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インバーターに関して

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インバーターはバッテリーに蓄えられた12V(24V)DC(Direct Current=直流)電気 を家庭で使用する電気と同様の100VAC(Alternate Current=交流)に変換する電気機器で、RV(小型船舶)内で100VACの照明、テレビ、電子レンジ、トースター、掃除機等の家電製品を使用する際に必要となります。 

コンバーター:
似た言葉でコンバーターがありますが、此れはインバーターの反対に100VACから12VDCに変換する電気機器で、家庭、キャンプ場、ガソリン(プロパン、デイーゼル)発電機等の100VAC電気で主にバッテリーの高速充電用として使われます。

インバーターとコンバーターの電圧
コンバーターの中には単に周波数を変換する物や、電圧を変換するだけの物もあり、又、インバーターもコンバーターも使用するバッテリーに依り異なる電圧(12V、24V、48V)がありますので、購入する際には確認する必要があります。  

インバーターの周波数:
AC(交流)電気は直流と異なり電気の進む方向が逆になり、60ヘルツの場合は1秒間に60回変化します。 アメリカは全て60ヘルツですが日本は東日本が50ヘルツ、西日本は60ヘルツとなっています。 パルス(周波数)の数が影響するモーターやタイマー(時計)が使用されている器具は異なる周波数の電源を使用しますと周波数に応じて早くなったり遅くなったりするものもありますが、両サイクルに適応出来る物もあります。

インバーターの波形:
交流電気はサインカーブで、即ち波上に電気の流れる方向が変化し、インバーターがバッテリーからの直流電気を忠実にサインカーブの交流にした場合を正弦波(Pure Sine Wave=True Sine Wave)と呼び、之に対してノコギリの刃や角ばった波形の交流にした場合を擬似正弦波(Modified Sine Wave)と呼びます。 擬似正弦波のインバーターは安価でバッテリーの電気をより効率的に使用出来る場合もありますが、正弦波のインバーターを必要とする家電や電子機器もありますので、RV用としてのインバーターには正弦波インバーターを選択した方が良いと思われます。

必要なインバーターの大きさ:
インバーターの大きさはワット数、即ち出力容量で示されます。 何れの容量が必要かは次の事柄で決まります。
• 使用する最大ワット(W)数 
少なくとも、RV内で一度に使用する家電製品の合計ワット数が必要で、パソコン、携帯等の電子機器の使用や充電は500W以下ですが、熱を発生させる電子レンジ、トースター湯沸かし器等は1000W前後ですので、1500ワット-2000ワットのインバーターが必要となります。 

• バッテリーの容量(アンペアー時間=Amp-Hr)
インバーターはその容量(ワット数)に応じたサイクルバッテリーの容量(電流x時間=アンペアー時)が必要となります。 小さな容量のバッテリーににも拘らず大きな(ワット数)インバーターを取り付けてもバッテリーに十分な電気がありませんので、電気消費の高い電化製品は短時間しか使用出来ませんし、電圧を極端に低くしてバッテリーの寿命を短くして仕舞います。

重要 - 充電の度合い:
既に何度か書きましたが、バッテリーの充電の状態をSOC(State of Charge)と言い、満充電(100%)は12.8V、完全に使い切った状態(0%)は10.5Vです。

駐車中のRVで照明、TV、ウオーターポンプ、電子機器等に電源として使う場合はサイクル(デイープサイクル)バッテリーが必要で、使用出来る目安は50%(12.2V)で、それ以上下がらない様にして使うのが良いとされています。 無論、時には50%以下になる事があっても直ぐに壊れる事は無いでしょうが、度重なりますと寿命に影響します。    又、バッテリーの電圧が下がった場合は速やかに充電し、長時間低い電圧の状態にして於くのは良くありません。

サイクルバッテリーに対して、自動車に搭載されている、所謂エンジンバッテリーの場合の目安は90%と言われ、12.6V以下に頻繁に下げるとバッテリーの寿命は1年以下と言われています。

インバーターに必要な配線:
インバーターにはその容量により出来るだけ抵抗が少ない配線、即ち太くて短くする必要があります。
細い線を使用しますと抵抗が増してインバーターが機能しなかったり、場合に依っては過度の熱を発生して火災の危険もあります。
配線はインバーターのマニュアルに従う必要がありますが、シガレットライターソケットに差し込むタイプは200W-300Wが限度で、400W以上のインバーターには上のチャートを参考に十分な太さの線(ケーブル)を使って配線をする必要があります。

如何に経費を下げるか、 バッテリーとタイヤーに関して

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無駄な経費を省き、RVライフを楽しむ為にはメインテナンスが重要ですが、自分で修理を行わない方も次の二つの事で相当効果があると思います。 

その二つとはバッテリーとタイヤのチェック(メインテナンス)です。 何れも“高価”であると同時に定期的に交換が必要な消耗部品だからです。 その為、常に気を配ってより長く使用使用する事で無駄な費用が節約出来ますが、無視をしますと短期間、場合に依っては1年以下で駄目にして仕舞う可能性もあります。 経験者も居る筈です。 簡単なチェックをし、素早く対応する事で安全で経済的なRVライフを楽しめます。

バッテリー:
何度か書きましたが、ハウス用のバッテリーにはサイクル(デイープサイクル)バッテリーが不可欠です。 RVや船に興味がある人以外は馴染みが薄い様で、ホームセンターの店員さんや自動車部品店の店員さんは知らない人が多くて取り扱いをしていません。 以前(3年位前)、ホームセンターの自動車部品売り場に、バッテリー販売(製造?)会社から派遣された方とたまたま話をする機会がありました。 その時に、アメリカでデイープサイクルバッテリーと呼ばれているバッテリーが日本ではサイクルバッテリーと呼ばれ、サイクルバッテリーは余り知られて居ない特殊な物である事を知りました。

マリーンバッテリー:
キャンプ場(道の駅)で宿泊する度に照明を使ったり音楽を聴いてエンジン(自動車)用バッテリーの電圧低下を繰り返しますとバッテリーの寿命は1年以下になる可能性があります。 従って、この様な使用の仕方を続ける際は、エンジン用のバッテリーでは無くマリーンバッテリー(船舶用)の使用をお勧めします。 マリーンバッテリーは一般の自動車エンジン用バッテリーより高価ですが、エンジンをスタート出来る瞬発力と耐久力を兼ね備えていて、又、サイクル(デイープサイクル)バッテリーほど高価ではありません。 アメリカではACデルコのボエッジャー(AC Delco Voyager)がポピュラーでした(昔)が、同じ様なマリーンバッテリーが日本でも手に入れる事が可能だと思います。

サイクル(デイープサイクル)バッテリー:
RVにエンジン用とハウス用の別々のバッテリーが搭載されている場合は、ハウス用には必ずサイクル(デイープサイクル)バッテリー、又はマリーンバッテリーを使用し、自動車エンジン用のバッテリーの使用は避ける冪です。 その方が初期投資は大きくても長い目で見れば、ズーと得に成ります(サイクルバッテリーには異なる種類がありますがここでは省略します)。
しかし、例えサイクル(デイープサイクル)バッテリーでも、電圧を下げればその程度により寿命は短くなります。 バッテリーの寿命は電圧を下げる回数と共に、下げる電圧量に指数関数的に短くなります。 
バッテリーの種類、使用温度、バッテリー会社の見解等により異なりますが、100%満充電は12.8V、0%は10.5V(11.8V)として、妥当な電圧下げ量(DOD=Depth of Discharge)の目安としては約50%、即ち12.2V以下に下げない様に心掛けるのが良いとされています。 時には下げ過ぎて仕舞う事もあって当然ですが、その場合は低い電圧を維持せずに出来るだけ早く満充電に戻す事も寿命を短くしない秘訣です。

バッテリー メインテナンス:
最初に書きました様にメインテナンスは大切です。 バッテリーの場合は電解液が十分に入っていて端子に緑青が付着していたりバッテリー表面に汚れがこびり付いて居ない事を確認します。 一般的に毎月一回と言われて居ますが、此れは何らかの理由で過充電が起こりますと短期間の間に電解液の量が下がって電極が電解液から露出し、バッテリーの寿命を短くして仕舞う可能性があるからです。 電解液が減っている場合は当然、蒸留水を足す必要がありますし、過充電が起こらない事を確認する事も大切です。 即ちオールタネーターの電圧が14.5V以下、長期の充電の際は13.3V以下である事を確認する必要があります。

電解液が自動的に、又は簡単に補充出来る為のバッテリーに取り付ける器具も販売されていますが、意外と高価です($60-$100以上)。  しかし、バッテリーは電解液の量を確認し難い所や補充が難しい場所に格納されている場合が多く、この様な器具を利用する人は珍しくありません。
https://www.google.com/search?q=battery+watering+system&biw=1236&bih=706&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ei=NcSqVO39A4yxogT1x4KIAg&sqi=2&ved=0CAgQ_AUoAw

電解液を減らさないアイデイア:
• ミネラルオイルの添加
完全に密封されているバッテリーの場合は別ですが、バッテリーの上部にキャップが付いている場合は僅かづつ電解液が減ります。 しかし、バッテリーに僅かのミネラルオイルを加える事で電解液の減りを大きく軽減させる事が出来ます。

ミネラルオイルは、便秘用や肉屋さんが使う厚いまな板の割れを防ぐ(Butcher Oil)為に売れれています。 バッテリー専用の同じ目的の添加剤も販売されていますが基本的にはミネラルオイルと思われます。 同様のミネラルオイルは日本でも売られていると思われますし、便秘用のミネラルオイル(ひまし油?)が使えるのではないかと思われます(?)。 

添加する量は一般的に1セル当たり2オンス(約50cc)と言う人が多いのですが、私はバッテリーの中を覗いて適当に入れています。 恐らく20cc以下だと思われ、小さなブッチャーオイルを一瓶買えば余ります。

• ミネラルオイルの効用
ミネラルオイルは電解液より軽く、電解液の表面に被さって充電時にバッテリーからガスが逃げ出す事を抑え、温度差で起こる膨張/収縮や結露に依る水分の減りも抑え、従って、電解液の減りは大幅に減少します。 又、ガスがバッテリー内に留まる事でバッテリーの寿命が長くなるとも言われています。
電解液がバッテリーの外部に出る事が緩和されますので、電解液によるバッテリーのプラスマイナスの端子やケーブル端子の酸化や緑青の発生が無くなり(軽減)接触不良も起こり難くなり、バッテリー上部の汚れも減ります。


バッテリーに関する重要点:
• ハウスバッテリーにはサイクルバッテリー又はマリーンバッテリーを使用
• ハウスバッテリー(サイクルバッテリー)の電圧は12.2V以下に下げると寿命は指数関数的に減少
• エンジンバッテリーは12.5V 程度を限度と考え、出来るだけ満充電を心掛ける
• 電極を電解液から露出させない


参考:
私は、約20年程前からこの方法を使っていますが、ここ10年ほどはハウスバッテリーは完全密閉式のバッテリーを使用して居ますので、エンジン(シャシー)用バッテリーだけにミネラルオイルを使用しています。 ミネラルオイルを使用し始めた前(昔)は酸化の為に、銅製のケーブルターミナルが腐食して虫が食った様に減る事もありましたが、ミネラルオイルを使用し始めてからはその様な事は起こりません。 当然、電解液を溢れさせたりすれば腐食は起こります。  以前、ターミナルの酸化を防ぐペースト状の商品を塗った事もありますが、塗らなくても錆びない、乾燥した状態を維持出来ます。

RVを楽しむ為に - 経費削減、メンテナンス、その他

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RVを所有して、旅行計画を立てたり、新しい場所に自由に行ったり、新しい部品やアクセサリーを購入したり、天気のよい日にはRVを洗ったりする事は当然楽しいのですが、問題や頭痛の種を無くする事、無駄な費用を掛けない様にする事も、RVライフを楽しむ為には更に大切な事です。 

RVを所有するのはお金が掛かります。  RVを持って居れば当然ガソリン代は仕方がありません。 普段は下道を走っても、時には高速道路を走って掛かる費用は仕方がありません。

家を乗せた車ですから、現実的に考えて小さな不具合から動けない大きな故障まで、時には問題が生じても仕方がありません。 普段からコツコツとメンテナンスを行えば問題が起こる確率が少なくなるのは確実ですが、中には自分でメンテナンスを始めたいと思いながら色々な理由で先延ばしになっているRVerもいらっしゃると思います。 確かにメンテナンス(修理)は大変かも知れませんが、山登りと同様(?)で、一度メインテナンスの楽しさ、達成感等を知るとヤミツキになります。

修理の例:
ネットキャンパーの書き込み欄に、修理工場を探しているメンバーが居た事に先ほど気付きました。 既に1ヶ月以上経って居ますし、他にも同じ様なケースがあり得ると思われましたので、今回又書く事にしました(RVの為に無駄なお金を費やするのは見ていられません)。

この方はロードトレックにお乗りで、シャシーはシボレー、問題箇所は“フレッシュウオーターポンプ”との事です。 

結論は、近所の水道屋さんに持ち込むのが最適だと思われます。 親切な水道屋さんが居れば、自動車修理工場より適切な処理が出来る筈です。  最近の自動車修理工場(部品屋も同様)の人はマニュアルに従って修理をする様に訓練されており、更にこの様な問題はシボレーのマニュアルには絶対に出て居ません;“フレッシュウオーターポンプ”はシボレーには関係無く、RV製造会社の取り付け分担だからです。

解決法:
http://www.roadtrekchapter.org/uploads/pdfs/2008_210_Winterizing.pdf

正確な問題点、並びに状況が分かりませんので、水が出ない事が問題点として話を進めますが、ポンプを取り外す前にスイッチをオンにしてポンプがどの様な音を発しているかを知るのは問題解決の判断材料になります。 音が出ていなければ、ポンプは作動して居らず、水が出ないのは当然です。 この場合は単にフューズが切れているのか、電気がポンプに来ていないか、又はポンプの故障かも知れません。 テスターがあると非常に便利です。 テスターを使えばポンプに電気が来ているかを調べたり、断線の有無を調べたりする事が出来ます。 電圧、抵抗を測定出来る簡単なテスターは1500円程度で購入出来ると思います。 

ポンプに関連した問題との事ですので、ポンプを取り外せば、少なくとも、ポンプ自体が原因か、ポンプ以外かが判断出来ると思います。 

水が出ない場合は、空気を吸い込んでいる場合も少なくありません。 ポンプとタンクの間の配管に漏れがありますと、其処から空気を吸い込んで水が出なくなります。 ねじの緩みや配管の緩み等に依る原因が考えられますが、タンクを空にした後で水を入れた場合に空気を吸い込んだ場合は空気がポンプに留まってポンプは空回りを起こす事があります。 この場合は、タンクを満タンにしてポンプの出口の管を外してポンプをオンにしますと機能し始めますが、何らかの方法で空気を取り除く必要があります。 

参考:
メンテナンスを自分で行わない場合は当然修理を頼む事になりますが、一寸知って於く事で修理費を下げる事が出来ると思います。 

ポンプに限らず、問題が起きた場合は自分で修理をする積りになって原因を探る事です。 即ち、
• 現状の問題点
• 問題が起こった原因(ガタガタ道を走行、雨、洗車後、速度、しばらく使って居なかった等)
• 変色、匂い、異音(振動)等の異常
• 電気系、燃料系、機械系
• ハウス関係、自動車(車体)関係

これ等の事を元に、自分で簡単(短時間で)問題を解決出来る事が出来る場合も有れば、問題に関する総合的な状況が分かりますのでネットで調べる事も出来ますし、人に解決法を聞く場合、人に修理を頼む場合にも説明が出来ます。 簡単に故障の原因が分かる場合もありますが、原因を探る“トラブルシューテイング”には長い時間が掛かる場合があります;修理費が高くなります。 状況判断の材料が多ければそれだけ“トラブルシューテイング”の時間が短くなります。

以前、何度か書いていますが、RVの製造分担を知る事も非常に大切です。 RV修理の初心者は次のサイトが参考になると思われます。
http://www.net-camper.com/cgi-bin/rv-ken/diarypro/diary.cgi?no=631


ネットで調べるのも非常に有効です、無料ですし、知識となって残ります。 アメリカの場合は上の様な問題に関しては似たような問題、並びに解決法が沢山出ていますが、日本でも調べる価値は大いにあると思います。 ネットで質問するのも良いと思いますが、質問をする場合は出来るだけ詳しく説明をしませんと答える事が難しく、回答が戻って来ない可能性があります。

上の様な問題(ポンプ)の場合は、例え道具を全く持って居なくて道具を買ったとしても、修理代よりズート安く直せると思います。 例え、シボレーデイーラーや自動車修理屋さんに持って行ったとしても、フレッシュウオーターシステムに関しては素人ですので、時間が掛かる事も考えられ、更に部品が無ければ高価な修理代となります。 恐らく、ポンプは壊れて居ないと思われますが、若しポンプの交換が必要な場合も部品代だけで済み、漏れが原因であれば道具代だけで済みます。 ドライバーやレンチのセットを買ったとしても5000円以下で、修理手間代より安いと思います。

無駄な修理費用を省き、楽しいRVライフを楽しんで頂きたいと思います。

自動車の故障 - エンジンがスタートしない

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家内が運転をして娘と買い物に出掛けましたが、娘(例の車を壊す娘)からエンジンが掛からなくなったと電話がありました。  スピーカーフォーンで2人が私の質問に答えて呉れました。 
• イグニッションキーをスタートにしてもエンジンは回らない
• イグニッションキーをスタートにしても音はしない 
• ライトは点灯する
 

故障の状況:
何時もの通り、”故障”と聞いた瞬間に走行可能にする為に必要な、故障の原因/可能性、持って行く道具等を考えながら質問しました。 

工具の準備:
娘と家内はエンジンに関してはほとんど知識がありませんが、今回はライトが点灯する事を知らせて呉れたので大分知識が増したと、少々満足しながらスターターモーターの不具合か接触不良と予想して、工具袋と工具セット、OBD2スキャナー、電気テスター等を積み込み、スターターモーター交換も考えてフロアージャッキも積み込んで出掛けました。

現地で実際の状況を知る:
先ず最初にイグニッションキーを回したところ、リレーが振動音を発し、典型的なバッテリー上がりでした。 直ぐに娘に“ヘッドライトは点灯すると言ったのでは”と聞きますと、娘はダッシュボードのライトを指差しました。  矢張り、娘の自動車に関する知識は昔のままだと落胆していると、”ヘッドライトはヘッドライトと言って呉れないと分からない”と反対に言われて仕舞いました。  

ヘッドライト点灯は大きな鍵:
若し、ヘッドライトが点灯しない事が分かって居れば、ジャッキの代わりにジャンパーケーブルを持って行き、バッテリー又はオールタネーターの異状を予想出来ていたのですが。 テスターでバッテリーの電圧を調べた結果12Vありましたが、キーをスタートの状態にすると10V台に下がり、完全なバッテリー上がりの状態でした。 オールタネーターの故障も考えられましたので、バッテリーの栓を外して電解液の状態を調べてみましたら、5個のセルには十分な液が入っていましたが、1個は空になっていました。 これでエンジンが回らない原因がバッテリーにある事が明らかになりました。 

修理完了:
新しいバッテリーに交換して直ぐにエンジンは掛かりましたが、念の為にオールタネーターの発電電圧もチェック、14.3Vありましたのでオールタネーターは正常に機能していました。


参考: 故障の原因:
ヘッドライトが点灯しない:
エンジンが回転しない場合の原因は色々ありますが、通常はOBD2以前の問題です。 自動車をどの様に使用するかに依っても異なりますが、バッテリーは一種の消耗品で、5年程度で交換になってもそれほど不思議ではありません。 従って、ヘッドライトのスイッチをオンにしてヘッドライトが点灯しなければバッテリー自体又はバッテリーの接触不良、オールタネーター(充電システム)の故障が考えられます。 バッテリーが僅かに残って居ればスターターは回転をしたそうな“ウーウー”という音や、リレーが“カリカリ”音を立てますが、完全に上がって仕舞えば音はしませんしインストルメントパネルの電気も点かなくなります。

ヘッドライトは点灯する:
この場合に考えられる原因はスターターモーターの配線やリレー、又はスターターモーター自体の故障の可能性が高くなります。 従って、走行中に発電が出来なくなる様な特殊なケースを除いて、エンジン(スターターモーター)が回らない場合はエンジン自体の故障の可能性は非常に稀でOBD2を繋げてもコードは表示されない可能性が高いと思います。 今回の場合もOBD2を接続しても“Pass”と、“コードが何も無い”との正常である表示がされました。

盗難防止のパスコードを入力:
バッテリーを外しますとラジオの機能を回復させる為には盗難防止のパスコードを入力する必要があります。 パスコードは車、又はラジオを購入した際に一緒に来ますが、自動車に装備されて来たラジオの場合はデイーラーに電話で問い合わせると教えて呉れます。 今回の車(ホンダCRV)にはグローブコンパートメントの横にパスコード貼り付けてあります。 このコードを選曲スイッチで入力、又はナビが付いている場合は画面に入力する事でラジオの機能は回復します。

OBD2 スキャナー   その4 購入価値はあるのか?

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趣味で車修理に使用する目的のOBD2スキャナーには$15(1500円)程度から$300(3000円)程度まで各種あります。 低価格のスキャナーはエンジンのトラブルコード(Diagnostic Trouble Code)に絞られていますが、価格が増すにつれトランスミッションやブレーキ、その他、車特有のトラブルコードの読み取りも可能です。 

以前は、トラブルコードの解読は本やネットに頼りましたが、最近のスキャナーにはトラブルコードの一覧表が内臓されていたり、トラブルコードの説明や故障部品の可能性、過去のポピュラーな解決データ等が内臓されて居るものもありますが、当然価格は高くなります。 

又、PCに接続して最新のソフトやデータをダウンロード出来るものもあり、中には携帯電話にダウンロードして、携帯をOBD2スキャナーとして使うタイプもある様です。

携帯、デジカメ、PC等の電子機器同様、機能を全て使いこなせれば非常に便利で、問題解決に多いに役立ちますが、同時に機能が増しますと複雑になり、使いこなせなくなる可能性も出て来ます。 最初は$100前後のスキャナーで十分役立つと思います。 

エンジン故障に役立つ様な器具を購入すると、意外とエンジンは故障が起こらなく、使う機会が出て来ないものです。 保険と思って、安いスキャナーを買うのも良いかも知れません。

トラブルコード(Diagnostic Trouble Code)
1996以降の車には全て2世代目のOBD2と呼ばれる車載コンピューター(ECM、PCM、ECU)が取り付けられています。 従って、OBD2に関連する車の異常が発生した場合はOBD2スキャナーを使用すればコンピューターに保管された問題を示すコード(Diagnostic Trouble Code)を読み取る事が出来ます。 
ネットで調べればコードに関する説明がチャートが示されていますが、基本的には上のチャートに示されている通りに分類されます。

OBD2スキャナーの接続:
通常、運転席に近い、ダシュボードの下の辺りにOBD2スキャナーの端子を差し込める“台形”をしたソケットがあります。 OBD2スキャナーの端子を差し込み、イグニッションキーを“オン”し、説明書に従って簡単な操作をしますとコードを読み取る事が出来ます。

トラブルコード P0302の意味
約1週間前に、高速道路を走行中にエンジン不調に陥りましたが、OBD2スキャナーで調べた結果、“P0302”が表示されました。 上のイラストに表示しました様に、左から順に、
“P0” = エンジンを含む駆動機構
“3” = イグニッション系、又はミスファイヤー
“02” = #2シリンダー  (“06”であれば#6シリンダー)

従って、“P0302” は #2シリンダーがイグニッション(点火)に関連した何らかの理由で正常に機能していない事が分かりました。 

結果的には、#2のスパークプラグが機能不良を起こしてエンジン不調に陥りましたが、イグニッションコイルや配線、その他イグニッションに関連したミスファイヤーを起こす原因の場合も考えられます。


注意:
ここに書きました事柄はアメリカ国内に於いてで、アメリカで販売された車に関しては、日産、トヨタは勿論、全ての車がOBD2を装備する事が義務付けられています。  日本の国内でも同様だと想定して書きました。 

OBD2 スキャナー   その2 警告サイン

前回、“OBD2 スキャナー”に関して書きましたが、読者の中には警告サインが点灯しても走行を続けても問題が起こらない様な印象を受けられた方もいらっしゃると思われましたので、今回はそれらの方々の為に警告サインに関して簡単に書く事にしました。

何らかの警告サインが点灯しますと、人に依って、又その時の状況に依って感じ方が大きく異なると思います。 車を可愛がっている人や、エンジンに関して神経質な人は直ぐに停車をして修理工場や車に詳しい知人に電話をしたりすると思いますが、中には平気で乗り続ける人も居ます。

警告サインが点きっ放しで走行するのは良い方(?)で、中には警告サインの配線を外したり、ランプを外して走行し続けている人も居ます。  私も知って居ますが、本人は走行可能である事を知っての事だと思います。 しかし、単に大丈夫だと思い込んで走って居れば非常に危険です、即ち修理に高額が掛かったり、エンジンを駄目にしたり、車を駄目にするかも知れません、私の娘の様に。  私の娘は警告サインを無視して走り、家の近くまで来て走れなくなりました。  原因はエンジンのフリーズプラグが外れて冷却水が無くなり、エンジンが焼き付いて仕舞いました。  結果は車買い替えでした。


通常、赤色のサインは緊急を意味し、エンジンオイル圧が無い場合の様に安全な場所に直ぐに停車をさせ必要があります。    

参考: 友人と一緒に旅行中に何気無くエンジンオイルをチェックしてみましたらデイップステイックにオイルが全く付かず、直ぐにオイルを入れる必要性を言いますと、“警告サインが点くから大丈夫”と言いました。  信じられない様な本当の話です、それも理工学部を卒業した人ですが、車の修理は一切しませんし、タイヤ交換も人に頼みます。 今の世の中で珍しい存在だと思いますが?

黄色のサインの場合は赤色ほど緊急を要しませんが、停車して原因を確認するべきで、原因次第では続けて走行可能な場合もあります。  例えば、単にオイル交換の必要性を示唆する為に一定の距離(5000Km?)を走行すると点灯する様なサインもあります。 又、ABSの黄色灯の場合は、ブレーキの制動には問題が無いものの、急ブレーキを踏むとブレーキがロックを起こす危険を示唆しています、即ち急ブレーキや雨道/雪道での運転をする場合は修理が必要ですが、運転継続が全く出来ない訳ではありません。

何れにしても、オーナーズマニュアルを読んだり、簡単なOBD2 スキャナーを購入して使用方法に慣れて於くと警告サインが点灯した場合に少しは心強いと思います。

OBD2 スキャナー

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少々遠い所へ買い物に出掛けましたが、高速道路を走行中に急にエンジンの調子が悪くなり、引き返して来ました。 この車はトヨタのミニバン(6気筒)で2004年型(10年経過)で、3万3千Kmしか走っていません。 オーナーマニュアルで、スパークプラグは10万マイル(16万Km)毎に交換と読んだ事があります。

症状は次の通りです。 
高速道路に入って加速をした際にやや力不足を感じましたが、普段は他の小さな車に乗っていますので、重さのせいと気に成りませんでした。 約1Km程度走って地震でもあった様な揺れが約20秒毎に3-4回感じられ、直後にエンジンチェックランプが点灯しました。 駐車して空ぶかししたところ、時々エンジンが振動を起こして明らかに正常では無いのですが、エンジン回転数は上がり、エンジンチェックライトは消える事もありました。

家に戻ってOBD2スキャナーを取り付けて調べたところPO302のコードと、#2エンジンの不調が表示されました。

早速、前方の#2、#4、#6の3本のスパークプラグを抜き、燃焼状態を調べてみましたら、#2のスパークプラグのセンター端子(小さい)が僅かに黒ずんでいて、3本何れも白っぽくきれいに燃焼していました。 端子間の抵抗値を測定しましたら、正常な筈の#4、#6スパークプラグは導通が無く、#2スパークプラグは190オームありました。

スパークプラグを新品に交換後コードを消去してエンジンをスタートさせたところ正常に回転し、コードも表示されませんでしたので、再度買い物に出掛けました。 約130Km走りましたがエンジンは正常で、エンジンチェックライトは点灯しませんでした。


今回書いた理由は、余りにもOBD2の有難さを感じたからです。 昔でしたら、今回の様な問題が起これば、キャブレーター(燃料系)の問題か、電気系の問題か、又は機械系かを調べ、電気系と分かってもどのシリンダーが問題かを突き止めるのに時間が掛かりました。 しかし、今はOBD2スキャナーと言う優れ物があって、今回はスパークプラグを買いに行く時間も含めて40分程度で修理を完了しました。

最近は車が中々壊れません(以前に比べて)ので、OBD2スキャナーの出番は余りありませんが、最近使ったのは、娘の車が調子が悪いとの事でOBD2スキャナーで調べてみましたら間違ったタイプのガソリンタンクのキャップが使用されている事が判明しました(その数日前にガソリンスタンドにキャップを忘れて新しく購入)。
もう一度は同じく娘の車で、警告灯が点灯、原因はタイヤ空気圧のセンサーのバッテリーが消耗してシグナルを発していない事が原因でした。 此れもOBD2スキャナーが助けて呉れました。

多くの方が既にOBD2スキャナーをお持ちと思いますが、若し、ご自分で自動車のメンテナンスをしたいとお考えになっている方で未だOBD2スキャナーをお持ちで無ければ、購入を考えてみては如何でしょう? お勧めします。 価格はピンからキリまでありますが、高価な物で無くても良いと思います。私のはActron製で10年(?)前に$70前後で購入した様な気がします。 安いものは$20前後から、高いものは$300以上の様です。  高価なスキャナーにはより多くの機能と同時にコードの説明も内臓されていて、本やネットでコードの意味を調べる必要は無い様です。

購入時には、使用車種に適合する事を確認する事が大切です。 車の製造国に依っては適合しない場合もある様です。

https://www.google.com/search?q=obd2+%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%8A%E3%83%BC&biw=1236&bih=706&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ei=2q6VVJGPNIHcoASDz4KwCA&sqi=2&ved=0CAYQ_AUoAQ

次のサイトも参考になるかも知れません。
http://www.net-camper.com/cgi-bin/rv-ken/diarypro/diary.cgi?no=289

デイーゼルプッシャーのエアーシステム、  その3 エアードライヤー交換、修理

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正常に機能している場合はアッセンブリーで交換をする必要は無く、乾燥剤が入ったオイルフィルターフィルタータイプのカートリッジやチェックバルブ等オーバーホール部品が販売されています。 今回、Pure Air Plus用に私はDQ6026のキットを購入しました。 このキットにはチェックバルブと共に、交換フィルター類が含まれています。

アッセンブリー取り外し:
RVフォーラムの書き込みに依りますと、部品交換(フィルター、バルブを含む)をする際に外さずに行おうとした人が可なり居ますが、最終的には、アッセンブリーを外して作業をしている人が多い様です。 

エアードライヤーは可なり重量(約10Kg)があり、狭い場所の手の届き難い場所のシャシーに取り付けられています。 従って、取り外しや取り付けには力が必要で、仮に乗せるスタンドや空箱等があると役立ちます。

必要工具:
• フィルター(直径5インチ=12.7cm)を外すフィルターレンチ又はストラップレンチ
• ソケット  3/8、5/16、7/16、9/16
• ボックスレンチ 11/16
• マイナス スクルードライバー
• ネジ用漏り止め
• 古布、ペーパータオル等

所要時間:
2時間前後 (初めての場合)

取り外し/取り付け作業:
1. エアードレンを緩める等して全てのエアーを抜いて空気圧をゼロにする
2. スペース的に可能であれば、フィルター(径5インチ)を手で回せる程度に緩める (ゴミが入る事を防ぐ為にフィルターは外さない)
3. ドライヤーより全てのエアー配管を外す
4. ヒーターの配線をコネクター部分で、ロックタブを少し持ち上げて外す
5. 4本のボルト/ナットをブラケットより外して、ドライヤーアッセンブリーを取り出す
6. アッセンブリー外部の埃や汚れを取り除いてきれいにする
7. 1個のネジを外し、ストラップを緩めてブラケットを外した後、プレッシャーリリーフバルブを取り除く
 
注意 リリーフバルブのネジ部が緩まず、リリーフバルブを折るケースが多発、原因は組み立て時にネジ固着剤が使用されている為。  ユックリと均等の力を加え、緩まない場合はトーチで過熱してから緩める、折れた場合はドリルで折れた部分の穴を大きくしてからタップでねじ切りをするか、修理専門店へ

8. 新しいリリーフバルブをねじ込む (15 ft-lb)
9. 5インチのカートリッジを外す
10. カートリッジを外した後、ドライヤーアッセンブリーの穴よりプラスチック部分2箇所を摘まんでフィルターを取り出す
11. 新しいフィルターに“O”リングを取り付け、シリコングリースを付けてからドライヤーアッセンブリーの穴に差し込む
12. 新しい5インチのフィルターのシール部分にシリコングリースを塗り、取り付ける (ガスケットが接触後1/2回転、手締め、道具は使用しない)
13. 4本のボルト/ナットでドライヤーアッセンブリーをシャシーに取り付ける(30 ft-lb)
14. 外した配管、配線を元通りに繋げる
15. 数分間エンジンを回転し続けて、空気圧が約120psi(Cut Out Pressure)で止まる事を確認する
16. ブレーキを繰り返し、約90 psi(Cut In Pressure)で圧力が増し始める事を確認
17. 漏れが無い事を確認して完了


Haldex/MidlandのPure Air Plusに関して書きましたが、Meritor/WabcoのSystem Saverの場合は小型で部品数も少ないので、今回のPure Air Plusより簡単だと思います。 

参考1(写真):
フィルターの内部:
今回外した古いカートリッジを開いて内部を調べてみました。 その結果、フィルター内には0.5mm程度の、砂よりは大きな乾燥剤粒子が一杯に詰まっていて非常に頑丈に、高品質に出来ていて、フィルターが高価である理由が伺えます。

使用状態:
前回交換後7年経て、約10万Km 走行していますが、未だ80%の寿命が残っている様に思えました。 乾燥剤粒子の約10%程度がカートリッジ内部の底(取り付け状態で上)の部分で団子状に固まり、黒く変色していましたが、残りは乾燥してサラサラでした。 水分を含むと黒く変色すると思われます。

ドライヤー本体の下部は水分が多く、オイルと水が混ざったミルク状の液体が溜まっていて酷い状態と思いましたが、空気を圧縮すれば水滴が出来、本体の下部に常に水分があって当然、従って、酷い状態が正常と思われます。


参考2: 前回、エアードライヤー用ヒーターの導通が無い為に新しいヒーターを注文したと書きましたが、その後、マニュアルを読んでいて、このヒーターにはサーモスタットが内蔵されていて温度が約7度以下に下がると導通(12V用は1 - 2オーム)する事を知りました。 冷凍庫に1分ほど入れた後に測定の結果、丁度2オームを確認、古いヒーターを再度取り付けました。