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排気ブレーキへの注油、並びにドライブシャフトへのグリースアップ

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此れまで排気ブレーキに関して書きましたが、最後に重要な事を書いて排気ブレーキに関しては終わりにします。

排気ブレーキの弁の部分は高温になりますので錆び易く、開放状態のまま錆付いて閉じなくなり、排気ブレーキが機能をしなくなる事があります。 、又高温の為に潤滑油は無くなり易く、潤滑油が無くなれば駆動部分の磨耗も進みます、従って排気ブレーキの要点に定期的に注油をする事は非常に大切です。http://www.pacbrake.com/index.php?page=maintenance-2

一般的に使用されているオイルはシリコンオイルで、排気ブレーキ用として売れれている物も色々あります。 使用量は極く僅かですので一度買えば長年持ちます。 私はエンジンの上の部分に排気ブレーキ専用シリコンオイルを置いていて、エンジンの上の部分のドアーを開く度に注油をする様に心掛けています。


注油で思い出しましたので書きますが、DPには非常に重要な注油箇所があります。 それはドライブシャフトです。 DPには後輪の車軸(デフ)の後ろにエンジンがありますのでドライブシャフトが非常に短くなっています。 従って(フロントエンジンの)一般的な長さの(長い)ドライブシャフトに比べて車が上下に浮き沈みする度に両端に付いているユニバーサルジョイントが激しい運動をし、ユニバーサルジョイント内の潤滑油(グリース)は比較的に短距離で消耗します。 実際にRVフォーラムで、DPのドライブシャフトを駄目にするケースを時々目にします(2年以内の新車の場合もある)。 DP用シャシーの製造会社は5000マイル(8000Km)毎のグリースアップを奨励しています。

グリースアップは定期的に必要なメインテナンスで、道具はそれほど高価なものではありませんので自動車に関する一般的な知識のある方はご自分で為さる事を奨励します。 車の下に潜りますので、その際に車の下の状況を調べる良い機会とも成ります。

注意: ユニバーサルジョイント(ベアリング類)は高温に成りますので、シャシーグリースと異なり高温に耐えるグリースの使用が必要です。 何度も使用出来ますので、少々高くてもシャシーメーカーのマニュアルに記載された規格以上の良質のグリースの使用をお勧めします(私は入手が容易なモービルワンのシンセテイックグリースを使用しています)。

グリースニップルに関して:
• ドライブシャフトをグリースアップする際は、同時にサスペンション部分もグリースアップを行う事になりますので、マニュアルに従って全てのニップルに(忘れずに)グリースの注入をする事が大切です。
• ドライブシャフト両端のユニバーサルジョイントにグリースニップルが付いていますが、このニップルが見付からないとの質問を時々目にします。 必ず付いて居ますし、通常180度の位置に2個付いています。
• ニップルにカバー付いていたり油と泥で見難い場合もありますので指で確認も必要かも知れません。 又、ニップルが抜けていたり折れて無くなっている場合もあります。
• グリースニップルにはストレート、45度、90度等の形状の他に異なるネジサイズ(ピッチ)がありますので、代替品を購入の際は注意が必要です。
• ユニバーサルジョイントの中には一般的に使われているニップルでは無い為に針状の器具(写真上右)での注入が要求される物もあります。

グリースアップに関して:
• ニップルの位置が悪い為に注入が困難な場合は車を少量移動してドライブシャフトを回転させると改善する場合があります。
• ニップルの近くの間隙から古いグリースが少量押し出されるのを確認出来たら注入を止めますが、相当量入る場合があります。
• 古いグリースが数分後に押し出される場合もあります。 ドライブシャフトは回転して付着したグリースを吹き飛ばしますので最後に必ず再点検して余分のグリースを拭き取る事も大切です。 エアーバッグ、ホース等のゴム製品に付着しますと老化を早めます。


ドライブシャフトが短い為に、DPにはもう一つ重要な事があります、それは車高の調整です。 車高が高過ぎても低過ぎてもドライブシャフトに負担が掛かります。 次回はこの事に関して書きます。


若し要望があれば排気ブレーキのトランスミッションとの相性に関して書きます。

排気ブレーキの効力

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オートマチックトランスミッション車である為に排気ブレーキが効力を発揮出来ない場合があります。 此れは排気ブレーキを、DPを購入後に取り付けた場合、即ち後付けをした場合に特に多く起こる問題です。

オートマチックが原因で排気ブレーキが効果を発揮出来ない可能性:
1. トルクコンバーターのスリップ
排気ブレーキが完全に機能していてもトルクコンバーターがスリップをしては車は減速をしません。 DPに装備されている殆ど全てがアリソン製のオートマチックトランスミッションで、殆どのDPが4速、5速、そして6速トランスミッションを使用しています。 ここで問題になるのはどのトランスミッションのコンバーターが排気ブレーキを取り付けた場合にスリップを起こすかです(此れに関しては後ほど書きます)。 

参考: DPに使用されているトランスミッション(アリソン製)は運転者がシフトパッド又はシフトレバーを使ってギヤーを“設定”出来ます、即ち、“D”(ドライブ)に“設定”すれば速度が増せば最終的にトップギヤーに“実際”に入ります。 又、反対に高速走行中に2速に“設定”してもエンジン回転数が高過ぎに成る場合は突然“実際”に2速に入る事はありません、即ちエンジン回転数が高くなり過ぎない様に制御されています。 従って、“設定”したギヤーと“実際”のギヤーがその時点の速度によって異なり、実際にどのギヤーに入っているかは標準装備のDPでは分かりません。

参考: エンジンモニター、例えばVMSpcを取り付けますと設定ギヤー並びに実際のギヤーが表示されます。

2. トランスミッションのシフトダウン
既に書きました様に、排気ブレーキをオンにしますと排気管の弁が閉じると同時にトランスミッションはトップギヤー(6速)から2速(又は4速)に設定され、時速90Km程度で走行中でしたら速やかに4速にシフトダウンされます。 その後、車が減速してエンジン回転数が高過ぎる状態に成らない回転数に落ちる毎に更に3速、2速とシフトダウンします。

参考: 排気ブレーキをオンにしますとトランスミッションは4速又は2速に設定されます。 4速に設定されるか2速に設定されるかはトランスミッションのTCM(Transmission Control Module)の設定に依って異なり、何れにもプログラム可能です。 4速に落ちる様にプログラムされている場合は4速に落ちた後はシフトパッド又はシフトレバーを使って手動でシフトダウンをする必要がありますが、排気ブレーキを4速だけで使用する人も少なく無いようです。 

参考: 私のトランスミッションは当初4速に落ちる様にプログラムされていましたが、その後アリソンデーラーで2速に落ちる様にプログラムをして貰いました。 その結果、手動でシフトダウンをする必要は無くなり、時速15Km程度に速度が落ちますと排気ブレーキは自動的に解除します。 しかし、弁は開きますが、排気ブレーキのスイッチがオンなっている間はギヤーは2速(又は4速)に設定されていて、アクセルを踏み込めば排気ブレーキは解除の状態になります。

従って、何らかの理由(故障)で排気ブレーキをオンにしても自動的に4速に設定されない(トップギヤー持続)場合は制動力は期待出来ず、マニュアルで強制的にシフトダウンさせる必要があります。

3. トランスミッションのシフトアップ
排気ブレーキを使用していても、余りにも急勾配過ぎて(例えば下り勾配16度)増速し、エンジン回転数が増す場合があります。 デイーゼルエンジンには最高制限回転数があり、その回転数を超えると自動的にシフトアップされる様に設定されています。 シフトアップされれば当然エンジン回転数は下がりますので排気ブレーキの効果は悪くなり、増速して危険な状態になります。 従ってこの様にシフトアップが起こる可能性がある場合は予めフットブレーキを使用して減速し、一段下のギヤーに落とすと排気ブレーキの威力が発揮出来て増速の心配は無くなります。


参考: 此れまで排気ブレーキに馴染みの無い方を対象に書いていますので、普段排気ブレーキを使用している方達に取っては当たり前の事ばかりだと思います。 又、文字にしますと複雑な様ですが、通常時は排気ブレーキのスイッチをオンにするだけで他はオートマチックトランスミッションが全てやって呉れます。

間違い、疑問点がありましたら承ります。

排気ブレーキの効力に関しての続きは次回書きます。

ブレーキに関して - その1. エンジンブレーキ

RV(自動車)を減速させる為にはブレーキが必要で、運転者が足でペダルを踏んでブレーキシュー又はブレーキパッドで車輪の回転を遅くしますが、この種の身近なブレーキの他にエンジンブレーキ、排気ブレーキ、ジェイクブレーキ、更にはリターダーと呼ばれるトランスミッションに備わったブレーキ装置があります(制動装置を総称してリターダーと呼ぶ場合もある)。 

RVを購入の際にスタイル、燃費、色、大きさ、間取り、エンジンパワー等は大いに気に成りますが、それらと同じ様に大切なのが制動性能又は制動装備で、RVが重量化すればするほどこれ等は大切になります。 

2回に分けて、日常余り見慣れていないブレーキに関して書こうと思います。 

A. エンジンブレーキ
アクセルペダルから足を上げますとエンジンへの燃料の供給が止まり、車は多少減速します。 しかし、下り坂で車を減速出来るほどの力ではありません。 

1. シフトダウン
急な下り坂を走行中にエンジンブレーキで減速する為にはギヤーを下げなければなりません(シフトダウン)、即ちトップギヤーで走行中はより低い4速、又は3速、2速にシフトダウンすれば、エンジンブレーキがより効果を発揮します。 シフトダウンをする事に依りエンジン回転数が上がり、エンジンにより大きな抵抗が発生します(詳しくは後で)。 

しかし、クラスAやデーゼルプッシャー等の大きな車の場合、特にデイーゼルエンジンやオートマチックトランスミッションを搭載している大型RVは単にシフトダウンしただけでは充分な制動力が得られない場合があります。 

1. ガソリンエンジンとデイーゼルエンジン
ガソリンエンジンにはキャブレーターと呼ばれるエンジンに送り込む空気の量を加減する装置があります。 アクセルを深く踏めばバタフライと呼ばれるキャブレーターの中央部にある弁が大きく開いて空気量が増し、空気量に応じたガソリンがエンジンに注ぎ込まれます。 

デイーゼルエンジンの場合は空気量を加減するキャブレーターは無く、エンジンに常に空気が送り込まれ、シリンダー内で空気が圧縮されたタイミングでアクセルの踏み込み加減に応じた燃料(軽油)が噴射されます。

2. ガソリンエンジンとデイーゼルエンジン車のエンジンブレーキ
ガソリンエンジンの場合はアクセルを戻すとキャブレーター内のバタフライ(弁)が閉じ、シリンダー内に送り込まれる空気が微小になります。 従って、空気が入って来ないシリンダー内でピストンが下がろうとしますと、バキュームポンプ同様の原理で大きな不圧(バキューム)になり、ピストンの動きを止める力が発生します。 ピストンの動きを止める力が発生すればエンジンの回転は減少し、その力が車輪の回転を下げる制動力になります。

デイーゼルエンジンの場合は空気の量が一定で、特にターボ付きのデイーゼルは、エンジン回転中は常に大量の空気がシリンダー内に送り込まれます。 従って、アクセルを戻しても燃料の量が減少するだけで空気の量は変わらず、デイーゼルエンジンはガソリン車の様に負圧(バキューム)に成らない為に制動力を作り出す事が出来ません。

3. エンジンブレーキの効率
アクセルを戻しますと多少は減速しますが、下り坂で減速する為には1.での説明の様にシフトダウンをする必要があります。 しかし、オートマチックトランスミッションの場合、トルクコンバーターと呼ばれる流体クラッチが付いており、2000年代以前のトルクコンバーターの場合はロックをしない、即ちスリップを生じて直結状態に出来ないものがあります。 この様なオートマチックトランスミッションを装備しているRVはシフトダウンしてもトルクコンバーターがスリップを起し、減速しないどころかオイルが高温になってトランスミッションのオーバーヒートを起こす可能性があります。

デイーゼルエンジンの場合はエンジンブレーキに余り期待は出来ませんが、シフトダウンをする事でエンジン回転数を上げれば、回転抵抗が大きくなり多少の制動力が生じます。


従って、デイーゼルエンジン搭載RVに取っては排気ブレーキが非常に大切になります。 次回は排気ブレーキに関して書く予定です。

トイホーラー

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Toy Hauler(トイホーラー)とはオートバイ(ダートバイク=Dirt Bike)やATV (All Terrain Vehicle) 等を積むスペースを持つRVの事で、“物を車に積んで運ぶ”意味のHaulからこの名で呼ばれています。 7-8年前にトラベルトレーラー型から始まり、最近は5thホイールや写真の様なクラスAもポピュラーになって来ました。

上の写真は昨日RVデーラーに行った際に写したDamon社のクラスA型トイホーラーで、左上から順番に、

1.後部全体がドアーになっていて、此処からオートバイやATVを積み込む
2.4.スライドアウトがあり広々していて、前半分は一般のクラスAと同じ
3.後部内部は頑丈に出来ていて、汚れたオートバイ等を積み込んでも内部を洗車可能
5.後部のオートバイ置き場の上はベッド、ベッドの後には上下移動可能なソーファー収納


次のビデオはNewmar社のクラスAトイホーラーです。 少々長いビデオですが、時間のある方は見て下さい。
http://www.youtube.com/watch?v=u3BODftl0ew

DP、エアーシステム、エアードライヤーに関して

DP(デイーゼルプッシャー)は路線バスや観光バスの様にエンジンが後方に搭載されていると言う事でデイーゼルで押すクラスA、即ちこの名が付いています。

参考:
エンジンが前方に搭載されているクラスAも最近はポピュラーに成りました。 これ等はDPに対してデイーゼルプラーとも呼ばれますが、フレッド(FRED=FRont•Engine•Diesel=フロント•エンジン•デイーゼル)と呼ぶ人の方が多い様です。

DPには幾つかの利点があります。
エンジンが後方に付いている為に走行中の運転席ではエンジン音が聞こえません。 更に殆どのDPはエアーコンプレッサー、エアースプリングを装備して乗り心地が優れていて、デイーゼルですので排気ブレーキも使えます。 RVフォーラムでクラスAの選択をしている人に対して“DPをテスト走行すると欲しくなって仕舞うので、心(財布)の準備をして試乗をするべき”との書き込みを見ます。

DPは優れてもいますが欠点もあります。 それはガソリンクラスAに比べて購入価格が高い他に、デイーゼルと言う事で整備が高価で、又エアーシステムに関しては一般自動車整備工場では受け入れて呉れても修理に手間取り高価になる可能性があります。 

エアーシステムは電気配線に比べて配管は単純で部品点数は少なく、目で確認出来ますので時間を掛ければ我々趣味で行っている者に取っても問題解決がし易いと思われます。

エアーシステムでよく問題が起こるのは空気漏れ、空気圧調整、圧力ゲージ表示不良、ライド•ハイト(車高調整)バルブ、エアーブレーキ調整、パーキングブレーキ調整、エアードライヤー不良等です。

日本でDPにお乗りの方も少なく無い様で、全体の部品配置を知って於くとエアーシステムに取っ付き易く、何かと便利だと思います。 現在エアードライヤーに関してお困りの方がいらっしゃる様ですので、参考に成りそうなサイトをご紹介します。 

http://www.meritorwabco.com/MeritorWABCO_document/tp92116.pdf
http://www.meritorwabco.com/MeritorWABCO_document/mm34.pdf


法律に従い、疑問の点がある場合は本やネット、又は専門家の意見を聞いて、安全を最優先にして整備や問題解決を行って下さい。 危険な状態、マニュアルに示されている規定値外での走行は危険ですので、先ずは状況を把握する事が大切だと思います。 意外と簡単に、安価に問題解決が出来るかも知れません。

豪華RV

今回は娘が私の誕生日の為に贈って呉れた豪華RVをご紹介します。
http://www.youtube.com/embed/-V0WulksI0s

総床面積は1200sqft (33.5坪)、価格は$2.5ミリオン(2億5千万円)
テレビは全部で14台、2階は主にビジネス打合せ用

RV アウテイング

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皆で馬蹄投げ(Horse Shoe Throw)やコーンホールトス(Corn Hole Toss)等のゲームをやり、RVの話や世間話をして、アット言う間に5日間が過ぎて仕舞いました。 毎日晴天に恵まれ、夜は10度C程度まで下がったと思われますが、昼間は22度‐28度Cまで上がり、乾燥した地域でしたので快適でした。

今回、話を聞いて知ったのですが、ワークホース(Navistar)は今年からガソリン車クラスA用シャシーの製造を中止したそうです。 ワークホースはシボレーのP30シャシーを受け継いでワークホースシャシーとして製造していましたが、この主な原因はジェネラルモーター(GM)が8.1リットルのV8エンジン製造を中止した為の様です。 

今、チョッと調べてみましたが、GM製エンジンを搭載した2013年型クラスAはウイニベーゴー、フリートウッドその他何処にも見られず、ガソリンエンジン搭載のクラスAはフォードシャシーだけになる様です。 今後、恐らく、フレッド(FRED=FRont Engine Diesel)と呼ばれる前方にデイーゼルエンジンを搭載したクラスAが益々多くなると思われます。 尚、FREDはDP(Diesel Pusher)と異なり、エンジンで駆動されるコンプレッサーを搭載して居らず、エアーサスペンション並びにエアーブレーキは装備されていません。 経済性を重視したクラスAでエンジンが前方の為冷却効率が良く、同等のガソリンクラスAに比べて20%程度燃費が良いと言われています。

DPの内部

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RVクラブメンバーのRVの内部の写真を添付します。

このDPは2004年型の43フィートでスライドアウトが4個付いています。 この夫婦はフルタイマー、即ちこのRVで生活をしながら行きたい所に行き、クラブのアウテイングに合わせてカルフォルニアに戻って来ます。 来週からはオクラホマ州に向い、オクラホマ州で3ヶ月過ごした後テキサス州に向かう予定だそうです。