記事一覧

カミンズ デイーゼルエンジン その2 カミンズエンジンの種類

ファイル 609-1.jpg

カミンズエンジンの燃料系、並びに部品に関して書く前に、少々余談になりますが、カミンズエンジンの種類に関して説明して於きます。

A. 排気量
カミンズエンジンには小さな排気量から大きな排気量まで種々ありますが、RVに使われているエンジンは5.9リットル、8.3リットルが一般的で、此れらは全て直6気筒でターボチャージャー付きです。 5.9リットルはダッジピックアップトラックにも使用されています。 高級デイーゼルプッシャーには更に大きな排気量のエンジンが搭載されている物も少なくありませんが、此処では省略します。

B. エンジンのモデル名
上の2種類のエンジンは5.9リットルが“B”シリーズ、8.3リットルが“C”シリーズ エンジンと呼ばれています。 両者は1985年に機械式燃料噴射モデル(P7100インジェクションポンプ)の12バルブとして販売が開始され、此れらは単に“B” (“C”)エンジン又はメカニカル“B”(“C”)と呼ばれ、その後1998年に電子制御(エレクトロニック)式燃料噴射モデル(VP44インジェクションポンプ)で24バルブのISB(ISC)にモデルチェンジがされました。  

要約しますと:
• カミンズ“B”シリーズ = 5.9リットル
1985-1997年  メカニカル“B” 又は 12バルブ エンジンと呼ばれる
1998-2006年  ISB、エレクトロニック、又は 24バルブ エンジンと呼ばれる

• カミンズ“C”シリーズ = 8.3リットル
1985-1997年  メカニカル“C” 又は 12バルブ エンジンと呼ばれる
1998-2006年  ISC、エレクトロニック、24バルブ エンジンと呼ばれる

VP44インジェクションポンプは精密にインジェクション制御が出来る事でエミッションを少なくする政府の要求は満たしたものの、それまでのP7100インジェクションポンプに比べて故障が多く、ポンプ本体が$1500前後、交換をした場合は$3000-$3500の費用が掛かると言われています。 故障は幾つかの点を気を付ける事に依って避ける事が出来、この件に関しては後ほど説明します。

C. 馬力(HP)
“B”シリーズエンジン(5.9リットル)並びに“C”シリーズ(8.3リットル)には多数の異なる馬力があり、RVには主に次の様な馬力のエンジンが搭載されています。
“B”シリーズ: 190HP、210HP、230HP、250HP、260HP、275HP、300HP、330HP
“C”シリーズ: 250HP、275HP、300HP、325HP、330HP、350HP

デイーゼルエンジンは、ガソリンエンジンと異なり、燃料を多く噴射する事で馬力を上げる事が出来ます。 此れらの馬力は、年と共に徐々に増しただけでは無く、同じ年代に2種類以上の馬力のエンジンの選択も可能でした。 又、馬力を増す装置や部品も色々販売されています。 

従って、デイーゼルエンジンの馬力だけではエンジンを特定する事は不可能です。

注意:
馬力を増す事は可能ですが、問題は増した馬力に駆動機構、特にトランスミッションが耐えるかです。 RVの価格を下げる為によくある事は、強度を一段下げた低価格のトランスミッションが搭載され、そのトランスミッションに見合った低い馬力のエンジンが搭載されます。 アリソン製6速のトランスミッション(MD3060)が搭載されて居れば馬力を増す事が出来る可能がありますが、耐久性、故障等に関して考える必要があります。 又、RVフォーラムで改造をした人達の書き込みに依りますと、燃費が良くなった人も居るようですが、多くの場合は燃費良くは成らないと書いています。 パワーが増すと必然的に急加速をするのも理由の様です。

参考:“B”シリーズエンジンは厳しいエミッション排出制限に応じる為に2007年に5.9リットルから6.7リットルに排気量が増しました。 この6.7リットルもBシリーズですが、殆ど全てがワイドボデイーのRVに搭載されていて、現在のところ日本に入る事は無いと思われますので、此処では省略します。

上の写真はISB エンジンですが、カミンズエンジンは写真の様な赤色に塗られています。 此れに対してキャタピラー製エンジンは黄色で、RVにも多数使用されていて、キャタピラーエンジンに固執するRVerも居ましたが、厳しいエミッション排出規制からキャタピラー社はRV用エンジン並びに道路を走るトラック用エンジンからは撤退し、現在は重機用のエンジンだけを製造しています。 従って、現在はカミンズエンジンが主ですが、近年ベンツのエンジンを搭載したRVが少しづつ多くなり、その他、僅かにナビスター(インターナショナル)製があります。

次回はカミンズエンジンの燃料系、並びに部品に関して書く予定です。

カミンズ デイーゼルエンジン その1 機能する条件

ファイル 608-1.jpg

日本に於いてカミンズ エンジンを装備したRVにお乗りの方は少ないとは思いますが、同時に情報も少ないと思われます。 その為、カミンズ デイーゼルエンジンに関して知って於くと役立ちそうな事柄を数回に渡って書く予定で居ます。 

RVパーク又は道の駅等で一夜を過ごし、翌朝出発準備が出来てエンジンを掛けようとしても始動しなくて困った経験がある方もお在りかと思います。 この様な場合に何も分からなければレッカー車で修理工場に行く事になりますし、ある程度の知識があれば、段階を踏んで確認が可能で、準備がしてあれば修理可能な場合もあります。 
急に部品を調達するとなると難しく、手に入っても高価です。 在庫がない場合、特に輸入品の場合は調達に時間が掛かります。 故障が起こらない為の準備、故障に関連した重要部品、壊れる可能性のある部品、その他、自分の此れまでの経験や、アメリカのRVフォーラムでよく書き込まれている事柄等を参考に書こうと思います。 

エンジンが機能する条件:
ガソリンエンジンが故障して始動しなくなった場合は、電気系、燃料系、機械系の三つの系統に分けて調べを進めます。 即ち、スパークプラグが点火し、シリンダー内に燃料が来ていて、圧縮がされていればエンジンは始動する筈です。
此れに比較して、デイーゼルエンジンの場合は基本的に燃料系と機械系の2つの条件が揃えば始動します、即ち燃料がシリンダー内に噴射されていて、ピストンの上下運動で圧縮が起こればエンジンは始動する筈です。
当然ながら、デイーゼルエンジンが圧縮を起こす為には電気系統も大切です。 バッテリーが弱かったりスターターモーターが機能しなければエンジンを回転させる事は出来ません。 又、カミンズのISBエンジン即ち、1998年以降に製造された電子制御のエンジンは電圧が下がり過ぎれば、走行中でも警告音を発し、数分中にはエンジンは停止して仕舞います。 従って、充電装置、配線のショート、断線等の問題も考慮する必要があります。 何れにしても、燃料がシリンダー内に噴射されて圧縮を起こせば爆発、即ちエンジンは回転を続ける筈です。

デイーゼルエンジンはスパークプラグ無しで爆発を起こします。 即ち、ガソリンエンジンに比較して圧縮比が高く、空気を高圧に圧縮したシリンダー内に燃料を噴射させて爆発を起こさせますので、デイーゼルエンジンの燃料系は重要です。

デイーゼルエンジンはガソリンエンジンに比較して低速で回転し、低回転でトルクがありますので、磨耗も少なくて耐久性があります。 従って、圧縮、即ち機械的な問題は起こり難く、多くは燃料に関連した故障です。 燃料系の問題が起こらない様に準備をし、故障した場合は燃料系の問題に対処出来る様に準備をすれば、快適なRV旅行が出来ると思います。

次回はカミンズエンジンの燃料系、並びに部品に関して書きます。

インストルメント‐パネル用照明(電球) その2

ファイル 607-1.jpgファイル 607-2.jpgファイル 607-3.jpgファイル 607-4.jpgファイル 607-5.jpg

注文していたパネル(ゲージ)照明用のLEDライトが届きましたので、LEDライトと従来の物と明るさを比べてみました。 

A. インストルメント‐パネル用LEDライトは非常に有効
上左の写真は予備のタコメーターにLEDに交換して写したものですが、中央右のオリジナルのタコメーターと比べますと見易さ(明るさ)が増しているのは明らかです。 写真は昼間に写したものですが、夜間走行状態の暗い中で確認しましたら、ゲージの見易さは抜群でした。 白色LEDを購入しましたが、ゲージは少々青みを帯びて見えます。 

電球が切れて居なくてもゲージパネルが薄暗くて見難い事を私も過去に経験した事がありますが、その様な場合は是非LEDライトに交換する事をお勧めします。 

B. インストルメント‐パネル用LEDの交換に際して
LEDに交換する際に2つのチャレンジがあります。 一つは交換可能なLEDのサイズを特定する事、もう一つは如何にパネルの後ろのライトを交換するか、即ちパネルを外すかです。 ここでは前者のLEDの特定に関して少々説明しますが、後者に関してはマニュアル等を参考にプラスチック製爪等を壊さない用に根気良く、時間を掛けて作業を進めて下さい。

参考:
上の写真で表示されている様なゲージタイプの場合はパネルを外さずにゲージを取り出してライトの交換が出来ます。 
全てのゲージは後ろから“コ”の字型の金属とナット1個(2個)で留めてあります。 最初に、ダシュボードの下から手を入れてスピードメーター又はタコメーターの何れか外し易い方を取り外します。 一個のメーターを外せば、後は外したメーターの穴から手を入れて残りのゲージは簡単に外せます。

C. パネルライト(インストルメント用)の種類
インストルメントパネル用ライトは一般的にツイストロック(Twist Lock)と呼ばれる、差し込んで僅か(10度程度)にネジって固定するタイプです。 更に、ツイストロックタイプのライトの中には一体型と、ライトとソケット部分が分かれているタイプがあります(写真下)。 以前は一体型が多かった様ですが、現在はコスト、多様性、その他の理由でライトとソケットに分かれたタイプが、特にLEDの場合は一般的な様です。 

1.ソケット部分の種類
ツイストロックのベースには5-6種類あり、それぞれ異なる大きさですので正しい大きさを選択する必要があります。 インストルメントパネル用は通常T5 又はT10 のコードで示されている物が使用されいますが、T5 をT10 に又は逆の取り付けは出来ませんので、正しい方を選択する必要があります。 尚、T20 は

2.ライト部分の種類
ツイストロックタイプのソケット部分に対してライト部分はウエッジライト、即ちクサビ形ライトと呼ばれます。 ウェッジライトには種類が数え切れないほどあります。 従来のインストルメントパネルに使用されていたインカンデッセントライトと呼ばれる、電球の場合はガラスの内部にフィラメントがあるだけですので大きさ、形状、明るさ等を統一する事は簡単だと思われますが現実は異なります。

3.インカンデッセントライト (従来型電球) の種類
ウエブサイトを見れば分かりますが、大きさ、形状、明るさ等に依って100を超える数があると思われますし、ライトの大きさ(適応性)を示すコードだけでも50を超えると思われます。
しかし、自動車のイントルメントパネル(ゲージ)用はアメリカ車も日本車も今回取り上げた2種類が一般的な様です。 右上のイラストの左の2個のライトは主にインストルメント用で、右の大きなライトはブレーキライトやバックライト用です。 自動車に一般的使用されていると思われるウエッジライトは次の様です。
サイズ T5: ウエッジライトコード 73、74
サイズ T10: ウエッジライトコード 168、192、193、194
サイズ T20: ウエッジライトコード 7743

ウエッジライトコード 73、74、又は168、192、193、194の違いはワット数。即ち明るさで、同じサイズグループであれば互換性があります。

4.LEDライト
LEDライトはライト本体の大きさ、形状に加え、発光素子の大きさ、素子の数等も色々あり、従来の電球より更に数があり、複雑です。 しかし、サイズグループが同じであれば互換性があり、後は明るさと色の選択です。 尚、LEDの場合はインカンデッセントライトと異なり明るさの種類は無限大(ワット数では表示出来ない)の為、73/74、168/193/194の様に表示されている場合があります。

LEDには、青、赤、オレンジ、緑等もあり、通常、ウエッジライトの根元の部分のプラスチックがそれぞれのライトの色で示されています。 インストルメントパネルに白以外のLED,例えばオレンジ色や緑色、更には紫を好む人も居ます。

注意1: LEDの場合は極性、即ちプラスとマイナスの方向性がありますので、取り付けて点灯しない場合は180度回転させる必要があります。 この場合、ソケットを回転しても、ウエッジライトをソケットから抜いて180度回転しても修正可能です。

注意2: LEDの場合は極端に長い物もありますので、特に長さを確認する事も大切です。

5.パネルライト(インストルメント用)ライト選択方法
写真で見ますと、特にLEDの場合は大きさは分かりませんし、ウエブサイトにはソケットの大きさやウエッジライトの大きさに関する説明は殆どありませんので、私自身も最初は迷いました。

ウエッジライトを選択する際に大切なのはT5、T10、T20 の何れのサイズかを確認し、それに適応したウエッジライトを選択すると間違い無いでしょう。

参考まにT5、T10、T20にのウエッジライトの他のコードを記して於きます。
T5: 17、18、37、70,73、74、79、85、86、その他
T10: W5W、W3W、147、152、158、159、161、168、184、192、193、194、259、280、285、447,464,501、555、558、585、655、656,657,1250、1251、1252、2450、2652、2921、2825、その他
T20: 7743、W21W、992、7440、その他

この他にも、T6.5 、T13、T15、T25等もありますので、購入時には気を付けて下さい。

インストルメント‐パネル用照明(電球)

ファイル 606-1.jpgファイル 606-2.jpgファイル 606-3.jpgファイル 606-4.jpg

質問が在りましたので、調べてみました。

インストルメント‐パネル用照明(電球)には、車のメーカーに依り何種類か有るとは思いますが、差し込んで少量ねじる、即ちツイストロックと呼ばれる電球が多い様です。 電球はツイスト部分と一体の物も有れば、ツイスト部分(ベース)にウエッジタイプの電球を差し込む物もあり、特にLEDにはこのタイプが多い様です。

クラスA(ガソリン車)、クラスB、クラスC、の照明:
照明(電球)はインストルメント‐パネルの後方から多数(5個‐20個)のツイスト電球が差し込まれています。 

昔(30年前?)、インストルメント‐パネルが暗くなり、切れていた電球の交換をした事がありますが、ダッシュボードの下からパネルの後ろに手を入れて手探りで電球を見付け、新しい物と交換しました。 多くの車には今でも全く同じタイプの電球が使用されて居る様ですが、パネルの後方に手を入れる事は困難になっていると思われます。 昔の車のダッシュボードの下は大きく開いていて簡単に手を入れる事が出来ましたが、最近の車は一寸の隙も無い位、厳重に囲いがされていますので、後部に手が入る程度にインストルメント‐パネルを外す必要があるかも知れません。

クラスA(DP‐デイーゼルプッシャー)の照明:
DPの殆ど全てが個々のゲージ内に照明が施されていて、電球を交換するにはゲージを外す必要があります。 タコメーター(スピードメーターも同じ?)はゲージの後ろから電球を交換する事が出来ますが、小さな直径が2-1/8インチ(標準サイズ)のゲージの電球はゲージの内部に収まっていて外部からは取り外せず、又、ゲージは分解出来ない構造である事が、今回調べて分かりました。

LED電球:
交換用としてLEDも多数販売されていて、電気消費量が少なく、より明るく、色も豊富ですが、消費電力を少なくする目的では余り効果は無いと思われます。 インストルメントの照明は通常走行時(発電中)だけですので、停泊状態とは異なりバッテリーの消費には影響がありません。

ハウスバッテリーを長持ちさせる為に、 B.バッテリーの寿命に関して

日本とアメリカに於けるデイープサイクルバッテリーに対する考え方:
日本のRV界ではアメリカRV界に比べてサイクルバッテリーの重要性、又は必要性が余り身近に考えられて居ない様に思われます。 アメリカでは自動車バッテリーはデイープサイクルバッテリーと異なり、RVのハウスバッテリー(日本ではサブバッテリー?)にはデイープサイクルが必用である事は殆どのRVオーナーが知っていると思われます。 

この違いは次の理由からだと思われます。
アメリカでは、デイープサイクルバッテリーに関してはRVフォーラム等で頻繁に目にします。 充電電圧、6V直列と12V並列の比較並びに配線の仕方、デイープサイクルバッテリーの種類、買い得なデイープサイクルバッテリー、デイープサイクルバッテリー購入先、その他デイープサイクルに関する話題は豊富ですので、ハウスバッテリーにはデイープサイクルバッテリーが必要な事が一般化しています(此れだけデイープサイクルバッテリーを繰り返せばデイープサイクルの名前を身近に感じて頂けると思いますし、重要性が分かって頂けるのでは?)。

アメリカにはデイープサイクルバッテリーを扱うRV部品店やバッテリー専門店、特にネットでの販売店が多数あります。 バッテリーは高価ですからRVerはRVフォーラムで質問したり、当然これ等の店を駆け巡って買い得なバッテリーを探す事になります。 自動車バッテリーはデイープサイクルバッテリーに比べて半値程度ですが、無論バッテリー販売店が自動車バッテリーをハウスバッテリー用に勧める事はありませんし、自動車バッテリーをハウスバッテリーとして購入を考えるRVerは先ず居ないと思われます。

充電の度合い:
バッテリーが満充電(100%)の状態が12.8V以上ですが、放電(電気を使用)して電気を使い干した0%の状態は0Vではありません。 ここで、是非知って頂きたい事は“0%の状態は約10.5Vです”。
大よその充電の度合いは:
 100%    12.8V
 75%    12.4V
 50%    12.2V
 25%    11.7V
  0%    10.5V

これ等の数値は温度、バッテリーの種類、その他で異なりますし、文献に依っても異なりますが、大切な事は11V以下は危険な電圧である事です。 即ち、11V以下にする度に寿命を大きく短くしていると考えるべきです。

デイープサイクルバッテリーの寿命に関して:
バッテリーの寿命は、既に書きました様に放電の度合い、即ち電圧をどの程度まで下げるかに大きく影響されます。 寿命(デイープサイクルバッテリー)に関する傾向(判断材料)として、当然ながら、一般的な大よその数値を書きます。 
75% (12.4V)   2000回(サイクル)
50% (12.2V)  1000回
25% (11.7V)  500回
0% (10.5v)  300回

デイープサイクルバッテリーの種類(硫酸鉛、AGM、ジェル等)、使用温度、製造メーカ、その他で大きく異なるのは当然です。 又、寿命はバッテリーのサイクル数に依って決まりますので、同じ1000サイクルでも一年に200サイクルの放電/充電を繰り返す場合は5年、100回の場合は10年と成ります。 又、常に12.5V前後に留めていても、チョッとした不注意で10.5V以下に下げる様な事があれば、期待するサイクル数から大きく減少する事に成ります。

次回は電圧に関して書きます。

ハウスバッテリーを長持ちさせる為に、 A.デイープサイクルバッテリーの必要性

ハウスバッテリー交換は非常に高価で、1個1万5千円から2万5千円、2個使用して居る人は3万円から5万円の出費になります。 既に何回か書き、繰り返しになりますが、無駄な出費を少しでも少なくする為に、この件に関して再度数回に分けて書きます。

バッテリーの寿命を延ばす為に知って於きたい事:
A. デイープサイクルバッテリーの必要性
B. バッテリーの寿命に関して
C. 最低電圧に気を付ける
D. 最高電圧に気を付ける
E. ?????

A. デイープサイクルバッテリーの必要性:

1. デイープサイクルバッテリーと自動車バッテリーに関して
自動車に搭載されている自動車バッテリー、又はスターターバッテリー、エンジンバッテリーと呼ばれている極く一般的なバッテリーの他にデイープサイクルバッテリー(日本ではサイクルバッテリーと呼ばれる)が有ります。 大きな違いは使用目的、並びにそれに応じた構造です。

2. デイープサイクルバッテリーを知っている人は少ない:
日本の自動車部品店、ホームセンター等のバッテリー部門にはサイクルバッテリーは稀で、店員の多くはサイクルバッテリーの知識は殆ど無く、サイクルバッテリーの名前さえ知らない人も少なくありません。 此れまで数十人の店員さんと話しましたが、キャンピングカーのハウス用にスターターを勧める人が殆どです。 バッテリー会社からホームセンターに派遣された人に依りますと(2年前)、サイクルバッテリーは特殊バッテリーで高価な為、ホームセンターでは殆ど扱われて居らず、購入する人も余り居ない為に限られた場所からだけ販売されていると話していました。

東京近辺では上の様な状況で、葉山、湘南、その他ヨットや小型船が停泊して居る近くではボート用のバッテリーとしてデープサイクルバッテリーは必需品ですので、状況は異なると思われます。 尚、バッテリーには、自動車バッテリーとデイープサイクルバッテリーの中間のマリーンバッテリーと呼ばれる物があります。

従って、キャンピングカー(RV)のハウスバッテリーにデイープサイクルバッテリーを使用して居る人は、日本では極く僅かである事は間違い無く、考え直す必用が有ると私は気になっています。

3. バッテリーの寿命:
寿命は年月でも示されますが、同時にサイクル数(回数)、即ち満充電から電気使用で生じた低電圧に成ったサイクル数(回数)でも示す事が出来ます。 後ほど更に詳しくバッテリーの寿命に関して説明しますが、

4. 自動車バッテリー:
此処からが大切です。 どうして自動車バッテリーはRVのハウスバッテリーとして適して居ないかを説明します。
自動車バッテリーはエンジンを始動させるのが重要な役割で、この際に大きな電流が瞬時に必要と成ります。 其の為に、薄い電極が多数使用され、電極の表面積が多くなる様に作られています。 電極はスポンジ状の鉛で、満充電に近い状態では問題ありませんが、放電(電気消費)して電圧を極端に下げますとスポンジ状の電極は消耗されてケースの底に壊れ落ちます。 この様な使用法、即ち、デイープサイクルを自動車バッテリーで繰り返しますと、30-150サイクル程度の寿命だとされています。 

しかし、自動車に搭載されている場合は、エンジンスタートの際に電圧を僅かに下げ、エンジンが掛かれば直ぐに満充電に近い状態に戻ります。 この様な2-5%程度の放電(電気消費)は何千回ものサイクルを繰り返す事が出来ます。

5. デイープサイクルバッテリー:
電極が厚く、少々電圧を下げても壊れ難く出来ていて、50%程度の放電に対しては1000サイクル前後には耐えるとされて居ます。 当然、放電を少なく(電圧を下げない)様に心掛ければサイクル数は伸び、寿命は長くなります。 反対に、放電、即ち電圧を下げれば下げるほど期待するサイクル数は減少し、電圧を下げ過ぎますと(10.5V以下)、例えデイープサイクルバッテリーでも寿命を極端に短くして仕舞います。 この件に関しては後ほど更に詳しく説明します。

トウド牽引を考えている人の為に: その2 トウド牽引に際して注意すべき事

ファイル 601-1.jpg

トウド牽引で注意点が幾つかあります。

A. 牽引出来ない車もある
当然ながら、トウドは軽い方が牽引車に負担が掛からず、燃費の影響も少なく、安全性も損なわれませんが、全ての車が牽引に適しているとは限りません。 前回書きました様にトランスミッションに依っては走行中にトランスミッションの潤滑油ポンプが作動せず、改造が必要な車も有ります。 又、トウドのハンドルが牽引車に着いて行きたがらない車もあります。

B. トランスミッション操作
牽引時はトウドの車輪が自由に回転する必要があります。 多くのマニュアルトランスミッションの場合はニュートラルに入れれば問題はありませんが、オートマチックの場合はニュートラルであると同時にトランスミッションの潤滑油ポンプが作動する必要があります。 車に依っては単にニュートラルに入れただけではポンプが作動しない車もあります。 例えば、ホンダ車の場合は、 “バック”から“ニュートラル”にシフトさせるとポンプは作動せず、“ドライブ”から“ニュートラル”にシフトさせる必要がありす。 

C. キー
トウドのハンドルはキーが入っていない状態では回転しません。 従って、キーを必ずアクセサリーの位置に留め、キーを差し込んだままで走行する必要があります。 尚、キーがアクセサリーの位置ですとラジオ、ヒーターファン、その他アクセサリーがオンの状態ですとバッテリーを消耗させますので必ず全てのアクセサリーのスイッチをオフにする必要があります。 ナビをオフに出来ない車もあり、この様な車のバッテリー消耗を無くす為にはスイッチ取り付けを考慮する必要があります。

D. 急ハンドル
牽引に適しているトウドでも急ハンドルを切ると問題が起こる事があります。 走行中はこの様な問題は起こりませんが、例えば道路端に車と車の間に駐車していて、急ハンドルを切って出る必要が有る場合、牽引車は尻を振りますのでトウドが縁石に乗り上げる可能性があります。 又、停止した状態で急ハンドルを切るとトウドのハンドルが逆に回って車輪が進行方向と反対に切れて仕舞う事もあります。 一度ハンドルが反対に切れてしまいますと、止まって進行方向に直す以外は元に戻りません、即ち走り続けるとタイヤを駄目にして仕舞い、場合に依ってはステアリング機構の損傷も有り得ます。

E. バック
トレーラーと異なり、フォーダウン(4輪が接地)の場合はバックをするとハンドルが進行方向とは異なる方向に切れ、牽引装置、トウドのステアリング機構、タイヤ等に損傷を加える可能性が出て来ます。 牽引車とトウドが直線状態で駐車して居る場合は真っ直ぐに1m程度はバックしても問題は起こりませんが、それ以上は避けた方が良いでしょう。

F. 曲がった状態では外れない
トウドを牽引車から外す場合は、牽引車とトウドが直線状態で駐車すると簡単に外れます。 しかし、カーブを切った状態ですと牽引装置に横向きの力が掛かって外すには大きな力が必要となり、外れない場合も有り得ます。

G. バッテリー消耗
牽引中はトウドのエンジンは停止して居ますので、長期間(数日間)牽引を続けるとバッテリーを消耗してエンジンを始動出来なくなる場合があります。 自然消耗の他に、トウド牽引中に作動するブレーキ装置を取り付けていればブレーキライト点等でもバッテリーは消耗します。 牽引車のバッテリーからトウドのバッテリーに電線を繋げる事で、バッテリー消耗を避ける事が出来ます。


ヒッチ取り付けに関しても幾つか気を付ける点がありますが、将来質問が出た場合に書きます。

トウド牽引を考えている人の為に: その1 トウド牽引の概要

ファイル 599-1.jpgファイル 599-2.jpgファイル 599-3.jpgファイル 599-4.jpg

今回はトウド牽引を考えている人の為に、必要な装備、注意点、大よその装備価格、トウドに適した車、その他アメリカに於ける現状を書きます。

参考:
http://www.royrobinsonrv.com/images/pdf/DinghyGuide2013.pdf

A. トウドとは:
クラスAやクラスCのRVで牽引する乗用車やバギー等を言います。 この事に関しては以前書きましたので次のサイトを参考にして下さい。
http://www.net-camper.com/cgi-bin/rv-ken/diarypro/diary.cgi?no=286

http://www.net-camper.com/cgi-bin/rv-ken/diarypro/diary.cgi?no=151

大型RV(クラスAやDP)は小回りが効かず駐車スペースも中々無く、目的地に着いてからの移動が不便です。 駐車スペースに恵まれているアメリカでさえ、移動する為に電気や下水道のフックアップを外して動ける状態したり、観光地をアチコチ走り回るのは不便です。 又、移動中に故障、特にエンジンや駆動関係の故障が起きた場合にはトウドがあると部品調達等に役立ちます。 従って、アメリカでは殆どのクラスAがトウドを牽引しており、最近ではクラスCは勿論、クラスBでもトウドを牽引して居るのを見る事が有ります。 燃費低下はそれほど無く(10%以下?)で、運転の仕方(急加速や無理な登坂)、風の抵抗、速度の出し過ぎの方が影響が大きいと思います。 日本では牽引免許が必要かも知れませんが、アメリカでは殆どの州で合法的に乗用車の免許でクラスAは勿論、トウド牽引の運転も出来ます。

B. トウド牽引に必要な装備:
基本的なヒッチ、トウバー、ベースプレートの他に、幾つかの必需品があります。 

1. ヒッチ ($100‐$300)
牽引車(クラスA、クラスC、トラック等)に取り付けられた牽引用の構造物を指し、この後部中央に通常2インチ(他のサイズもある)の四角い穴の開いた金属パイプが取り付けてあります。 この四角い金属パイプ部分をレシーバーと呼びますが、一般的にこの部分もヒッチと呼ばれています。 更にこの四角い金属パイプに差し込まれたヒッチボールの取り付けられた部品をボールマウント呼びますが、ヒッチボールも含めてヒッチと呼ばれるのが一般的です。

ヒッチ(構造物)には牽引強度に応じてクラスI(最大910Kg)、クラスII(最大1600Kg)、クラスIII(最大2300Kg)、クラスIV(最大4500Kg)、クラスV等がありますが、一般的なヒッチはクラスIIIが装備されていると考えた方が無難で、2300Kg以上の牽引をする場合は確認をする必要があります。

注意:
アメリカ製RV(クラスA、クラスC、トラック等)には車内にGVWR=Gross Vehicle Weight Rating(最大許容重量)とGross Combined Weight Rating=GCWRの表示が義務付けられており、この数値の差がトウドの最大重量となります。 従って、この数値より大きな牽引はヒッチを交換しても出来ません。

2. トウバー ($300‐$600)
牽引車(クラスA)と牽引される車(トウド)を繋げる通常三角形をした金属構造物を呼び、機能により数種類あります。 ヒッチに接続の仕方によりボールヒッチタイプと直接レシーバーに差し込むタイプがあります。 トウドを牽引しない場合も常にトウバーを牽引車の後部に固定(保管)するタイプはレシーバーに差し込むタイプが殆どですが、反対にトウバーをトウドに固定(牽引されない場合もトウバーを取り付けたまま)するタイプはボールヒッチタイプが多い様です。
 
トウバーと一緒に必用なのが牽引車とトウドを繋ぐ、両端に差し込みプラグが付いた電気ケーブルで、左右のブレーキライト、アース、その他、方向指示ライトやプラス電源等の4本から7本の線が入ったケーブルが必要です($50-$80)。
トレーラーに乗せたり、前輪を上げて牽引することに対して、トウドをそのまま牽引することをフォーダウン、フラットトウと呼びますが、フォーダウンのトウドを牽引車に接続する為には、トレーラーや前輪を上げる場合と異なり、牽引車とトウドが正確な位置関係に無いと接続が不可能です。 此れを解消する為に最近の多くのトウバーは左右のアームの長さが伸縮出来る様になって居ます。 旧型、又は簡単(安価)な伸縮機能の無いトウバーはトウド接続に時間を要します。

3. ベースプレート(トウイングブラケット)($350‐$500)
トウドの前部にトウバーを接続する構造物で、既存のボルトやナットを利用して最小限の穴あけや加工で取り付けが可能になっています。 

ロードマスター社はトウイングブラケットと呼ぶ様ですが、ここでは一般的なベースプレートの名称を使います。
アメリカで販売されている車の多くは既製品のベースプレートを購入する事が出来ます。 ブルーオックス社とロードマスター社の2社が此れまで多数を製造しており、年式やモデルにより数百種類の異なる取り付け構造のベースプレートが製造されていると思われます。
http://www.rvcharts.com/sites/default/files/Blue%20Ox%202010%20Fit%20List.pdf
http://roadmasterinc.com/bg_/bg_rmi_std.pdf

4輪駆動車や軽量車がトウドとしてポピュラーですが、年月と共に重量や価格の変動、更には製造中止や牽引に適した新型モデル登場等で穏やかな変化が見られます。 最近はシボレーの小型乗用車が目に付きますが、過去にはPTクルーザー、スバルフォレスター、スズキジムニー、GMサターン、改造バギー等が多く見られました。 ホンダCRVは1995年に登場して以来トウドとして常に人気があります。 全ての年式やモデルではありませんが、リンカーン、キャデラック、ベンツ、BMW等のベースプレートも多数製造されていますので、現在これ等の車をお持ちの方で牽引を考えている方は牽引出来る可能性が大いにあります。 

4. トウドのブレーキライト用配線 ($30-$50)
牽引中にトウドのブレーキライトや方向指示ライトの作動が必要で、トウドの配線に手を加える必要です。 最近の車は電子制御が使用されて居ますので、電流を逆流させるとエンジンコンピューター(ECM)の故障の原因にも成り兼ねませんので、電流逆流防止のダイオードを挿入してブレーキライトや指示ライトの配線をする必要があります。 高校の理科程度の知識で自分で配線が出来ますが、ダイオードが組み込まれた汎用型キットが安価で販売されていますし、年式やモデルに応じて差込みをするだけで、線を切ったり接続せずに使用出来るセットも販売されています。

5. 安全ケーブル ($50-$80)
何らかの理由で、トウドが牽引車から外れた場合に一人で走り去って行かない為の金属ケーブル、又はチェーンの使用が義務付けられています。 

6. トウドブレーキ ($300-$1200)
牽引中のトウド用ブレーキ作動装置で、10社前後の会社が異なる装置を製造製造しています。 制動時の慣性力を利用したもの、電気、バキューム、コンプレッサー、DPの圧縮空気、金属線を利用した物等様々ですが、急ブレーキの場合だけに作動するタイプと常に牽引車と連携するタイプがあります。 連携するタイプは高価で、このタイプを絶賛するRVerは少なくありませんが、私は普段はトウドのブレーキが作動しないタイプを好みます。 理由は、通常時に小さなトウドのブレーキが作動しても大して影響は無く、滑り易い道路では速度を落とせば安全です。 又、牽引車の大きなブレーキパッドやシューは殆ど減りませんが、トウドのパッドやシューには相当の負担となります。 緊急時に作動すれば充分です。
アメリカ国内ではトウドブレーキを必要としない州もありますが、殆どの州でトウドブレーキの必要性が法律で定められていて、カナダも全州で必用とされています。 カナダのブリテイッシコロンビア州では取締りが厳しいと聞いていますが、他では強制はしてい無い様です。 しかし、問題は事故を起した時で、保険が出なくなる可能性も考えられます。

尚、トウドが外れた場合にトウドにブレーキが作動する装置も必要ですが、此れは誤作動を起してブレーキを焼き付けて仕舞ったりタイヤを駄目にした報告もある為に、個人の判断が必要です。

7. タイヤプレッシャーモニター ($400-$600)
一般にTPMSと呼ばれる装置で、各々のホイールに取り付けられたセンサーが空気圧(温度)を無線で牽引車に装備したモニターに表示します。 
トウドの空気圧が下がっても運転席からは分かりません。 バーストの一番の原因は空気圧不足ですので、取り付けの必要はありませんがバースト回避に役立ちます。 

C.  牽引可能な車
全ての車が牽引可能ではありません。 

1. トウドに適した車
更に重要なのはトランスミッションの構造に依って牽引出来ない車が多数あります。 主にオートマチックトランスミッション付きですが、これ等の車を牽引しますとトランスミッションが焼き付いてしまいます。 一般的に、ホンダ(必用操作あり)、GM(シボレー、ポンテイアック、ビュイック、キャデラック)、ダッジのオートマチック車は牽引が可能ですが、その他の車の場合は一般的にマニュアル車でないと牽引が出来ません。 スバルフォーレスター(全てのスバル車)やトヨタラブ4等はマニュアル車だけが牽引可能です。 しかし、ラブ4の場合10年程前にマニュアルトランスミッションの廃止になり、牽引する為には特殊装備が必要になりました。

2. 全てのオートマチック車は牽引可能
オートマチック車が牽引出来ない場合の理由は牽引時にトランスミッションの潤滑油ポンプが作動しない為に焼付きを起こす為です。 此れを解決する会社がRemco社で、以前はこの問題を解決する改造部品や装備を専門的に販売していて、3種類の方法がありましたが、現在は電動潤滑ポンプと後輪駆動車用に駆動軸を外す装置の2種類を販売して居るようです。
http://www.ocalahitch.com/LubePumps.aspx


既に所有しているオートマチック車が牽引に適していない場合に、トウド(新車、中古車)に使用出来る車を購入するか、既存の車を使用するかの選択は人それぞれ異なりますが、長年使用した愛着や買い替え費用に対して、改造(装備)費用や牽引時の余分の操作や装備のメインテナンス等を考慮する必要があります(当たり前)。


次回はトウド牽引に関して、装備、注意点等、知っておきたい点を書く予定です。