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ハウスバッテリーを長持ちさせる為に、 B.バッテリーの寿命に関して

日本とアメリカに於けるデイープサイクルバッテリーに対する考え方:
日本のRV界ではアメリカRV界に比べてサイクルバッテリーの重要性、又は必要性が余り身近に考えられて居ない様に思われます。 アメリカでは自動車バッテリーはデイープサイクルバッテリーと異なり、RVのハウスバッテリー(日本ではサブバッテリー?)にはデイープサイクルが必用である事は殆どのRVオーナーが知っていると思われます。 

この違いは次の理由からだと思われます。
アメリカでは、デイープサイクルバッテリーに関してはRVフォーラム等で頻繁に目にします。 充電電圧、6V直列と12V並列の比較並びに配線の仕方、デイープサイクルバッテリーの種類、買い得なデイープサイクルバッテリー、デイープサイクルバッテリー購入先、その他デイープサイクルに関する話題は豊富ですので、ハウスバッテリーにはデイープサイクルバッテリーが必要な事が一般化しています(此れだけデイープサイクルバッテリーを繰り返せばデイープサイクルの名前を身近に感じて頂けると思いますし、重要性が分かって頂けるのでは?)。

アメリカにはデイープサイクルバッテリーを扱うRV部品店やバッテリー専門店、特にネットでの販売店が多数あります。 バッテリーは高価ですからRVerはRVフォーラムで質問したり、当然これ等の店を駆け巡って買い得なバッテリーを探す事になります。 自動車バッテリーはデイープサイクルバッテリーに比べて半値程度ですが、無論バッテリー販売店が自動車バッテリーをハウスバッテリー用に勧める事はありませんし、自動車バッテリーをハウスバッテリーとして購入を考えるRVerは先ず居ないと思われます。

充電の度合い:
バッテリーが満充電(100%)の状態が12.8V以上ですが、放電(電気を使用)して電気を使い干した0%の状態は0Vではありません。 ここで、是非知って頂きたい事は“0%の状態は約10.5Vです”。
大よその充電の度合いは:
 100%    12.8V
 75%    12.4V
 50%    12.2V
 25%    11.7V
  0%    10.5V

これ等の数値は温度、バッテリーの種類、その他で異なりますし、文献に依っても異なりますが、大切な事は11V以下は危険な電圧である事です。 即ち、11V以下にする度に寿命を大きく短くしていると考えるべきです。

デイープサイクルバッテリーの寿命に関して:
バッテリーの寿命は、既に書きました様に放電の度合い、即ち電圧をどの程度まで下げるかに大きく影響されます。 寿命(デイープサイクルバッテリー)に関する傾向(判断材料)として、当然ながら、一般的な大よその数値を書きます。 
75% (12.4V)   2000回(サイクル)
50% (12.2V)  1000回
25% (11.7V)  500回
0% (10.5v)  300回

デイープサイクルバッテリーの種類(硫酸鉛、AGM、ジェル等)、使用温度、製造メーカ、その他で大きく異なるのは当然です。 又、寿命はバッテリーのサイクル数に依って決まりますので、同じ1000サイクルでも一年に200サイクルの放電/充電を繰り返す場合は5年、100回の場合は10年と成ります。 又、常に12.5V前後に留めていても、チョッとした不注意で10.5V以下に下げる様な事があれば、期待するサイクル数から大きく減少する事に成ります。

次回は電圧に関して書きます。

ハウスバッテリーを長持ちさせる為に、 A.デイープサイクルバッテリーの必要性

ハウスバッテリー交換は非常に高価で、1個1万5千円から2万5千円、2個使用して居る人は3万円から5万円の出費になります。 既に何回か書き、繰り返しになりますが、無駄な出費を少しでも少なくする為に、この件に関して再度数回に分けて書きます。

バッテリーの寿命を延ばす為に知って於きたい事:
A. デイープサイクルバッテリーの必要性
B. バッテリーの寿命に関して
C. 最低電圧に気を付ける
D. 最高電圧に気を付ける
E. ?????

A. デイープサイクルバッテリーの必要性:

1. デイープサイクルバッテリーと自動車バッテリーに関して
自動車に搭載されている自動車バッテリー、又はスターターバッテリー、エンジンバッテリーと呼ばれている極く一般的なバッテリーの他にデイープサイクルバッテリー(日本ではサイクルバッテリーと呼ばれる)が有ります。 大きな違いは使用目的、並びにそれに応じた構造です。

2. デイープサイクルバッテリーを知っている人は少ない:
日本の自動車部品店、ホームセンター等のバッテリー部門にはサイクルバッテリーは稀で、店員の多くはサイクルバッテリーの知識は殆ど無く、サイクルバッテリーの名前さえ知らない人も少なくありません。 此れまで数十人の店員さんと話しましたが、キャンピングカーのハウス用にスターターを勧める人が殆どです。 バッテリー会社からホームセンターに派遣された人に依りますと(2年前)、サイクルバッテリーは特殊バッテリーで高価な為、ホームセンターでは殆ど扱われて居らず、購入する人も余り居ない為に限られた場所からだけ販売されていると話していました。

東京近辺では上の様な状況で、葉山、湘南、その他ヨットや小型船が停泊して居る近くではボート用のバッテリーとしてデープサイクルバッテリーは必需品ですので、状況は異なると思われます。 尚、バッテリーには、自動車バッテリーとデイープサイクルバッテリーの中間のマリーンバッテリーと呼ばれる物があります。

従って、キャンピングカー(RV)のハウスバッテリーにデイープサイクルバッテリーを使用して居る人は、日本では極く僅かである事は間違い無く、考え直す必用が有ると私は気になっています。

3. バッテリーの寿命:
寿命は年月でも示されますが、同時にサイクル数(回数)、即ち満充電から電気使用で生じた低電圧に成ったサイクル数(回数)でも示す事が出来ます。 後ほど更に詳しくバッテリーの寿命に関して説明しますが、

4. 自動車バッテリー:
此処からが大切です。 どうして自動車バッテリーはRVのハウスバッテリーとして適して居ないかを説明します。
自動車バッテリーはエンジンを始動させるのが重要な役割で、この際に大きな電流が瞬時に必要と成ります。 其の為に、薄い電極が多数使用され、電極の表面積が多くなる様に作られています。 電極はスポンジ状の鉛で、満充電に近い状態では問題ありませんが、放電(電気消費)して電圧を極端に下げますとスポンジ状の電極は消耗されてケースの底に壊れ落ちます。 この様な使用法、即ち、デイープサイクルを自動車バッテリーで繰り返しますと、30-150サイクル程度の寿命だとされています。 

しかし、自動車に搭載されている場合は、エンジンスタートの際に電圧を僅かに下げ、エンジンが掛かれば直ぐに満充電に近い状態に戻ります。 この様な2-5%程度の放電(電気消費)は何千回ものサイクルを繰り返す事が出来ます。

5. デイープサイクルバッテリー:
電極が厚く、少々電圧を下げても壊れ難く出来ていて、50%程度の放電に対しては1000サイクル前後には耐えるとされて居ます。 当然、放電を少なく(電圧を下げない)様に心掛ければサイクル数は伸び、寿命は長くなります。 反対に、放電、即ち電圧を下げれば下げるほど期待するサイクル数は減少し、電圧を下げ過ぎますと(10.5V以下)、例えデイープサイクルバッテリーでも寿命を極端に短くして仕舞います。 この件に関しては後ほど更に詳しく説明します。

トウド牽引を考えている人の為に: その2 トウド牽引に際して注意すべき事

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トウド牽引で注意点が幾つかあります。

A. 牽引出来ない車もある
当然ながら、トウドは軽い方が牽引車に負担が掛からず、燃費の影響も少なく、安全性も損なわれませんが、全ての車が牽引に適しているとは限りません。 前回書きました様にトランスミッションに依っては走行中にトランスミッションの潤滑油ポンプが作動せず、改造が必要な車も有ります。 又、トウドのハンドルが牽引車に着いて行きたがらない車もあります。

B. トランスミッション操作
牽引時はトウドの車輪が自由に回転する必要があります。 多くのマニュアルトランスミッションの場合はニュートラルに入れれば問題はありませんが、オートマチックの場合はニュートラルであると同時にトランスミッションの潤滑油ポンプが作動する必要があります。 車に依っては単にニュートラルに入れただけではポンプが作動しない車もあります。 例えば、ホンダ車の場合は、 “バック”から“ニュートラル”にシフトさせるとポンプは作動せず、“ドライブ”から“ニュートラル”にシフトさせる必要がありす。 

C. キー
トウドのハンドルはキーが入っていない状態では回転しません。 従って、キーを必ずアクセサリーの位置に留め、キーを差し込んだままで走行する必要があります。 尚、キーがアクセサリーの位置ですとラジオ、ヒーターファン、その他アクセサリーがオンの状態ですとバッテリーを消耗させますので必ず全てのアクセサリーのスイッチをオフにする必要があります。 ナビをオフに出来ない車もあり、この様な車のバッテリー消耗を無くす為にはスイッチ取り付けを考慮する必要があります。

D. 急ハンドル
牽引に適しているトウドでも急ハンドルを切ると問題が起こる事があります。 走行中はこの様な問題は起こりませんが、例えば道路端に車と車の間に駐車していて、急ハンドルを切って出る必要が有る場合、牽引車は尻を振りますのでトウドが縁石に乗り上げる可能性があります。 又、停止した状態で急ハンドルを切るとトウドのハンドルが逆に回って車輪が進行方向と反対に切れて仕舞う事もあります。 一度ハンドルが反対に切れてしまいますと、止まって進行方向に直す以外は元に戻りません、即ち走り続けるとタイヤを駄目にして仕舞い、場合に依ってはステアリング機構の損傷も有り得ます。

E. バック
トレーラーと異なり、フォーダウン(4輪が接地)の場合はバックをするとハンドルが進行方向とは異なる方向に切れ、牽引装置、トウドのステアリング機構、タイヤ等に損傷を加える可能性が出て来ます。 牽引車とトウドが直線状態で駐車して居る場合は真っ直ぐに1m程度はバックしても問題は起こりませんが、それ以上は避けた方が良いでしょう。

F. 曲がった状態では外れない
トウドを牽引車から外す場合は、牽引車とトウドが直線状態で駐車すると簡単に外れます。 しかし、カーブを切った状態ですと牽引装置に横向きの力が掛かって外すには大きな力が必要となり、外れない場合も有り得ます。

G. バッテリー消耗
牽引中はトウドのエンジンは停止して居ますので、長期間(数日間)牽引を続けるとバッテリーを消耗してエンジンを始動出来なくなる場合があります。 自然消耗の他に、トウド牽引中に作動するブレーキ装置を取り付けていればブレーキライト点等でもバッテリーは消耗します。 牽引車のバッテリーからトウドのバッテリーに電線を繋げる事で、バッテリー消耗を避ける事が出来ます。


ヒッチ取り付けに関しても幾つか気を付ける点がありますが、将来質問が出た場合に書きます。

大雪 - 100台の玉突き事故

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アメリカ東部で大雪が降ると必ずと言って良い位日本でも大雪が降ります。 東京は雪で交通が混乱したそうですが、大雪が降ったアメリカ東部でも交通が混乱しました。 飛行機は殆ど全てが欠航、25年以来の事だそうです。  

先週も大雪が降って(日本と同じ日に)、高速道路で多数の事故が起き、渋滞で動けなくなって車の中で一夜を過ごしたり、車を置き去りにする人も多く出ました。 スクールバスが動けなかったり、親が迎えに行く事が出来なくて、小学生児童が学校で一夜を過ごした所も少なく無かった様です。 

しかし、今回は2日程前から記録破りの大雪が来るとの予報が大々的に報じられていた為、殆どの学校や会社が休みにしたそうです。 大雪が降る前日にテレビで道路状況を映していましたが、薄っすら積もった高速道路は車が5秒に1台程度しか走っていませんでした。

其れにも関わらず、事故は起こりました。 
次の写真とビデオは昨日東部の有料道路(ペンシルバニア‐ターンパイク)で起こった100台の玉突き事故です。 30人が怪我で病院に担ぎ込まれたそうですが、幸い死者は出なかったそうです。 雪で滑り易い状態であった為に皆スピードは出していなかったとは思われますが、大型トラック同士の間に挟まれたり、乗り潰されて死者が出ても不思議では無い状況です。

写真:
http://www.nydailynews.com/news/national/pennsylvania-turnpike-turned-parking-lot-100-car-pileup-article-1.1614363

http://www.dailymail.co.uk/news/article-2559527/100-cars-involved-Pennsylvania-Turnpike-pile-stretches-nine-miles.html

ビデオ:
http://www.youtube.com/watch?v=BqKYVBPjdO4

トウド牽引を考えている人の為に: その1 トウド牽引の概要

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今回はトウド牽引を考えている人の為に、必要な装備、注意点、大よその装備価格、トウドに適した車、その他アメリカに於ける現状を書きます。

参考:
http://www.royrobinsonrv.com/images/pdf/DinghyGuide2013.pdf

A. トウドとは:
クラスAやクラスCのRVで牽引する乗用車やバギー等を言います。 この事に関しては以前書きましたので次のサイトを参考にして下さい。
http://www.net-camper.com/cgi-bin/rv-ken/diarypro/diary.cgi?no=286

http://www.net-camper.com/cgi-bin/rv-ken/diarypro/diary.cgi?no=151

大型RV(クラスAやDP)は小回りが効かず駐車スペースも中々無く、目的地に着いてからの移動が不便です。 駐車スペースに恵まれているアメリカでさえ、移動する為に電気や下水道のフックアップを外して動ける状態したり、観光地をアチコチ走り回るのは不便です。 又、移動中に故障、特にエンジンや駆動関係の故障が起きた場合にはトウドがあると部品調達等に役立ちます。 従って、アメリカでは殆どのクラスAがトウドを牽引しており、最近ではクラスCは勿論、クラスBでもトウドを牽引して居るのを見る事が有ります。 燃費低下はそれほど無く(10%以下?)で、運転の仕方(急加速や無理な登坂)、風の抵抗、速度の出し過ぎの方が影響が大きいと思います。 日本では牽引免許が必要かも知れませんが、アメリカでは殆どの州で合法的に乗用車の免許でクラスAは勿論、トウド牽引の運転も出来ます。

B. トウド牽引に必要な装備:
基本的なヒッチ、トウバー、ベースプレートの他に、幾つかの必需品があります。 

1. ヒッチ ($100‐$300)
牽引車(クラスA、クラスC、トラック等)に取り付けられた牽引用の構造物を指し、この後部中央に通常2インチ(他のサイズもある)の四角い穴の開いた金属パイプが取り付けてあります。 この四角い金属パイプ部分をレシーバーと呼びますが、一般的にこの部分もヒッチと呼ばれています。 更にこの四角い金属パイプに差し込まれたヒッチボールの取り付けられた部品をボールマウント呼びますが、ヒッチボールも含めてヒッチと呼ばれるのが一般的です。

ヒッチ(構造物)には牽引強度に応じてクラスI(最大910Kg)、クラスII(最大1600Kg)、クラスIII(最大2300Kg)、クラスIV(最大4500Kg)、クラスV等がありますが、一般的なヒッチはクラスIIIが装備されていると考えた方が無難で、2300Kg以上の牽引をする場合は確認をする必要があります。

注意:
アメリカ製RV(クラスA、クラスC、トラック等)には車内にGVWR=Gross Vehicle Weight Rating(最大許容重量)とGross Combined Weight Rating=GCWRの表示が義務付けられており、この数値の差がトウドの最大重量となります。 従って、この数値より大きな牽引はヒッチを交換しても出来ません。

2. トウバー ($300‐$600)
牽引車(クラスA)と牽引される車(トウド)を繋げる通常三角形をした金属構造物を呼び、機能により数種類あります。 ヒッチに接続の仕方によりボールヒッチタイプと直接レシーバーに差し込むタイプがあります。 トウドを牽引しない場合も常にトウバーを牽引車の後部に固定(保管)するタイプはレシーバーに差し込むタイプが殆どですが、反対にトウバーをトウドに固定(牽引されない場合もトウバーを取り付けたまま)するタイプはボールヒッチタイプが多い様です。
 
トウバーと一緒に必用なのが牽引車とトウドを繋ぐ、両端に差し込みプラグが付いた電気ケーブルで、左右のブレーキライト、アース、その他、方向指示ライトやプラス電源等の4本から7本の線が入ったケーブルが必要です($50-$80)。
トレーラーに乗せたり、前輪を上げて牽引することに対して、トウドをそのまま牽引することをフォーダウン、フラットトウと呼びますが、フォーダウンのトウドを牽引車に接続する為には、トレーラーや前輪を上げる場合と異なり、牽引車とトウドが正確な位置関係に無いと接続が不可能です。 此れを解消する為に最近の多くのトウバーは左右のアームの長さが伸縮出来る様になって居ます。 旧型、又は簡単(安価)な伸縮機能の無いトウバーはトウド接続に時間を要します。

3. ベースプレート(トウイングブラケット)($350‐$500)
トウドの前部にトウバーを接続する構造物で、既存のボルトやナットを利用して最小限の穴あけや加工で取り付けが可能になっています。 

ロードマスター社はトウイングブラケットと呼ぶ様ですが、ここでは一般的なベースプレートの名称を使います。
アメリカで販売されている車の多くは既製品のベースプレートを購入する事が出来ます。 ブルーオックス社とロードマスター社の2社が此れまで多数を製造しており、年式やモデルにより数百種類の異なる取り付け構造のベースプレートが製造されていると思われます。
http://www.rvcharts.com/sites/default/files/Blue%20Ox%202010%20Fit%20List.pdf
http://roadmasterinc.com/bg_/bg_rmi_std.pdf

4輪駆動車や軽量車がトウドとしてポピュラーですが、年月と共に重量や価格の変動、更には製造中止や牽引に適した新型モデル登場等で穏やかな変化が見られます。 最近はシボレーの小型乗用車が目に付きますが、過去にはPTクルーザー、スバルフォレスター、スズキジムニー、GMサターン、改造バギー等が多く見られました。 ホンダCRVは1995年に登場して以来トウドとして常に人気があります。 全ての年式やモデルではありませんが、リンカーン、キャデラック、ベンツ、BMW等のベースプレートも多数製造されていますので、現在これ等の車をお持ちの方で牽引を考えている方は牽引出来る可能性が大いにあります。 

4. トウドのブレーキライト用配線 ($30-$50)
牽引中にトウドのブレーキライトや方向指示ライトの作動が必要で、トウドの配線に手を加える必要です。 最近の車は電子制御が使用されて居ますので、電流を逆流させるとエンジンコンピューター(ECM)の故障の原因にも成り兼ねませんので、電流逆流防止のダイオードを挿入してブレーキライトや指示ライトの配線をする必要があります。 高校の理科程度の知識で自分で配線が出来ますが、ダイオードが組み込まれた汎用型キットが安価で販売されていますし、年式やモデルに応じて差込みをするだけで、線を切ったり接続せずに使用出来るセットも販売されています。

5. 安全ケーブル ($50-$80)
何らかの理由で、トウドが牽引車から外れた場合に一人で走り去って行かない為の金属ケーブル、又はチェーンの使用が義務付けられています。 

6. トウドブレーキ ($300-$1200)
牽引中のトウド用ブレーキ作動装置で、10社前後の会社が異なる装置を製造製造しています。 制動時の慣性力を利用したもの、電気、バキューム、コンプレッサー、DPの圧縮空気、金属線を利用した物等様々ですが、急ブレーキの場合だけに作動するタイプと常に牽引車と連携するタイプがあります。 連携するタイプは高価で、このタイプを絶賛するRVerは少なくありませんが、私は普段はトウドのブレーキが作動しないタイプを好みます。 理由は、通常時に小さなトウドのブレーキが作動しても大して影響は無く、滑り易い道路では速度を落とせば安全です。 又、牽引車の大きなブレーキパッドやシューは殆ど減りませんが、トウドのパッドやシューには相当の負担となります。 緊急時に作動すれば充分です。
アメリカ国内ではトウドブレーキを必要としない州もありますが、殆どの州でトウドブレーキの必要性が法律で定められていて、カナダも全州で必用とされています。 カナダのブリテイッシコロンビア州では取締りが厳しいと聞いていますが、他では強制はしてい無い様です。 しかし、問題は事故を起した時で、保険が出なくなる可能性も考えられます。

尚、トウドが外れた場合にトウドにブレーキが作動する装置も必要ですが、此れは誤作動を起してブレーキを焼き付けて仕舞ったりタイヤを駄目にした報告もある為に、個人の判断が必要です。

7. タイヤプレッシャーモニター ($400-$600)
一般にTPMSと呼ばれる装置で、各々のホイールに取り付けられたセンサーが空気圧(温度)を無線で牽引車に装備したモニターに表示します。 
トウドの空気圧が下がっても運転席からは分かりません。 バーストの一番の原因は空気圧不足ですので、取り付けの必要はありませんがバースト回避に役立ちます。 

C.  牽引可能な車
全ての車が牽引可能ではありません。 

1. トウドに適した車
更に重要なのはトランスミッションの構造に依って牽引出来ない車が多数あります。 主にオートマチックトランスミッション付きですが、これ等の車を牽引しますとトランスミッションが焼き付いてしまいます。 一般的に、ホンダ(必用操作あり)、GM(シボレー、ポンテイアック、ビュイック、キャデラック)、ダッジのオートマチック車は牽引が可能ですが、その他の車の場合は一般的にマニュアル車でないと牽引が出来ません。 スバルフォーレスター(全てのスバル車)やトヨタラブ4等はマニュアル車だけが牽引可能です。 しかし、ラブ4の場合10年程前にマニュアルトランスミッションの廃止になり、牽引する為には特殊装備が必要になりました。

2. 全てのオートマチック車は牽引可能
オートマチック車が牽引出来ない場合の理由は牽引時にトランスミッションの潤滑油ポンプが作動しない為に焼付きを起こす為です。 此れを解決する会社がRemco社で、以前はこの問題を解決する改造部品や装備を専門的に販売していて、3種類の方法がありましたが、現在は電動潤滑ポンプと後輪駆動車用に駆動軸を外す装置の2種類を販売して居るようです。
http://www.ocalahitch.com/LubePumps.aspx


既に所有しているオートマチック車が牽引に適していない場合に、トウド(新車、中古車)に使用出来る車を購入するか、既存の車を使用するかの選択は人それぞれ異なりますが、長年使用した愛着や買い替え費用に対して、改造(装備)費用や牽引時の余分の操作や装備のメインテナンス等を考慮する必要があります(当たり前)。


次回はトウド牽引に関して、装備、注意点等、知っておきたい点を書く予定です。

スターターバッテリーをハウスバッテリーに使用?

“スターターバッテリー(自動車用)でも6年前後使用出来る”と言う可能性は在り得ます、 しかし、此れは単に可能性です。 確かにスターターバッテリーはデイープサイクルバッテリーに比べて安く購入出来ますが、果たしてどちらが得なのでしょう?

この様な問題を証明する事は、“オイルを3000Km毎に交換と10000Km毎に交換とどちらが得か?”と同様に証明は不可能に近いでしょう。 3000Km毎に交換したエンジンも壊れる事がありますし、10000Km毎に交換したエンジンが壊れてもオイル交換頻度には全く関係が無いかも知れません。 エンジン内部部品の磨耗の度合いもオイル交換頻度より更に大きな影響をする事があると思われます(オイル関係以外の故障中のエンジン回転、始動時のオイルが下がった状態、オーバーヒート、その他)。

私は以前スターターバッテリーを購入して駄目にした経験がありますし、又8年(?)前に購入したデイープサイクルバッテリーは現在も問題無く使用しています。 私の経験や此れまでに読んだ他のRVer達の意見(経験)を総合しますと、全く同じ条件で両者を比較した場合はスターターバッテリーが早く駄目になるのは明らかな気がします。

例え、スターターバッテリーをハウスバッテリーに使用して長持ちした人が居たとしても、特殊ケースかも知れませんし、使用条件や、どの程度信じられるかも分かりません。

バッテリー購入者の状況や使用条件次第ではスターターバッテリー購入が得な可能性もありますが、単に一般的(総合的)に考ますと、“RVハウス用にはスターターバッテリー購入はデイープサイクル購入(使用)に比べて損である”と私は考えます。

この結論も単なる私の意見で、私と反対意見をお持ちの方もいらっしゃると思います。

決断を下す前にスターターバッテリーとデイープサイクルバッテリーの違いを知った上でどちらが得か判断為さって下さい。

参考1:
http://net-camper.sakura.ne.jp//2010k-bat/battery.html

参考2:
私は、乗用車のエンジンオイルは10000マイル(16000Km)毎、RVは15000マイル(24000Km)毎に交換しています。 日本の常識からですと長い距離と思われるかも知れませんが、私のRVにはカミンズエンジンが搭載されていて、そのマニュアルには15000マイル交換が記されています。
http://www.cumminspowerclub.com/resources/ISBMaintSchedulesRV.pdf

上のサイトの右上方に“Oil Drain Interval 15,000 miles / 12 months”と記されていますが、この12ヶ月毎に関しても色々な判断があります。 

アメリカにはオイルサンプルを送ると結果を調べて(アナリシス)呉れる会社があり、RVerやトラック会社で此れを利用して乗り続ける人も少なくありません。 

検査をする冪なのですが、私は12ヶ月は無視して約15000マイル毎に交換する様にしています。 尚、トランスミッションオイルや冷却水のアナリシスもして呉れます。 マニュアルに依りますと私のトランスミッションオイル交換周期は150,000マイル(24万Km)毎です。

“ハウスバッテリー選択”

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新年明けましておめでとう御座います。 今年もよろしくお願いします。

暫くご無沙汰していましたので、“ハウスバッテリー選択”に関して書きます。

RVを安全、且つ快適に使用する為には高価な出費があります。 エンジンメインテナンス、タイヤ交換、駆動関係整備(トランスミッション、ブレーキ、アライメント等)が在りますが、快適さを保ち更に高価である事に関してはバッテリー(ハウスバッテリー)もあります。 

日本ではACDelcoのVoyagerバッテリーが非常に安く販売されているようですので、アメリカのサイトで是非を調べて見ました。 殆どが魚釣りボートに使用されている意見で、そして多くの人がVoyagerバッテリーに満足していました。

其処で、RVフォーラムに絞って調べて見ましたら、満足して居る人も居ましたが、ACDelcoのVoyagerバッテリーはマリーンバッテリーであって本来のデイープサイクルでは無いので、RVのハウス用には適していないと言う意見も沢山ありました(私もこの意見です)。

1990年代から2000年代初めのRVフォーラムの書き込みの中には満足して居る人の書き込みが多いのですが、最近は少なくなっています。 理由は入手が困難になっている為に余り多くの数のVoyagerバッテリーが出回っていないからかも知れません(以前は自動車部品店、デパート、その他多くの店で入手出来ましたが、最近はGMデーラーでも在庫せず取り寄せです)。

Voyagerバッテリーは価格が安い事もありますし、満足して居る人も少なくは在りませんので、電圧を余り低く下げない様に注意すれば6年前後(それ以上)使用可能で、経済的かも知れません。 しかし、Voyagerバッテリーはマリーンバッテリーであって、本来のデイープサイクルバッテリーでは無い事もしって於く必用があります。

尚、“Voyagerバッテリーは高電圧で充電”との意見がある様ですが、他の自動車バッテリー(スターターバッテリー)と同様に充電出来る筈です。 勿論、内部抵抗の少ないAGMバッテリーと比べれば、充電速度で多少は異なるかも知れませんが、14Vの充電器があれば十分な電圧差がありますので、充電可能な筈です。


参考:
日本の状況ではRVパーク(100VAC接続)の使用機会は少なく、ドライキャンピング(電源、水道、排水施設が無い)が多いと思われますので、ハウスバッテリーは非常に重要であると共に、私がアメリカで使用する状況よりバッテリーに取って可なり過酷なのは明らかです。 従って、バッテリー電圧を下がらせるのは当然で、時には25%(約12V)以下迄下げる事もあって当たり前です。 この場合、本来のデイープサイクルバッテリーでしたら打撃が少なくても、Voyagerバッテリーには寿命に大きく影響する可能性もあります。 1度、2度の場合は影響が出なくても、度重なると違いが出て来るのは当然です。 又、バッテリーは徐々に容量が少なくなる場合もありますが、突然内部ショートを起したり、オープン状態(道通が無くなる)になったりする事もあります。 爆発(容器が破裂して内部の硫酸液が飛び散る)を起す事例も少なくありませんし、私も経験があります。

デイープサイクルバッテリーにするかVoyagerバッテリーにするかの判断基準は総合的に考えてどちらが得かです(バッテリーを気にしながらRVを使用するのも余り快適とは言えません)。

どちらを選ぶか考慮する点は:
• 果たして過放電をさせない自信があるか?
• 快適さをどの程度重視するか?
• Voyagerバッテリーを4年x2回購入?
• 他の出費(1年に3000円?)を控えてデイープサイクルバッテリー(購入時の考え)?
• RVを何年キープするか?


どちらのバッテリー(Voyagerバッテリー、デイープサイクル)を選択したら得かは誰にも予測は付きませんが、総合的な可能性を考えて判断する以外には無いでしょう。


参考:
バッテリーの製造年月は、タイヤ製造年月同様、表示されています。 日本では異なるかも知れませんが、次のサイトを参考になさって下さい。 少なくとも6年、8年以上使用出来たら文句無しでは?
http://www.premierproductwarehouse.com/pdf%20documents/date_code_info.pdf

“世界で一番RVが集まる場所?”

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RVが多数集まる条件はRVが集まれる充分な駐車場所がある事です。 
しかし、集まる目的が乏しければ集まりません。


ロスアンジェルスからインターステート10号線を東に向かって約400Kmの所、カルフォルニア州からコロラド川を渡り、アリゾナ州に入って約35Kmの所にコーツサイト(Quartzsite, AZ)と呼ばれる小さな町があります。 

ここは砂漠地帯で6月から9月に掛けては殆ど毎日40度Cを越し、夏季にこの地帯に住む人は3500人程度ですが、1月2月は過ごし易い気温で多くのRVerが集まって25万に達すると言われています。 
電気、下水道が完備された私営のRVパークも数多くありますが、BLM(Bureau of Land Management)と呼ばれる政府の土地で安く宿泊も出来、又特別RV用として整備されていない無料で宿泊可能な場所も多数あります。 

冬の期間は雪で覆われた寒い北国(カナダを含め)から暖かいこの地方で過ごすスノーバード(渡り鳥)と呼ばれるRVerも居れば、RVクラブや友人同士で数台から数百台のグループで集まる人、個人で来る人等色々です。

集まるお目当てもあります。 この地に多くあるジェムストーン、化石等の売買、大規模な蚤の市(フリーマーケット)、そしてRVショー、その他様々な催し物です。
http://www.quartzsitervshow.com/

私も昨年の1月(約2年前)に行きましたが、10年前に比べてRVの数が相当少なく成っては居ましたが、それでも見渡す限り多数のRVが来ていました。
http://www.net-camper.com/cgi-bin/rv-ken/diarypro/diary.cgi?no=343
http://www.net-camper.com/cgi-bin/rv-ken/diarypro/diary.cgi?no=345


来年早々、コーツサイトのフリーマーケットにRVの部品を探しに行こうと思い、ネットでコーツサイトに於ける催し物の予定を調べていましたら、1月18日から1月26日まで行われる予定の、今シーズンで32回目を迎えるRVショーがキャンセルされていました。 RVerの中には楽しみにして居る人も多いと思われ、私の所属するクラブも行く事になっています(他の予定がある為、私はクラブとは別行動)。 理由は約10年前の不況でRV産業は未だに影響を受け、年々RVショーに参加するRVメーカー、部品メーカー、キャンピング装備に関係するメーカー等の参加が減った事が原因して居る様です。 この為、蚤の市(フリーマーケット)に出店する人も激減すると思われますし、集まるRVの数も激減すると思われます。 実際、1月の半ば以降の催し物は何も予定されていません(毎年1月、2月が1番混む)。

今後は、“コーツサイトは世界で一番RVが集まる場所”では無くなるかも知れません。