もレストエアリア等で一夜を過ごしますが、RV仲間の中にはレストエアリアや駐車場で一夜を過ごす事を嫌う、又は反対意見の人が少なくありません。 理由は人それぞれ色々です。

ウオールマート:
日本では西友と提携している様ですが、アメリカ国内には4000箇所以上のウオールマートがあり、殆ど全ての場所が広大な駐車場を有しています。 ウオールマートは家庭用品、電化製品、自動車関係製品(オイル、タイヤ、バッテリー等)、薬、その他あらゆる品物を販売しています。ウオールマートには一般店と食料品(スーパーマーケット)も扱う“スーパーセンター”と呼ばれる店があります。 24時間営業の所も沢山あります。 昔(20年前)は全てのウオールマートがRVの駐車を歓迎していましたが、最近は半数以上のウオールマートが一夜を過ごす事を禁止しています。 理由は、近くのRVパークのビジネス妨害、買い物客からの衛生面や安全面での苦情が原因だと思われます。 RVerの一般的な常識では、ウオールマート、ガソリンスタンド、レストエアリア等で一夜を過ごす場合はスライドアウトを出したり、ジャッキを使用する事は避ける事になっています。 しかし、中には堂々と“キャンプ”をして居る人もいます。

ダンプステーション:
通常、汚水タンクには2種類あり、文字通り汚水の“ブラックタンク”と台所やシャワーからの“グレータンク”があります。 これ等のタンクを空(エンプテイー)にする事を“ダンプ”(放出する)と言い、ダンプ出来る施設を“ダンプステーション”と言います。

昔は多くのレストエアリアにダンプステーション(無料)がありましたが、各州の財政難で最近は少なくなりました。 オレゴン州やワシントン州(写真上)には立派な施設が有り、無料で誰でも使用出来ます。 財政困難なカリフォルニア州のレストエアリアでもダンプステーションがある場所も何箇所かあります。 

フレッドマイヤーと言うスーパーマーケットがアメリカの北西部に多くありますが、RVを歓迎する店があって、中には駐車場の端にダンプステーションと飲料水給水施設が設けてある所があります。

カナダの市営(?)のインフォメーションセンターにはダンプステーションがある所が何箇所かあります。

大半のトラック用サービスステーションにはダンプ施設があり、以前は無料でしたが最近はお金を取る所が殆どです。 地方に行くと一般のガソリンスタンドでもダンプ出来る施設がある所があります。

RVパークには必ずダンプステーションが在り、立ち寄ってダンプステーションだけを利用する事も出来ますが、安くはありません。 宿泊した方が得な価格です(RVパークは考えています)。 

ドライキャンプ:
砂漠の中や自然の中で外部から電源や水道水、排水管等を繋げる事無しに過ごす事をドライキャンプと言います。 多数(500-3000台)が集まる様なRVの集まりの場合は、当然全てのRVが電源やダンプ施設が使える訳には行きません。従ってドライキャンプをせざるを得ません。 大きなRVの集まりの場合はハニーワゴン(HoneyWagon=蜂蜜の車=汚水回収車)(写真下)が巡回しますので利用出来ます。

最近のRV専用のGPS(カーナビ)には無料のダンプサイト(ダンプする場所)、並びに有料ダンプサイトが表示され、インターネットでも検索出来ます。 

続く

フィルターマインダー

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写真は“フィルターマインダー”と呼ばれる一種のバキュームゲージで、殆どのDP(デイーゼルプッシャー)と中にはターボ付きのデイーゼルを搭載したピックアップトラックにも取り付けられています。

目的:
ターボ付きデイーゼルエンジンは大量の空気がエアーフィルターを通過しますので使用状況に依っては短期間で汚れる場合もありますし、フィルターが汚れて目詰まりを起しますとエンジンの効率が落ちます。 その為、エアーフィルターが汚れて交換又はサービスが必要な時期を知らせる為に取り付けられています。

構造:
写真の上部にゴムホースが取り付けられていて、このホースはフィルターの上流に繋がっています。 透明なケースの中には上下に動く黄色の弁があり、負圧が一定の基準を超すとその大きさで弁が移動する構造になっています。 通常、フィルターがきれいな内は写真の下部(正常)に位置していますが、何らかの理由(汚れ?)で負圧が増すと黄色の弁は中央部に移動し、負圧が更に大きくなると赤い部分に移動してその場に留まり、フィルターの交換又はサービスを促します。 透明ケースの下部にはゴム製のデイスクがあり、黄色いデイスクが通常の位置(下部)から移動している場合にはこの部分を押すとリセットされて正常の位置(下部)に戻ります。

黄色い弁の移動:
当然ですが、エアーフィルターが汚れて目詰まりを起せば黄色の弁は頻繁に上部に移動します。 しかし、黄色の弁は負圧で移動しますので、大きな負圧になり難い状態で運転をすればフィルターマインダーは常に正常を示し、反対に大きな負圧になり易い状態で運転をすれば異常を示す事を知って於く必要があります。 即ち、急な上り坂では速度を落としたりシフトダウンしてエンジンに負担を掛けない様に運転すればフィルターが少々汚れていてもフィルターマインダーは異常を示さないかも知れません。しかし反対にアクセルを一杯に踏み込んで上り坂を高速で走ったり、重いトレーラーを牽引してエンジンに負担を掛けるとフィルターがきれいでも異常を示す場合もあります。 又、雨降り等で空気が湿って居る時も同じです。 ネットの書込みに依りますと、あるメーカーのフィルターは目が細かい為に新品でもチョッと無理をすると黄色い弁は赤の部分に移動するそうです。

結論は、マインダーの弁が少々移動しても、運転状態を考慮してそれ程神経質になる必要も無いと思います。

参考:
フィルターマインダーは逆さまに取り付けても使用可能です。

クラスA デイーゼルプッシャー用エンジン - エンジンの馬力(HP)に関して

カミンズエンジンに関して書く前にエンジンの馬力に関して少々書きます。

エンジンの大きさ:
人にエンジンの大きさを聞きますと、色々な返答が戻って来ます。 乗用車のガソリンエンジンの場合は、エンジンに関して余り知識が無い人は4気筒とか6気筒とか答える人も居ますが排気量で答えるのが一般的で、排気量が分れば大きなエンジン(馬力)か小さなエンジンかがある程度分り、余程の車マニアで無い限り馬力で答える人は居ないと思います。 

ところが、DP(デイーゼルプッシャー)の場合はガソリン車とは異なり馬力が一般的です。 従って、DPの持ち主の多くはデイーゼルエンジンの馬力に関してある程度の感覚を持っています。 デイーゼルエンジンの排気量が小さなエンジンが排気量が大きなエンジンより馬力が大きなエンジンは良くあります(同じ会社の同じタイプで比較)。 簡単に言えば、デイーゼルエンジンの場合はシリンダー内に燃料を多く注入する事で馬力が上がります。 カミンズの8.3リッターエンジン、5.9リッターエンジン、何れもターボ付きですが、250馬力の8.3リッターが有れば300馬力の5.9リッターもあります。 

シャシーの設計:
シャシー(RV)が製造される際、シャシー会社は許容総重量に応じて、エンジン、トランスミッション、サスペンション、車軸、デファレンシャル、ブレーキ、ホイール、タイヤ、その他の部品を設計し、それらの部品を自社で製造したり他社より調達して組み込みます。 製造価格、重量、走行燃費、その他を総合的に考慮して必然的に部品の強度も一定のデザイン基準値に成ります、即ち、強度的に釣り合いの取れた部品が組み込まれます。

エンジン馬力(ホースパワー=HP)
シャシーの許容重量から“エンジンの大きさ”が大体決まります。 この“エンジンの大きさ”が馬力です。 一般的な目安として車重100ポンド当たり1馬力、即ちモーターホームの総重量が23000ポンドで有れば少なくとも230馬力のエンジンが妥当とされています。 許容重量は(モーターホームが)この重量を超えては成らない限界の重量ですが、多くのRVは家財道具、キャンピング装備、修理道具、その他、燃料、飲料水、汚水等を満タンにしますと許容重量に非常に近くなり、燃料や飲料水を満タンに出来ない場合も聞きます。

エンジンサイズは大切:
始めてDPを購入する人の中には購入後にエンジンに不満を抱く人は少なくありません。 デイーゼルエンジン、又は馬力に関して充分な知識が無かったり、理想が変化するからかも知れません。 何れにしてもDPを購入する場合はフロアープランと同じ程度に馬力も大切です。 “大切”とは大馬力を選択する事では無く“吟味する”事が大切です。 馬力が高くなれば山道でも余り速度が落ちる事も無く快適ですが、燃費は悪くなります。 又、排気量の小さいエンジンから大きな馬力を引き出すとエンジンの寿命に影響が出ます。 RVフォーラムを読んでいますと馬力不足で不満を持っていたり大馬力DPに満足して居るDPオーナーは少なくありませんが、反面、燃費が良い事で満足して居るDPオーナーも沢山居ます。 結論は“力”を取るか“経済性”を取るかになるでしょう。 大切なのはその事を知って選択する事です(私は全く知識がありませんでしたが、偶然、結果的に“経済性”を選択し、遠乗りをする私に取ってはラッキーでした)。

トランスミッション:
サスペンション、車軸、ブレーキ、ホイール等の強度は車重に大きく影響されますが、トランスミッション、デファレンシャル等はエンジン馬力に大きく影響されます。 従って、4速5速等のギヤー比も大切ですが、トランスミッションの強度も大切です。 全て強固な壊れないトランスミッションを装備出来れば良いのですが、価格、重量等を考慮すると理論上最適なトランスミッションが決まって仕舞います。

続く。

クラスA デイーゼルプッシャー用エンジン - カミンズ

デイーゼルプッシャーのシャシーに関して書きましたので今回はエンジンに関して書きます。

1980年代から1990年代に掛けてはカミンズエンジンとキャット(キャタピラー)エンジンは4:1程度の割合で販売されていて、キャットが搭載されているDPを好んで購入するRVerもいました。 しかし、キャットエンジンの数はその後徐々に減り現在はRV用には製造されて居ません。

私はカミンズを使用して居ますのでキャットに関しては余り知りませんが、RVフォーラム等での書き込みから得た情報ですと、キャットは耐久性には優れているものの、カミンズに比べてオイルとガソリンの消費量が多い様です。 日本に輸入されたDPは1990年前後から2000年前後のカミンズエンジンが多いと思われますので、カミンズエンジンの種類に関して書いてみます。

カミンズエンジンには2種類のエンジンサイズがありまして両者とも6気筒です。 小さい方はカミンズ“B” 又は“5.9”エンジン (シリーズ)と呼ばれ、大きい方はカミンズ“C” 又は“8.3”エンジン(シリーズ)と呼ばれています。 “5.9”、“8.3”は“5.9リッター”、“8.3リッター”を意味しす。 

両エンジンとも1997年を境に其れまでのメカニカルエンジン(機械的制御)からエレクトロニックスエンジン(電子制御)に替わり、其れまで“B” 又は“C”と呼ばれたエンジンはそれぞれ“ISB” 又は“ISC”に変更になりました。 両者共それぞれ同じエンジンブロックを使用していますが、電子制御に変更になった他に其れまで12バルブであったエンジンが24バルブエンジンになりました。 

エンジンの種類は上に書いた“B”と“C”シリーズの他にHP(ホースパワー)でも示され、ホースパワーで読んだり区別をする場合が少なくありません。 次回は“B”シリーズエンジンのホースパワーの種類に関して書く予定です。


参考1:
多くの書物やカミンズのカタログ等にもISBが1998以降に製造(販売)と記載されていますが、実際に製造販売され始めたのは1997前半と思われます。 私のエンジンは1997年5月1日製造ですが、RVフォーラムで1997年4月に製造されたエンジンを搭載したDPに乗っている人も居ます。 

参考2:
ダッジピックアップトラックにカミンズ“B”エンジンを搭載したモデルがありますが、ダッジに搭載された“ISB”は全て1998年以降です。 この為に“ISB”エンジンは1998年以降とされている可能性もあります。

参考3:
ダッジピックアップトラックはカミンズエンジンを搭載していてもダッジ(クライスラー社)が管轄しており、RV用“ISB”とダッジ用“ISB”では仕様は勿論エンジン内部部品も異なる場合があります。 従って、部品を購入する場合は両者を切り離して異なるエンジン(部品)と考えた方が無難でしょう。 例えばオールタネーターの場合は取り付け構造も異なります。